2016.11.05 | ニュース

息切れで動けない、肺に血が詰まった「CTEPH」が運動で改善

87人が毎日トレーニング
from European heart journal
息切れで動けない、肺に血が詰まった「CTEPH」が運動で改善の写真
(C) Photographee.eu - Fotolia.com

息切れの原因のひとつが心臓の病気です。薬もありますが、運動が有効な場合もあります。心不全の状態にある人を対象に、運動療法で治療する研究が行われました。

ドイツの研究班が専門誌『European Heart Journal』に報告した研究を紹介します。

この研究では、慢性血栓塞栓性肺高血圧症CTEPH)の治療法が検討されています。CTEPHは、肺の血管に血栓が詰まり、心臓と肺の間で血流が悪くなっている状態です。動くと息が切れるなどの症状があります。悪化すると右心不全と呼ばれる状態に陥り、足のむくみなどの症状を現すことがあります。
この研究では、慢性血栓塞栓性肺高血圧症の患者で、右心不全があり、薬で治療中の87人が対象となりました。

対象者はランダムに2グループに分けられました。

  • 薬は続け、運動療法も加えるグループ
  • 薬を続けるだけで運動療法はしないグループ

運動療法のグループでは、毎日1.5時間以上の運動プログラムとして、自転車こぎ、ウォーキング、ダンベルトレーニングなどが行われました。

 

15週間の治療によって次の結果が得られました。

試験の結果、ピークVO2/kgはトレーニング群で有意に改善した(ベースラインから15週までの差:トレーニング群で+3.1±2.7ml/min/kg、24.3%増加に対して対照群で-0.2±2.3ml/min/kg、0.9%増加、P<0.001)。安静時と運動中の心係数[...]は運動トレーニングによって有意に改善した。

運動療法のグループのほうがピーク酸素摂取量(運動能力の指標)が改善し、心臓の働きが良くなっていました。

 

CTEPHという肺と心臓の病気に対して、運動により一定の効果が得られるかもしれないという結果でした。

運動で体を鍛えることは、歳をとってからの健康にも大きく影響します。当たり前のようですが、日頃からできる範囲で運動することが健康のためにはとても大切です。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Exercise training improves peak oxygen consumption and haemodynamics in patients with severe pulmonary arterial hypertension and inoperable chronic thrombo-embolic pulmonary hypertension: a prospective, randomized, controlled trial.

Eur Heart J. 2016 Jan 1.

[PMID: 26231884]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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