しきそせいかんぴしょう(えっくすぴー)
色素性乾皮症(XP)
日光を浴びると強い日焼けや色素沈着などを起こす病気。紫外線によるDNAの損傷を修復する遺伝子の異常が原因
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最終更新: 2022.04.15
色素性乾皮症(XP)の基礎知識
POINT 色素性乾皮症(XP)とは
紫外線による皮膚のダメージを修復する遺伝子に異常があるために、日光を浴びると強い日焼けや色素沈着を起こす病気です。皮膚がんになりやすいことが知られています。診断に有用な検査はあまりなく、症状や経過、家族歴などから総合的に判断されることが多いです。一部の大学病院で行われる特殊な検査によって診断がつくこともあります。有効な治療は確立されていないので、日光を避けることが治療になります。色素性乾皮症が心配な人は皮膚科を受診してください。
色素性乾皮症(XP)について
- 紫外線によるDNAの損傷を修復する遺伝子に異常があるため、日光を浴びると強い日焼けや
色素沈着 などを起こす病気- 紫外線を浴びると皮膚のDNAはダメージを受けるが、通常はダメージを受けたDNAを修復する機能がある
- 色素性乾皮症の患者は、修復する機能が先天的に障害されているため、日光に対して皮膚が異常な反応をする
- 成長するとともに、基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫などの皮膚がんになりやすい
- 健常者の数千倍皮膚がんになりやすいと言われている
- 日本には約500-1000人の患者がいるといわれている
- 病気にタイプによっては、目の症状や神経症状(
知能障害 や運動失調 など)を伴う - ポルフィリン症などとの区別が難しいことがある
色素性乾皮症(XP)の症状
色素性乾皮症(XP)の検査・診断
- 有効な検査はなく、症状や経過、家族歴などから総合的に診断される
- 一部の大学病院などで行われる特殊な検査(DNAの修復機能を調べる)で診断がつく場合もある
色素性乾皮症(XP)の治療法
- 有効な治療法は現時点では確立されていない
- 日々の生活で日光を避けることが重要
- 直接の紫外線を避ける
- 紫外線を遮断できる衣服や眼鏡の着用、日焼け止めクリームの使用する
- 日常の生活環境でも(部屋の窓など)紫外線を遮断する