かぞくせいこうこれすてろーるけっしょう

家族性高コレステロール血症

生まれつき、血中のLDLコレステロールの値が異常に高くなってしまう病気。動脈硬化が若いときから起こりやすくなる

病気に関連する診療科の病院を探す
9人の医師がチェック 86回の改訂 最終更新: 2017.06.15

家族性高コレステロール血症の基礎知識

家族性高コレステロール血症について

  • 生まれつき血中のLDLコレステロールヒトの全ての細胞の膜を作るのに必要な脂質。LDLコレステロールとHDLコレステロールがあり、前者は動脈硬化などの原因となるが異常に高くなってしまう病気である
    • LDLコレステロールは肝臓で代謝体内で行われる、物質の合成や分解などの化学反応のことされるが、家族性高コレステロール血症ではLDLコレステロールを肝臓にうまく取り込めない
  • 遺伝性の病気である
    • 常染色体優性遺伝遺伝の形式の一つ。ペアになっている遺伝子のうち、片方にでも異常があれば、その病気が発症し得るような遺伝形式。対義語は常染色体劣性遺伝という遺伝の仕方をする
    • 少なくとも親のどちらかは家族性高コレステロール血症がある
  • 遺伝子の組み合わせによって大きく2つの型に分類される
    • ヘテロ型
      LDL受容体に関わる遺伝子のどちらかに異常がある型
      ・およそ500人に1人と言われている
    • ホモ型(ヘテロ型よりも、遺伝子が強く影響するタイプ)
      LDL受容体とその働きのどちらにも異常がある型
      ・およそ100万人に1人と言われている
  • LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が250mg/dlを超えた場合は家族性高コレステロール血症を強く疑う

家族性高コレステロール血症の症状

  • 皮膚に黄色腫(コレステロールヒトの全ての細胞の膜を作るのに必要な脂質。LDLコレステロールとHDLコレステロールがあり、前者は動脈硬化などの原因となるを多く含む黄色い組織のかたまり)ができる
    • 臀部(おしり)
    • 手首    に黄色腫が出現することが多い
  • 腱黄色腫
    • アキレス腱が肥厚して9mm以上の厚さになる
  • 高コレステロールに伴う動脈硬化全身に酸素と栄養を運ぶ動脈の壁が硬くなった状態。加齢の他に、喫煙、高血圧、脂質異常症、糖尿病などが原因となる(若いうちから虚血性心疾患脳梗塞を引き起こす)
  • 眼の黒い部分(黒目)の周りに脂肪が沈着する(角膜輪)

家族性高コレステロール血症の検査・診断

  • 血液検査:血液中のコレステロールヒトの全ての細胞の膜を作るのに必要な脂質。LDLコレステロールとHDLコレステロールがあり、前者は動脈硬化などの原因となるの値を調べる
  • 必要であれば遺伝子検査も検討される

家族性高コレステロール血症の治療法

  • 血中のLDLコレステロールヒトの全ての細胞の膜を作るのに必要な脂質。LDLコレステロールとHDLコレステロールがあり、前者は動脈硬化などの原因となるを減らして動脈硬化全身に酸素と栄養を運ぶ動脈の壁が硬くなった状態。加齢の他に、喫煙、高血圧、脂質異常症、糖尿病などが原因となるを抑えるのが治療の目標
  • 薬物療法
    • スタチン系脂質降下薬:肝臓でのコレステロール合成を阻害する
    • 陰イオン交換樹脂:腸からのコレステロール吸収を抑える
    • 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬:小腸からのコレステロール吸収を抑える
  • LDLアフェレーシス療法:血液から直接LDLコレステロールを取り除く
  • 動脈硬化が進んでからでは血管は元に戻らないので、早いうちから治療を行うことが大切である

家族性高コレステロール血症に関連する治療薬

陰イオン交換樹脂

  • 消化管内で胆汁酸を吸着しそのまま体外へ排泄させてコレステロールを下げる薬
    • 肝臓で作られたコレステロールの一部は胆汁酸へ変換され消化管へ排泄される
    • 消化管へ排泄された胆汁酸の多くは腸で吸収され再びコレステロールとして利用される
    • 本剤は陰イオン交換樹脂という物質でできた薬剤であり、胆汁酸を吸着する作用をあらわす
陰イオン交換樹脂についてもっと詳しく

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

  • 小腸におけるコレステロールの吸収を抑え、血液中のコレステロールを低下させる薬
    • 脂質異常症ではコレステロールなどの数値異常がおきている
    • 小腸では食事及び胆汁由来のコレステロールが小腸コレステロールトランスポーターという物質の働きによって吸収される
    • 本剤は小腸コレステロールトランスポーターを阻害し、小腸におけるコレステロール吸収を阻害する
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬についてもっと詳しく

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系高脂血症治療薬)

  • 肝臓におけるコレステロール合成を抑え、血液中の悪玉コレステロールを低下させ、動脈硬化などを予防する薬
    • 脂質異常症では血液中のコレステロールなどの数値異常がおきている
    • 肝臓ではHMG-CoA還元酵素というものの働きなどによりコレステロールが作られていて、作られたコレステロールは血液中へ移行する
    • 本剤はHMG-CoA還元酵素の働きを阻害し、肝臓におけるコレステロール合成を阻害する
  • 脳梗塞や心筋梗塞などの予防目的で使用される場合もある
  • 薬剤の作用の強さ(LDLコレステロールの低下度など)による分類
    • 一般的には、作用の強さが比較的マイルドな薬剤を「スタンダードスタチン」と呼び、それに比べ作用が強い薬剤を「ストロングスタチン」と呼ぶ
HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系高脂血症治療薬)についてもっと詳しく

家族性高コレステロール血症が含まれる病気


家族性高コレステロール血症のタグ