2020.09.01 | コラム

日焼けの反応が強く出る? 光線過敏症とは何か

利尿薬や湿布、レモンの成分が日焼けの反応を強くすることがあります

日焼けの反応が強く出る? 光線過敏症とは何かの写真

日焼けを避けるためには強い日差しを浴びないことが大切です。具体的には日傘を使ったり長袖の服(できれば白いもの)を着たりして直射日光を浴びないようにすることは大切ですし、日焼け止めを使う工夫も有効です。ただ、強い日差しを浴びていないにもかかわらず日焼けの症状が強い場合には、光線過敏症の可能性があります。本コラムでは光線過敏症とはどのようなものか、またその原因について紹介したいと思います。

1. 光線過敏症とは何か

光線過敏症は通常では問題ない程度の日光を浴びただけで、皮膚の赤みや水膨れなどの症状が出ることを言います。光線過敏症は顔、首回り、腕など日光が当たりやすい場所に出やすいです。

光線過敏症に気をつけたほうが良い理由としては二つあります。一つ目は光線過敏症は単なる日焼けではなく、他の病気の症状の一つとして現れることがあるという点です。光線過敏症を起こす病気の例としては以下のものがあります。

 

  • 色素性乾皮症
  • ポルフィリン症
  • 全身性エリテマトーデス
  • 皮膚筋炎

 

これらの病気は治療が難しいという共通点があります。光線過敏症をこれらの病気のサインとして見逃さないことで、病気の早い段階で治療を開始することができるようになります。

 

2. 光線過敏症は薬の副作用でも起こる

そしてもう一つ、薬の副作用でも光線過敏症が起こるという点にも注意が必要です。治療に必要な薬ですが、もし副作用が起きているのであれば、薬を中断するか、他の薬に切り替えなければなりません。

実は光線過敏症を起こす薬は数多く報告されています。その一例を紹介すると以下の通りになります。

代表的な薬の名前 薬の種類
フルイトラン®️ヒドロクロロチアジドラシックス®️ 利尿薬
モーラス®️テープモーラス®️パップパッペン®️Kパップ 湿布薬
クラビット®️オゼックス®️ミノマイシン®️ 抗菌薬
アマリール®️オイグルコン®️ 血糖降下薬
テグレトール®️ 抗てんかん薬
コントミン®️セレネース®️ 抗精神病薬

 

特に薬を飲み始めてから光線過敏症が現れた場合には、薬の副作用を疑う必要があります。ただ、薬を中断することで、もともとの病気が悪くなる可能性があるため、急に中断できないことが多いです。そのため、薬の副作用が疑われる場合にも、自己判断で薬を中止することはせず、まずは担当のお医者さんに対応を確認するようにしてください。

 

3. 身近なものでも起こる? 光線過敏症のその他の原因

ここまで光線過敏症を引き起こす病気や薬を紹介してきましたが、他にも香水や化粧品などが光線過敏症の原因になることがあります。具体的には香水や化粧品に含まれるムスクアンブレット、サンダルウッドなどの香料や、レモンやライムなどの柑橘類、イチジクの成分などです。もし香水や化粧品で光線過敏症が起きた場合には、これらの成分が含まれないものに変更することで改善できる可能性があります。

なお、柑橘類やイチジクは食べることで光線過敏症が起こるわけではありません。果物の成分が皮膚につくことで、光線過敏症を引き起こします。そのため、柑橘類の果汁に触れることが多い人(バーテンダーなど)でも果物の成分による光線過敏症が報告されています。

 

ここまで光線過敏症とは何か、またその原因について解説してきました。光線過敏症は病気のサインであったり、薬の副作用が原因であることがあります。強い日差しに当たっていなかったり、予防策をしっかり取っていたにも関わらず、日焼けの反応が強く出る場合には、皮膚科のお医者さんに相談をしてみてください。

 

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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