2015.12.22 | ニュース
1日400mgのカフェインで皮膚がんが減るかもしれない
約20万人を分析
from Epidemiology (Cambridge, Mass.)

(C) Astarot - Fotolia.com
悪性黒色腫は皮膚がんの一種で、紫外線などの影響で発症すると言われています。今回の研究では、悪性黒色腫の発症を予防するかもしれない物質として、カフェインとの関連性を検証しました。
◆カフェインは悪性黒色腫を予防するのか?
悪性黒色腫は紫外線などの刺激によって、皮膚の細胞が損傷を受けると起こりやすくなると言われています。カフェインは、その損傷した細胞を除去する働きを持つ可能性が報告されていました。
今回の研究では、2,254人の悪性黒色腫患者を含む約20万人を対象に、カフェインの摂取量と悪性黒色腫の関連性を検証しました。
◆カフェインの摂取量が多いと悪性黒色腫を予防できる?
以下の結果が得られました。
他の
リスク因子 で調整すると、全カフェイン摂取量がより多いことと、黒色腫のリスクが低いことが関連していた(1日393mg以上 vs 60mg未満でハザード比0.78、95%信頼区間0.64-0.96、ptrend=0.048)。
カフェインの摂取量が多いと悪性黒色腫を予防できる可能性が高いという結果でした。また、その特徴は男性よりも女性で見られました。
カフェイン400mgは、インスタントコーヒーで表すとおよそ1000ml弱に値します。カフェインを摂ることで、悪性黒色腫のような病気を予防できるのであるとしたら、有用です。今後、より詳細な検証により、治療薬などの開発につながるかもしれません。
執筆者
参考文献
Caffeine Intake, Coffee Consumption, and Risk of Cutaneous Malignant Melanoma.
Epidemiology. 2015 Nov
[PMID: 26172864]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。