2015.06.25 | ニュース

コーヒー愛飲者に肺がんが多い理由は?生活習慣との関連を検証

アメリカで約50万人を対象にした調査から

from International journal of epidemiology

コーヒー愛飲者に肺がんが多い理由は?生活習慣との関連を検証の写真

コーヒーを飲む人は肺がんリスクが高いという報告があります。しかしコーヒーが直接肺に作用するのか、他の要因が関連するのかは不明でした。特にコーヒーを沢山飲む人は喫煙する傾向があり、著者らはコーヒーと喫煙と肺がんの関連を、アメリカの健康研究に参加している人を対象に検討しました。喫煙の効果を差し引く計算をすると変化の幅が小さくなりましたが、やはりコーヒーを多く飲む人では肺がんリスクが増えていました。

◆約50万人に関し、調査期間中の肺がん発症とコーヒー飲量の関連を解析

著者らは以下のような形で調査しました。

ベースラインで典型的なコーヒー飲量と喫煙履歴を質問した。4,155,256人年の追跡調査期間中、9000件を超える肺がん発症症状や病気が発生する、または発生し始めることがあった。

つまり、約50万人の追跡調査期間において、9,000件余の肺がん発症が生じました。この発症条件に関し、コーヒーとの関連を細かく調べていきました。

 

◆コーヒー6杯/日を飲むと肺がん発症率4.56倍だが、喫煙補正を行うと1.27倍に

結果は以下の通りでした。

コーヒーを飲む人は飲まない人よりも遥かに喫煙しやすい。コーヒーを飲む事は年齢と性別を補正したモデルで肺がんと関係があるけれども(6杯/日以上の人は飲まない人と比べてハザード比4.56、95%信頼区間4.08から5.10)、喫煙補正を行ったところかなり減衰した(ハザード比1.27、95%信頼区間1.14から1.42)。似た発見は各組織学的に異なるタイプの肺がんで見られ、主にカフェイン入りのコーヒーを飲む人でも、カフェインを除いたコーヒーを飲む人でも同様であった。

つまり、コーヒーを1日6杯以上飲む人では肺がん発症率が4.56倍という結果が出ましたが、コーヒーを沢山飲む人は喫煙率も高いので、補正すると1.27倍であった、と言う事です。全くリスクが無い訳ではないですが、喫煙の影響が大きかったようです。またこの関連にカフェインの有無は関係ないようです。

著者らは、「コーヒーを飲む事は肺がんと正の相関2つのことの間に何かしらの関係性があること。ただし、因果関係や前後関係などの意味をもった関係性があるかは不明にあるが、喫煙補正を行うと著しく減衰する。[...]今回おこなった一生における喫煙補正は不完全なので、他の説明は可能だが残りの関連は喫煙の残留交絡によるのかもしれない」と述べています。
もしこの効果がすべて喫煙で説明できるなら、コーヒーを飲むけれどタバコを吸わない人達にとっては、朗報かも知れません。カフェインの有無では関係ない結果なので、コーヒーと関連して肺がんリスクを1.27倍高くするのはどんな要因か、カフェインではない肺がん誘発物質は何なのか(タバコなのか)、気になる結果です。

執筆者

高田


参考文献

Coffee consumption and incidence of lung cancer in the NIH-AARP Diet and Health Study

Int J Epidemiol. 2015 Jun 16

[PMID: 26082405] http://ije.oxfordjournals.org/content/early/2015/06/15/ije.dyv104.abstract

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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