あくせいこくしょくしゅ
悪性黒色腫
皮膚細胞(メラニン細胞)から発生する皮膚がんの一種。紫外線や外傷などの刺激が原因となる
11人の医師がチェック 102回の改訂 最終更新: 2017.12.06

悪性黒色腫の基礎知識

悪性黒色腫について

  • 皮膚細胞(メラニン細胞)から発生する皮膚がんの一種
    • 紫外線や外傷などの刺激によってメラニン細胞ががん化して発症する
  • 日本では1年でのべ1500-2000人が発症しているとされる
    • 中年以降に多いが、若年者に生じることもある
  • 病気の知識
    • 先天性の巨大な色素性母斑(黒あざ)内や色素性乾皮症などの患者に生じやすい
    • 皮膚のどの部分にも出現する可能性があるが、足裏と手足指先、爪に多い
    • 皮膚以外では口の中や眼球にも発生することがある

悪性黒色腫の症状

  • ほくろのようなしみが、1-2年で徐々に大きくなる
  • しみ、ほくろは体に数多くあるが、悪性黒色腫では以下の特徴がある
    • 色にむらがあり、まだらである
    • 大きさが5-6mmを超えて大きくなる
    • しみの縁がギザギザで形が崩れている
    • しみが浮いてきたり、硬くなる
    • 潰瘍ができる
  • 爪にできる場合は、爪に黒い筋が入り広がっていく
  • 悪性黒色腫は他の臓器へと転移することもある

悪性黒色腫の検査・診断

  • 視診:色素性母斑(ほくろ)の有無を調べる
    • 見た目と必要に応じてダーモスコピーで拡大して観察する
  • 悪性黒色腫が疑われる場合、腫瘍が比較的小さく取り切れる場合は全体を切除して組織診をする
    • 比較的大きい場合は一部を生検して組織診を行う
  • 画像検査:他の臓器へ転移しているかどうか確認する
    • CT検査など

悪性黒色腫の治療法

  • しみが手術で取りきれる場合はしみとその周囲に少し余裕をもって切除する
    • 手術で取り除いた部分を詳しく調べて、腫瘍がどこの深さまで到達しているのか、どのような性質の腫瘍なのかが診断できる
  • 手術で除去しきれない場合以下のような治療を組み合わせて行う
    • 放射線療法
    • 化学療法
      ・従来の抗がん剤に加え、分子標的薬のニボルマブが2014年より国内で用いられるようになった
    • 免疫療法
  • 長期的な経過
    • 進行していない初期の悪性黒色腫は取り切れれば命に関わることは通常ない
      ・そのため早期発見、早期治療が重要
    • 術後は再発がないかどうか定期的に皮膚の状態をチェックし、場合によっては画像の検査を行う
    • 悪性黒色腫が進行していて手術で取りきれないとき、転移をしているときは、根治的治療は難しく、死に至ることもある
  • 悪性黒色腫は紫外線に長期間当たることで引き起こされることが多いので、帽子や服、日焼け止めなどで皮膚を守ることは予防に重要

悪性黒色腫に関連する治療薬

分子標的薬(BRAF阻害薬〔ベムラフェニブ〕)

  • 異常な細胞増殖の因子となる変異型BRAFというキナーゼタンパク質の活性を阻害し抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで正常ながん細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞増殖のシグナル伝達で重要な因子となるBRAFというキナーゼタンパク質があり、このBRAFに変異がおこると細胞増殖が異常に促進する
    • 転移性悪性黒色腫ではBRAF変異がみられる場合がある
    • 本剤は活性化変異型のBRAFキナーゼを阻害することで抗腫瘍効果をあらわす

  • 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定の分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(BRAF阻害薬〔ベムラフェニブ〕)についてもっと詳しく

分子標的薬(ニボルマブ〔ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体〕)

  • がん細胞を攻撃するリンパ球T細胞を回復・活性化させ、がん細胞に対する免疫反応を亢進させることで抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 通常であれば、がん細胞は体内で異物とされリンパ球のT細胞によって攻撃を受けるが、がん細胞が作るPD-1リガンドという物質はリンパ球の活性化を阻害する
    • 本剤はPD-1リガンドによるリンパ球の活性化阻害作用を阻害することで、T細胞のがん細胞へ攻撃する作用を高める

  • 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(ニボルマブ〔ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体〕)についてもっと詳しく

分子標的薬(イピリムマブ〔ヒト型ヒトCTLA-4モノクローナル抗体〕)

  • がん細胞を攻撃するリンパ球T細胞の活性に対する抑制的調節を遮断することなどにより、がん細胞の増殖を抑える薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • リンパ球T細胞上に発現するCTLA-4が抗原提示細胞上のCD80/CD86分子と結合すると、T細胞の活性化が抑えられ、がん細胞などへの攻撃が抑えられる
    • 本剤はCTLA-4とCD80/CD86の結合を阻害することで、T細胞の活性化を維持させることで抗腫瘍効果をあらわす

  • 本剤は免疫による攻撃が過剰にならないように調節するTreg(制御性T細胞)の機能を低下させる作用などもあらわす
  • 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(イピリムマブ〔ヒト型ヒトCTLA-4モノクローナル抗体〕)についてもっと詳しく


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