2015.12.08 | ニュース

1日4杯以上のコーヒーで肝臓がんのリスクが下がる

375人のコーヒーの消費量から

from The American journal of clinical nutrition

1日4杯以上のコーヒーで肝臓がんのリスクが下がるの写真

コーヒーを飲むと肝臓がんになりにくくなるという話を耳にしたことはありますか?コーヒーと肝臓がんの関係は、未だに解明されていませんでした。今回研究チームは、肝臓がん患者と肝臓がんがない人でコーヒーの消費量を比べた結果を報告しました。

◆375人のコーヒーの消費量から分析

研究チームは、肝臓にできるがんの中で最も多い肝細胞がんに着目して分析を行いました。肝細胞がん患者125人と、肝細胞がんがない250人の計375人を対象者としました。

また、コーヒーの消費量との関係性の分析をする際には、喫煙、アルコール飲料の消費量、肝炎ウイルスの感染の有無など、肝細胞がんのリスクを上げる要因を考慮しました。

 

◆1日4杯以上コーヒーを飲むと肝細胞がんになりにくくなった

分析の結果、以下のことが分かりました。

1日2杯(300mL)未満のコーヒーを飲んだ場合と比較して、1日4杯(600mL)以上コーヒーを飲んだ場合の多量変補正相対危険度は0.25だった(95%信頼区間:0.11-0.62、P trend=0.006)。

つまりこの研究から、1日に4杯以上のコーヒーを飲んでいる人では、肝細胞がんになるリスクが低いことが示されました。

 

この研究では、1日4杯以上のコーヒーを飲む人が、ほかにも肝細胞がんになりにくい生活習慣などを持っていた可能性が否定出来ません。しかし、適量のコーヒーを飲むことで体に良い効果をもたらす可能性がある、という報告がほかにもあることから、健康の指標の1つになるのかもしれません。

執筆者

鈴木あいか

参考文献

The association of coffee intake with liver cancer risk is mediated by biomarkers of inflammation and hepatocellular injury: data from the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition.

Am J Clin Nutr. 2015 Nov 11 [Epub ahead of print]

[PMID: 26561631]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る