2型糖尿病リスクに卵は関連するか

たまごは高コレステロール食品で、糖尿病には悪いイメージがあるかもしれません。一方で、糖尿病でもたまごを食べていいという説も耳にします。2型糖尿病とたまごの摂取量に関して2種類の方法で調べた結果が報告されました。
◆39,610人の男性を対象に
スウェーデンの45歳から79歳までの39,610人を追跡し、2型糖尿病を
また、その調査とは別にたまごの影響について調べるために、医学論文のデータベースから文献を収集し、メタ分析(複数の研究結果を統合して分析)を行いました。
◆たまごの消費量に関連なし
15年間の追跡で、対象者のうち4,173人の男性が2型糖尿病と診断されました。たまごの消費量については、以下のようになりました。
たまごを1週間に1個未満消費する男性と比較して、多変量調整したハザード比は、たまごの消費量が週に1~2個で0.98(95%信頼区間0.91、1.05)、週に3~4個で1.11(95%信頼区間0.99、1.24)、週に5個以上で1.11(95%信頼区間0.95、1.29)であった(Ptrend=0.06)。
たまごの消費量と2型糖尿病の発症リスクには統計的な関連性は見られませんでした。
メタ分析では、米国の研究でのみ、たまごを多く食べるほど、2型糖尿病になるリスクが高くなりましたが、米国以外の研究をまとめると、関連性は見られませんでした。
たまごは栄養価の高い食品です。どんな食物も食べすぎは良くありませんが、特にたまごが糖尿病に悪いということはなさそうです。
執筆者
Egg consumption and risk of type 2 diabetes: a prospective study and dose-response meta-analysis.
Diabetologia. 2016 Mar 18.
[PMID: 26993632]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。