しゅさようひふえん
酒さ様皮膚炎
鼻・眉間・頬・あごなどに、赤みを帯びたり強いほてりや灼熱感を伴ったりする病態
4人の医師がチェック 86回の改訂 最終更新: 2022.04.15

酒さ様皮膚炎の基礎知識

POINT 酒さ様皮膚炎とは

赤みを帯びた強いほてりや灼熱感が鼻・眉間・頬・あごなどに現れる病気です。主な症状は皮膚の隆起(膨疹)や膿疱(皮膚に膿がたまったもの)です。ステロイドが含まれた塗り薬の長期間の使用が主な原因になるので、診断には視診(見た目の診断)と問診でのステロイドの使用の有無が重要なポイントになります。見た目が酒さに似ているために、酒さ様皮膚炎といいますが、治療法が違うために見分ける必要があります。酒さ様皮膚炎の原因の多くは長期間のステロイド薬の使用なので、薬の中止が治療になります。酒さ様皮膚炎が疑われる人は皮膚科を受診してください。

酒さ様皮膚炎について

  • 鼻や眉間や頬、あごなどが、赤みを帯びたり強いほてりや灼熱感を伴ったり病態
    • 症状が酒さに似ているため、酒さ様皮膚炎という
  • 顔面のほてりや発赤を繰り返しやすい人が、肌に合わない薬を使用することが原因で起こる
    • 多くの場合ステロイド外用薬の長期の使用が原因となる
  • 20-50歳代の女性に多い

酒さ様皮膚炎の症状

  • 主な症状
    • 毛細血管の拡張
    • 丘疹:皮膚の隆起(直径1cm以下)
    • 疱:皮膚に膿が溜まったもの
    • 化粧品や少量のせっけんにも感じる痛み
  • ステロイド薬の外用が原因の場合、薬を塗った部位を中心に皮疹が現れる

酒さ様皮膚炎の検査・診断

酒さ様皮膚炎の治療法

  • ステロイド外用薬が原因となっていることが多いため、その場合はステロイド外用薬をやめる必要がある
    • ただし、中止した後には高い確率で一時的に皮膚の状態が悪化することが多いため、この時期を保湿剤などで乗り切ることが必要
    • 症状が改善するのに時間がかかることを覚悟する必要がある
    • 幹線を伴っている場合には、抗菌薬(テトラサイクリン系など)を使用することもある
    • グリチルリチン製剤(解毒作用や抗アレルギー作用がある)を使う場合もある
  • 症状が和らぐには、数か月程度かかることが多い

酒さ様皮膚炎に関連する治療薬

非ステロイド性抗炎症薬(皮膚疾患治療薬・外用薬)

  • 抗炎症作用などにより、皮膚の赤みや腫れ、痛みや痒みなどを和らげる薬
    • 炎症や痛みなどを引き起こす体内物質にプロスタグランジン(PG)がある
    • PGはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素などにより生成される
    • 本剤はCOX阻害作用などにより炎症などを緩和する作用をあらわす非ステロイド性の外用塗布剤
  • 本剤は帯状疱疹などの皮膚疾患に使用する場合もある
非ステロイド性抗炎症薬(皮膚疾患治療薬・外用薬)についてもっと詳しく

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