運動の効果は?息切れ、疲労で動けなくなる「肺動脈性肺高血圧症」の治療法を検討

肺動脈性肺高血圧症は、体を動かす際に息切れや疲労を起こし、運動機能が低下する症状があります。今回の調査で運動の効果が調べられました。
◆運動は肺動脈性高血圧症による運動機能の低下に効果があるのか?
今回の調査は、文献データベースから該当する研究論文を集めるという方法で行われました。肺動脈性肺高血圧症を持つ人を対象に、エクササイズプログラムによる運動能力への効果を調べた研究が対象とされました。合計15件の研究が集められ解析されました。
研究されていたエクササイズプログラムでは、有酸素運動、筋力トレーニングや呼吸筋トレーニングなどが、6週間から18週間かけて行われていました。
◆運動能力が向上!
効果について次の結果が得られました。
エクササイズプログラム後、6分間歩行距離で17mから96m、そして、最大酸素摂取量で1.1から2.1ml/Kg/分の運動能力の向上が見られた[...]、有害事象は最小限だった。
肺動脈性肺高血圧症を持つ人が有酸素運動や筋力トレーニングなどの運動を行うと、運動能力が向上したという結果でした。運動による事故等はわずかでした。
運動は肺動脈性肺高血圧症を持つ人の運動能力に良い効果をもたらす可能性があります。肺動脈性肺高血圧症の治療には薬物療法などがありますが、このような研究結果から、運動療法が治療に役立てられる場面が探られるかもしれません。
執筆者
Effects of Exercise Training on Exercise Capacity in Pulmonary Arterial Hypertension: A Systematic Review of Clinical Trials.
Heart Lung Circ. 2016 Apr.
[PMID: 26703447]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。