2017.10.10 | ニュース

ウイルスのタイプを選ばないC型肝炎の治療ほか、新薬5製品

添付文書を中心に

ウイルスのタイプを選ばないC型肝炎の治療ほか、新薬5製品の写真

9月27日に厚生労働省が新薬15製品を承認しました。そのうちマヴィレット、ジーンプラバ、アトーゼット、レバチオ、ビザミルの効能・効果などを紹介します。

マヴィレットとは?

マヴィレット®配合錠(グレカプレビルとピブレンタスビルの合剤)は、C型肝炎の治療薬です。効能・効果は「C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効である血症の改善」とされています。

C型肝炎の治療薬はほかにもありますが、それぞれの特徴から使い分けられています。たとえばハーボニー®配合錠は臨床試験で高い有効性を示した薬ですが、感染しているC型肝炎ウイルス肝炎の原因となるウイルスの一種。C型肝炎が慢性化して、肝硬変、肝がんと進行する場合があるの種類が「セログループ1」の場合のみ効能・効果を認められています。

マヴィレットにはC型肝炎ウイルスの種類による制限がありません(用法・用量が種類によって変わります)。
添付文書には臨床試験の情報として、ウイルスの種類(ジェノタイプ)など違った条件で行われた試験の結果が列記されています。

ジェノタイプ1からジェノタイプ6までのどのウイルスに対しても、治療終了から12週後に血液からウイルスが検出されない状態(SVR12)になった割合は、最高で100%でした。

主な副作用はかゆみ、頭痛、だるさなどでした。

 

ジーンプラバとは?

ジーンプラバ®(一般名ベズロトクスマブ)は「クロストリジウム・ディフィシル感染症の再発抑制」を効能・効果としています。

クロストリジウム・ディフィシルは腸の中に住み着いている細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつの一種です。普通は害がありませんが、抗菌薬細菌感染症に対して用いられ、細菌の増殖を防ぐ、もしくは殺菌する薬。ウイルスや真菌(かび)には効果がないの使用後の下痢などの原因となる場合もあります。

添付文書には2件の臨床試験の結果が記載されています。いずれもクロストリジウム・ディフィシル感染症を抗菌薬で治療中の人を対象としています。メトロニダゾール、バンコマイシンまたはフィダキソマイシン(いずれもクロストリジウム・ディフィシルに対する抗菌薬、フィダキソマイシンは日本で未承認)に加えるものとしてベズロトクスマブと偽薬を比較しました。

1件では、再発率がベズロトクスマブで17.4%、偽薬で27.6%となりました。もう1件では、再発率がベズロトクスマブで15.7%、偽薬で25.7%となりました。

2件の合計で7.5%の人に何らかの副作用が現れました。主な副作用は吐き気などでした。

 

アトーゼットとは?

アトーゼット®配合錠(エゼチミブとアトルバスタチンの合剤)は、血中のコレステロールヒトの全ての細胞の膜を作るのに必要な脂質。LDLコレステロールとHDLコレステロールがあり、前者は動脈硬化などの原因となるを減らす薬です。アトルバスタチンの配合量が少ない「アトーゼット配合錠LD」と、アトルバスタチンの配合量が多い「アトーゼット配合錠HD」の2種類があります。効能・効果は「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」とされています。

エゼチミブ、アトルバスタチンはいずれも単独で高コレステロール血症治療薬としてすでに使われています。

臨床試験では、「LD」「HD」のそれぞれに含まれる量のエゼチミブまたはアトルバスタチンのどちらか一方よりも、2成分を同時に使ったほうがコレステロール値が下がる効果が示されました。

1.5%の人に何らかの副作用が現れました。

 

レバチオとは?

レバチオ®(一般名シルデナフィル)は、「肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果としています。以前は錠剤だけでしたが、新しい剤形としてODフィルムとドライシロップが追加されました。同時に子供にも使えるようになりました。

錠剤とODフィルムでは「1歳以上の小児 体重20kg超の場合」に対して、ドライシロップでは「1歳以上の小児」かつ「体重8kg以上20kg以下の場合」または「体重20kg超の場合」に対しての用量が新たに記載されました。

臨床試験では、16週間の治療後の肺血管抵抗係数が、対象者5人の平均で-145.76dyne・sec/cm5/m2の改善となりました。

主な副作用は頭痛などでした。

 

ビザミルとは?

ビザミル®(一般名フルテメタモル(18F))は検査に使う薬です。脳の画像を撮影するPET検査放射線を発する物質(放射性物質)を体内に入れて、特定の臓器や腫瘍にそれが集まる性質を利用して病気の有無や位置を調べる検査で使い、アルツハイマー型認知症の診断の助けとします。

 

まとめ

新薬が加わることにより、保険診療として新しい治療法が使えるようになります。効能・効果や副作用に対応して報告されているデータを参考に、従来の治療法と比較することで、ひとりひとりに合わせた治療選択の幅を広げることができます。

なお同日に承認されたほかの10製品についても別の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。

関連記事:乳がんの抗がん剤ほか、新薬5製品はどんな薬?

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執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

マヴィレット配合錠 添付文書、ジーンプラバ点滴静注625mg 添付文書、アトーゼット配合錠LD/アトーゼット配合錠HD 添付文書、レバチオ錠20mg/レバチオODフィルム20mg/レバチオ懸濁用ドライシロップ900mg 添付文書、ビザミル静注 審議結果報告書

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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