しーがたかんえん
C型肝炎
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の炎症。比較的ゆっくりと病状が進み、長年をかけて肝硬変や肝がんに至る
7人の医師がチェック 122回の改訂 最終更新: 2019.10.29

C型肝炎の症状について

症状をきっかけにC型肝炎が見つかることはあります。しかし、C型肝炎の初期には症状があってもわずかであることが多く、見過ごされてしまうことが少なくありません。このページではC型肝炎の人によくある症状について詳しく説明しますので、C型肝炎の検査を受けるタイミングや進行度を知る参考にしてください。

1. C型肝炎は進行の程度によって症状が異なる

C型肝炎の初期はほとんど症状がありません。そのため気づかないうちに進行し、感染から20-30年経って肝硬変肝臓がんとなってしまうことがあります。このページではC型肝炎ウイルスが感染し続けた人の肝臓が、どのような症状を感じるのか説明します。

C型肝炎ウイルスが感染した直後の症状(初感染)

C型肝炎ウイルスに感染しても、7-8割の人は症状を感じません。残りの2-3割の人は、体内にウイルスが入ってから2週間-6ヶ月経ったころに、食欲不振や気分不快、腹痛、黄疸などの症状を感じます。

ウイルスが排除されず、持続的に感染したときの症状

慢性肝炎となっても症状が出ないことが多いですが、食欲不振や気分不快などの症状を感じる人もなかにはいます。

肝機能が大きく低下して肝臓が固くなっている段階(肝硬変)の症状

慢性肝炎が10-30年続くと3割程度の人で肝臓が固くなり機能が悪くなる「肝硬変」という状態になります。肝硬変は、症状によって代償期肝硬変と非代償期肝硬変に分けられています。非代償期肝硬変は、肝硬変の初期の段階で、ほとんどの人が症状を感じません。非代償期になると、下記のような症状が生じます。

肝硬変の症状】

  • 食欲不振
  • だるさ
  • 疲れやすさ
  • 全身のむくみ
  • 手の震え
  • 黄疸(皮膚や目が黄色くなる)
  • おなかに水が溜まって下っ腹が大きくなる
  • 意識がもうろうとする
  • 吐血

詳細は、肝硬変のページを参照してください。

2. C型肝炎ウイルスが肝臓以外の臓器に与える影響について

C型肝炎ウイルスは肝臓以外の部位にも病気をつくることがあります。代表的な4つの病気について解説をします。

クリオグロブリン血栓性血管炎

クリオグロブリンとは、異常な性質をもつグロブリン(抗体)で、C型肝炎の人にできやすいといわれています。クリオグロブリンをもっていても症状が出ない人がほとんどです。

まれですが、クリオグロブリンが血管に沈着して免疫が過剰に働いてしまうと、皮膚の血管が破れて発疹がでたり、関節が痛むといった症状が起こることがあります。この病気をクリオグロブリン血栓血管炎と言います。

膜性増殖性糸球体腎炎

C型肝炎ウイルスによって、膜性増殖性糸球体腎炎という病気になることがあります。C型肝炎ウイルスに感染することで免疫システムが誤作動を起こし、免疫複合体というタンパク質が腎臓の糸球体にくっついて、尿をうまく作れなくなる病気です。この病気で免疫が異常に作動する要因として、上述のクリオグロブリンが関係している可能性が指摘されています。膜性増殖性糸球体腎炎となると、蛋白尿血尿、高血圧、腎機能低下などがみられることがあります。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群とは、免疫システムが誤作動を起こして涙や唾液をだす部位を攻撃してしまう病気です。目が乾いたり、口の中が乾燥して虫歯ができやすくなったりします。C型肝炎に感染している人は感染していない人に比べて、シェーグレン症候群になりやすいといわれています。

悪性リンパ腫

C型肝炎ウイルスに感染していると、悪性リンパ腫になりやすいといわれています。

ある研究では、C型肝炎ウイルスに持続感染していて抗ウイルス治療をしていない人たちでは、悪性リンパ腫の発生率は10年間で2.3%であったと報告しています。一方で、インターフェロンを使った治療でC型肝炎ウイルスが検出されなくなった人では、10年間で悪性リンパ腫になった人はいなかったという報告があります。

C型肝炎ウイルスに感染している人では、悪性リンパ腫の中でもB細胞非ホジキンリンパ腫になりやすいといわれています。

参考文献:

・Kawamura Y et al. Viral elimination reduces incidence of malignant lymphoma in pateints with hepatic C. 2007;120(12):1034-1041.