てんかん

てんかん

脳の細胞が一時的に異常な活動をすることで、さまざまな発作を起こす病気

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26人の医師がチェック 273回の改訂 最終更新: 2017.07.21

てんかんの基礎知識

POINTてんかんとは

てんかんは脳機能障害のために発作的な行動変化を繰り返す病気です。乳幼児をはじめとして若年での発症が比較的多いですが、高齢者でも腫瘍や脳卒中が原因で起こることがあります。 診断を確定するために脳波検査などを行います。治療は薬物治療・手術を行いますが、発作型によってはACTH療法・ステロイドパルス療法も行います。突然意識を失う・口をもぐもぐさせる・全身が痙攣するなどの症状が出る場合は医療機関にかかって下さい。その際は、お子さんであれば小児科クリニック、そうでなければ一般内科・神経内科・脳神経外科にかかることをおすすめします。

てんかんについて

  • 脳機能障害のために、発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多い性に行動変化(てんかん発作)を繰り返すもの
    • 一つの疾患や症候群ではなく、様々な原因により様々な症状がでる
    • 一時的にけいれん発作を起こすような原因(電解質異常や脳炎など)がなく、てんかん発作を2回以上繰り返すものをてんかんと考える
    • 脳の神経細胞の興奮の異常とネットワークの異常による
  • 大きく下記の二つに分類される
    • 症候性(主に症状が出なくても良いような状況で)症状が出ていることてんかん
      ・てんかんの原因として何らかの疾患があるもの
      知的障害全般的な知的機能が平均よりも低く、環境に適応することが困難な状態や自閉症
      ・遺伝子疾患
       ・脳奇形
       ・結節性硬化症
       ・Sturge-Weber症候群 
       ・染色体遺伝情報の伝達を担う、DNAが集合してできた物質。ヒトは22対の常染色体と1対の性染色体をもつ異常、奇形症候群
       ・先天代謝体内で行われる、物質の合成や分解などの化学反応のこと異常 
       ・変性もともとの状態から、臓器の性状が変わること。多くの場合、何らかの病気の影響で、正常な機能が失われる状態に変化していくことが多い疾患 など
      後天性生まれてから起こること。「先天性(先天的)」の対義語疾患
       ・外傷、脳血管障害
       ・脳腫瘍 など
    • 特発性その病気や状態が引き起こされた原因が、未だ判明していないことてんかん
      頭部CTX線(放射線)を用いて頭の中の状態を調べる検査。脳出血や水頭症の確認などに使われることが多いMRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査上異常がなく、上記のような原因がないもの
      ・一般的に、てんかん発作以外に神経症状や知的障害などは伴わない
  • 乳幼児をはじめとして若年での発症症状や病気が発生する、または発生し始めることが比較的多い
    • 小児ではWest症候群やDravet症候群など何らかの症候群に分類可能なことが多く、症候群によりてんかん発作の型や発作の頻度、知的発達の予後病気の長期的な経過や、回復の見込みなどは大きく異なる
    • 高所やプールでは一人にしないなどの注意が必要
    • 日常生活や運動面での制限は医師と相談のうえ、必要最低限とする
  • 高齢者では腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類される脳卒中が原因で起こる場合が多い(高齢者てんかん
  • てんかんそのものが命に関わることは非常にまれ
  • 日本全体では100万人以上の患者がいて、最も頻度が高い神経疾患の一つ
    • およそ100人に1人の割合
  • 睡眠不足や疲労、発熱などによりてんかん発作が誘発されやすくなるので、注意が必要
  • 予防接種や運転免許証所得、妊娠などは一定の基準を満たせば可能であり、医師との相談が重要

てんかんの症状

  • 様々なてんかん発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いを繰り返す
    • 「泡を吹いてけいれんする」というのは、てんかん発作の1例
    • その他にも様々な型がある
  • てんかん発作の型は①体の一部分か全身か、②意識を失うか失わないかによって大きく分けられる
    • 口がもごもご動く  
    • おかしな匂いや音を感じる
    • 目の前がちかちかする
    • 突然意味をなさない言葉を話す(言語自動症)
    • 目が一方に寄る
    • 意識を失う
    • 全身がこわばる
    • 手足や顔面の筋肉がぴくぴく動く
    • 手足をがくがくさせる 
    • 脱力する など
  • 上記は組み合わさって起こることもある
  • 突然症状が起きる場合と、何かしらの違和感などを感じた後に症状が起きる場合がある

てんかんの検査・診断

  • 症状をもとに診断する
    • 脳波検査脳が発している微弱な電流を検知して、脳の状態を調べる検査。一般的な手法では、頭部に21本の電極を貼って計測するは診断に必須ではないが、非常に参考になる
  • 症状が典型的ではない場合、診断が難しいこともある
  • 脳波検査:脳の異常な電気信号の有無を調べる
    • 脳波異常と同時にてんかん発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いが確認できると、より確実な診断に至る
    • 通常は30分程度の短時間の検査であるが、入院で長時間検査をすることもある(ビデオ脳波)
    • てんかん発作がない時にも脳波異常がみられることがある
  • 血液検査、尿検査:てんかん発作を起こす原因の有無を調べる
    • 特に小児期の発症症状や病気が発生する、または発生し始めることでは、代謝体内で行われる、物質の合成や分解などの化学反応のこと異常の評価も重要
    • 薬物治療は長期間必要となるため、事前に肝機能や腎機能腎臓の機能。腎臓がどれだけ血液をろ過してきれいにできるかを示す。血液検査でクレアチニンの値を元に判断されるも調べる
  • 画像検査:脳腫瘍の有無や脳の血流などを調べる
    • 頭部CTX線(放射線)を用いて頭の中の状態を調べる検査。脳出血や水頭症の確認などに使われることが多い
    • 頭部MRI磁力(電磁波)を用いて、頭の中の状態を調べる検査。脳梗塞の診断などに用いられることが多い
    • SPECT画像検査の一種で、体の各部位への血流量を調べるもの。主に脳や心臓などの血流の変化を調べることが多い など
  • 場合によっては染色体遺伝情報の伝達を担う、DNAが集合してできた物質。ヒトは22対の常染色体と1対の性染色体をもつ検査や遺伝子検査などを行うこともある

てんかんの治療法

  • 薬物治療:最も一般的な治療
    • 抗てんかん薬:てんかん発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いを抑える飲み薬
    • 症状や症候群により有効な薬の種類は異なる
    • 何種類かの薬を組み合わせて使用することもある
  • 手術:てんかんの手術が行われることがある
    • 焦点切除術:てんかんが発生する脳の部位(焦点)を切り取る手術
      ・焦点を完全に切除できれば発作の抑制が期待できる
    • 遮断手術:発作が伝わる経路を断ち切る手術
      ・左右の大脳半球を連絡する脳梁を離断する(脳梁離断術)ことにより、発作を緩和させる
    • 迷走神経刺激療法:左胸部に小型の神経刺激装置を植え込む
      ・一定の間隔で神経を刺激することにより発作を緩和させる
  • その他に発作型によってはACTH脳の下垂体から出るホルモンの一つ。副腎皮質に、副腎皮質ホルモンを作るように命令するホルモン療法やステロイドパルス3日間などの短期間に期間を限定して、高用量のステロイド薬を使用する治療法。少ない量では効果のない強い炎症にも効果のある場合がある療法が行われる
  • てんかん発作を繰り返すと脳にダメージを及ぼすことがあるので、可能な限り早期からてんかん発作を抑える治療を開始することが重要
  • 適切な治療が行われれば、70-80%の人では発作のコントロール可能であり、多くの人たちが普通に社会生活を営んでいる
    • 20%ほどの人は薬で発作の頻度を十分に減らすことができず、そういった状態は難治性てんかんと呼ばれる
    • 難治性てんかんに対してはケトン食やアトキンス食が有効なこともある

てんかんに関連する治療薬

バルプロ酸ナトリウム製剤

  • 脳内のGABA(γ-アミノ酪酸)の神経伝達促進作用などにより、脳内の神経興奮の抑制作用などをあらわし、てんかん、片頭痛、躁病などの改善作用をあらわす薬
    • てんかん、片頭痛、躁病などは脳内神経の異常な興奮などによっておこるとされる
    • 脳内神経伝達物質のGABAは神経興奮の抑制系物質として脳内で作用する
    • 本剤は脳内の神経興奮抑制系の賦活作用などをあらわす
バルプロ酸ナトリウム製剤についてもっと詳しく

カルバマゼピン製剤

  • 脳内神経の過剰な興奮を抑えることで、てんかん、躁状態などを改善する薬
    • てんかん、躁病などは脳内神経の異常な興奮などによっておこるとされる
    • 脳内で神経細胞への興奮性シグナルとしてナトリウム(Na)イオンなどがある
    • 本剤はNaイオンの通り道であるNaチャネルを阻害し、神経細胞の興奮を抑える作用をあらわす
  • てんかん、躁病の他、三叉神経痛などの神経性疼痛の改善などで使用する場合もある
カルバマゼピン製剤についてもっと詳しく

ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬

  • 脳内のベンゾジアゼピン(BZD)受容体に作用し神経の興奮を抑制させ、けいれんや意識消失などの症状を抑える薬
    • てんかんは脳内神経の異常な興奮などによっておこるとされる
    • 脳内でBZD受容体が活性化されると、抑制系神経伝達物質であるGABA(γ-アミノ酪酸)の作用が亢進する
    • 本剤はBZD受容体に作動薬として結合し、GABAによる抑制性神経伝達を亢進する作用などをあらわす
  • てんかん治療の他、片頭痛発作発症の抑制や自律神経発作などで使用する薬剤もある
ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬についてもっと詳しく

てんかんの経過と病院探しのポイント

てんかんかなと感じている方

てんかんは、突然意識を失ったり、口をもぐもぐさせたり、全身が痙攣したりといったような様々な症状を引き起こす病気です。上記のような症状に該当してご心配な方は、お子さんであれば小児科のクリニック、そうでなければ一般内科や、神経内科、脳神経外科をまず受診されることをお勧めします。てんかん外来を掲げているような専門クリニック、病院もあります。

てんかんを主に診療する専門医は神経内科専門医、精神専門医、小児科専門医、脳神経外科専門医ですが、これらの専門医の中でも、小児科専門医は子供の時に発症症状や病気が発生する、または発生し始めることしたてんかんの患者さんを長く診ていたり、脳神経外科専門医は脳卒中脳腫瘍、脳外科手術を原因としたてんかんを多く診ています。

てんかんの診断は脳波で行います。脳卒中脳腫瘍が原因でてんかんが起こることもあるため、てんかんの原因を調べる上で頭のCTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査が必要です。

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てんかんでお困りの方

基本的には薬物療法が行われます。てんかんの薬は近年進歩がめざましく、次々と新薬が出ています。新薬だから効き目が強いというわけではないのですが、病態病気の状態や、その病気の原因・発生機序などを指して用いられる言葉によって有効な薬が異なります。病態に合わせて適切な薬を選べる医師が望ましいです。また薬物治療でコントロール出来ない場合、手術をすることもあります。脳神経外科専門医の中に、数は少ないですがてんかんの手術を専門に行っている脳神経外科医がいます。手術も希望される場合、主治医に相談するのも良いかと思います。

てんかんの治療は、少なくとも年単位の治療が必要で、生涯に渡って治療が必要な方も多いです。またてんかんは仕事や日常生活(車の運転等)にも大きく関わってくるので、主治医との相性、医療機関への通院のしやすさが大切です。

薬物治療でてんかん発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いがコントロール出来ている場合、家の近くの神経内科、精神科、小児科、脳神経外科あるいは内科のクリニックで薬の処方を継続することが出来ます。

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