2015.07.01 | ニュース

食事のコレステロールは心筋梗塞、脳梗塞、脳出血と関係ない?

40件のメタアナリシス
from The American journal of clinical nutrition
食事のコレステロールは心筋梗塞、脳梗塞、脳出血と関係ない?の写真
(C) yasuhiro - Fotolia.com

血液中のコレステロールが多くなる脂質異常症(高脂血症)は心筋梗塞などの心血管疾患の原因と言われていますが、最近の研究では、脂質異常症を起こして心血管疾患を多くする原因は必ずしも食事のコレステロール量ではないという意見があります。食事のコレステロールについてこれまでの研究を統合した研究から、冠動脈疾患、虚血性脳卒中、出血性脳卒中との関連は見られなかったという結果が報告されました。

◆過去の文献を検証

研究班は、文献検索により、食事から摂取するコレステロールの量を調べた研究を集め、結果を統合して統計解析しました。

 

◆冠動脈疾患、虚血性脳卒中、出血性脳卒中に関連なし

解析から次の結果が得られました。

1979年から2013年に出版された40件の研究(うち17のコホートについての19件の論文が計361,923人を対象とし、19の試験についての21本の論文が計632人を対象とする)がレビューに採用された。食物のコレステロールは任意の冠動脈疾患(4件のコホート研究、要約リスク比なし)、虚血脳卒中(4件のコホート研究、要約リスク比1.13、95%信頼区間0.99-1.28)、出血性脳卒中(3件のコホート研究、要約リスク比1.09、95%信頼区間0.79-1.50)と統計的に有意に関連がなかった。

40件の研究が見つかり、そのうちの統計では、食事のコレステロールと冠動脈疾患(虚血性心疾患)、虚血性脳卒中脳梗塞)、出血性脳卒中脳出血くも膜下出血)に関連は見られませんでした

研究班はこの結果について「レビューされた研究は不均一であり、食物コレステロールが心血管疾患のリスクに与える影響について結論を引き出すには方法論的厳密性に欠ける」と述べています。

 

結論の確かさには留保がつきましたが、少なくとも、食べ物のコレステロールを多いと心血管疾患が多いという考えが確かとは言えないという例が示されました。

なお、厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、以前は指定されていたコレステロール摂取量の目標量が撤廃されています。

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(PDF)

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

食べ物のコレステロールを気にする理由は弱いのかもしれませんが、高カロリーの食事は糖尿病に結びつくなど、食事と健康の関係はほかにもいろいろとあります。厚生労働省の基準も参考に、全体としてバランスのよい食生活が勧められるということは変わらなそうです。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Dietary cholesterol and cardiovascular disease: a systematic review and meta-analysis.

Am J Clin Nutr. 2015 Jun 24 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26109578]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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