C型肝炎の症状について
1. C型肝炎は進行の程度によって症状が異なる
C型肝炎の初期はほとんど症状がありません。そのため気づかないうちに進行し、感染から20-30年経って肝硬変や肝臓がんとなってしまうことがあります。このページでは
C型肝炎ウイルスが感染した直後の症状(初感染)
C型肝炎ウイルスに感染しても、7-8割の人は症状を感じません。残りの2-3割の人は、体内に
ウイルスが排除されず、持続的に感染したときの症状
慢性肝炎となっても症状が出ないことが多いですが、食欲不振や気分不快などの症状を感じる人もなかにはいます。
肝機能が大きく低下して肝臓が固くなっている段階(肝硬変)の症状
慢性肝炎が10-30年続くと3割程度の人で肝臓が固くなり機能が悪くなる「肝硬変」という状態になります。肝硬変は、症状によって代償期肝硬変と非代償期肝硬変に分けられています。非代償期肝硬変は、肝硬変の初期の段階で、ほとんどの人が症状を感じません。非代償期になると、下記のような症状が生じます。
【肝硬変の症状】
- 食欲不振
- だるさ
- 疲れやすさ
- 全身の
むくみ - 手の震え
- 黄疸(皮膚や目が黄色くなる)
- おなかに水が溜まって下っ腹が大きくなる
- 意識がもうろうとする
吐血
詳細は、肝硬変のページを参照してください。
2. C型肝炎ウイルスが肝臓以外の臓器に与える影響について
C型肝炎ウイルスは肝臓以外の部位にも病気をつくることがあります。代表的な4つの病気について解説をします。
クリオグロブリン血栓性血管炎
クリオグロブリンとは、異常な性質をもつグロブリン(
まれですが、クリオグロブリンが血管に沈着して
膜性増殖性糸球体腎炎
C型肝炎ウイルスによって、膜性増殖性糸球体腎炎という病気になることがあります。C型肝炎ウイルスに感染することで免疫システムが誤作動を起こし、免疫複合体というタンパク質が腎臓の
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群とは、免疫システムが誤作動を起こして涙や唾液をだす部位を攻撃してしまう病気です。目が乾いたり、口の中が乾燥して虫歯ができやすくなったりします。C型肝炎に感染している人は感染していない人に比べて、シェーグレン症候群になりやすいといわれています。
悪性リンパ腫
C型肝炎ウイルスに感染していると、悪性リンパ腫になりやすいといわれています。
ある研究では、C型肝炎ウイルスに持続感染していて抗ウイルス治療をしていない人たちでは、悪性リンパ腫の発生率は10年間で2.3%であったと報告しています。一方で、
C型肝炎ウイルスに感染している人では、悪性リンパ腫の中でも
参考文献:
・Kawamura Y et al. Viral elimination reduces incidence of malignant lymphoma in pateints with hepatic C. 2007;120(12):1034-1041.