PDE5阻害薬(肺高血圧症治療薬) - 解説(効能効果・副作用・薬理作用など) | MEDLEY(メドレー)
PDE5阻害薬(肺高血圧症治療薬)
血管平滑筋におけるcGMPの分解酵素(PDE5)を阻害することで、血管弛緩作用をあらわし肺動脈圧や肺血管抵抗などを改善する薬
同義語:
ホスホジエステラーゼ5阻害薬

PDE5阻害薬(肺高血圧症治療薬)の解説

PDE5阻害薬(肺高血圧症治療薬)の効果と作用機序

  • 血管弛緩作用をあわらすcGMPの分解酵素を阻害することで肺動脈圧や肺血管抵抗などを改善する薬
    • 肺動脈性肺高血圧症は肺の中の動脈が狭くなったり硬くなるなどにより、肺動脈圧が上昇し呼吸器症状や心不全症状などがおこる
    • 血管平滑筋の弛緩にcGMPという物質が関わっていて、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)という酵素により分解される
    • 本剤はPDE5を阻害し、肺組織中のcGMPを増加させることで血管拡張作用などをあらわす
  • 本剤の成分を使用した「排尿障害改善薬」や「勃起不全治療薬」が存在する

PDE5阻害薬(肺高血圧症治療薬)の薬理作用

肺動脈性肺高血圧症は肺の中の動脈が狭くなったり硬くなることで、肺動脈圧が上がって動作時の息苦しさや咳・痰などの呼吸器症状、心不全症状などがあらわれる。

血管平滑筋の弛緩にはcGMP(環状グアノシン一リン酸)などが関わっており、このcGMPが増加すると血管平滑筋が弛緩し血管拡張がおこる。cGMPを分解する酵素にPDE5(ホスホジエステラーゼ5)がある。

本剤は肺血管平滑筋におけるcGMPの分解酵素であるPDE5を阻害し、肺組織中のcGMPを増加させることで血管拡張作用をあらわし肺高血圧症における動脈圧などを改善する。

PDE5は肺血管平滑筋以外に前立腺や膀胱括約筋、下部尿路血管平滑筋、陰茎海綿体などにも存在し、これら部位におけるPDE5阻害作用により、血流増加作用などによる前立腺肥大に伴う排尿障害の症状緩和や陰茎海綿体の弛緩作用などによる勃起改善作用をあわらすことで、本剤の成分を使用した、排尿障害改善薬や勃起不全治療薬が存在する。

PDE5阻害薬(肺高血圧症治療薬)の主な副作用や注意点

  • 精神神経系症状
    • 頭痛、めまい、錯感覚などがあらわれる場合がある
  • 泌尿・生殖器症状
    • 持続勃起などがあらわれる場合がある
  • 皮膚症状
    • 発疹紅斑などがあらわれる場合があり、薬剤によっては極めて稀だが過敏症などがあらわれる場合もある
  • 硝酸薬及びNO(一酸化窒素)供与薬との飲み合わせに関して
    • 降圧作用などが増強する場合があるため原則として、本剤と上記薬剤は併用禁忌(併用しない)

PDE5阻害薬(肺高血圧症治療薬)の一般的な商品とその特徴

レバチオ

  • 通常、1日3回、服用する
  • 剤形としてODフィルム(口腔内で崩壊するフィルム)や散剤(懸濁用ドライシロップ)もある
  • 本剤と同成分(シルデナフィルクエン酸塩)を使用した勃起不全治療薬(商品名:バイアグラ など)がある

アドシルカ

  • 長時間作用型の製剤であり通常、1日1回、服用する
  • 本剤の成分(タダラフィル)を使用した他の疾患の治療薬に関して
    • ザルティア:前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬
    • シアリス:勃起不全治療薬