2017.11.06 | ニュース

抗がん剤ダブラフェニブとトラメチニブ使用後5年の生存率は?

悪性黒色腫に対する試験の追跡結果

from Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology

抗がん剤ダブラフェニブとトラメチニブ使用後5年の生存率は?の写真

ダブラフェニブとトラメチニブは、皮膚がんの一種に対する治療薬です。治療後の患者を5年以上追跡して長期の効果を調べた結果が報告されました。

BRAF V600変異悪性黒色腫の治療

アメリカとオーストラリアの研究班が、ダブラフェニブとトラメチニブの効果と安全性を見る試験の長期の結果を、専門誌『Journal of Clinical Oncology』に報告しました。

この研究は、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)で、すでに転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いがあり、BRAF V600変異という遺伝子変異を持っているものに対する治療として、ダブラフェニブとトラメチニブを試したものです。

対象者はランダムに3グループに分けられ、それぞれ使う薬剤を変えて治療することとされました。

  • ダブラフェニブ1回150mgを1日2回
  • ダブラフェニブ1回150mgを1日2回+トラメチニブ1回1mgを1日1回
  • ダブラフェニブ1回150mgを1日2回+トラメチニブ1回2mgを1日1回

ダブラフェニブのみのグループでがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるの進行があった場合、ダブラフェニブ+トラメチニブ2mgのグループに切り替えてもよいと決められました。

この研究などの短期的な結果から、ダブラフェニブとトラメチニブは、日本では2016年に「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として販売開始されています。トラメチニブの添付文書上の用法・用量は「ダブラフェニブとの併用において、通常、成人にはトラメチニ ブとして2mgを1日1回、空腹時に経口投与する」とされています。

研究班は、この研究の参加者の追跡を続け、治療開始から5年以上追跡された患者のデータをもとに、4年・5年時点での生存率などを計算しました。

 

5年までで生存率28%

効果について次の結果が得られました。

ダブラフェニブ150mg+トラメチニブ2mgで、延長したフォローアップ期間に全生存率(4年で30%、5年で28%)、無増悪生存率(4年・5年ともに13%)は安定するようだった。

ダブラフェニブ+トラメチニブ2mgのグループで、4年後までの生存率は30%、5年後までの生存率は28%でした。がんの進行がなく生存する割合は4年後までで13%、5年後まででも13%と計算されました。

 

ダブラフェニブとトラメチニブは長期的にも有効?

ダブラフェニブとトラメチニブの効果を長期追跡で調べた研究を紹介しました。

こうした情報があることで、より長い視野で、効果を得る確率の高い治療法を選ぶための参考とすることができます。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Long-Term Outcomes in Patients With BRAF V600–Mutant Metastatic Melanoma Who Received Dabrafenib Combined With Trametinib.

J Clin Oncol. 2017 Oct 9. [Epub ahead of print]

[PMID: 28991513]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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