けっせつせいこうかしょう(ぷりんぐるびょう)
結節性硬化症(プリングル病)
全身(脳や皮膚、腎臓など)に良性の腫瘍がたくさんできる遺伝性の病気。顔面の腫瘍や精神発達の遅れ、てんかんなどが特徴的な症状である
7人の医師がチェック 75回の改訂 最終更新: 2022.02.24

結節性硬化症(プリングル病)の基礎知識

POINT 結節性硬化症(プリングル病)とは

全身(脳や皮膚、腎臓など)に良性の腫瘍がたくさんできる遺伝性の病気です。常染色体優性遺伝という遺伝子形式をとります。腫瘍だけではなく、精神発達の遅れや、てんかん発作をともなうことも特徴の1つです。この病気を持つほとんどの人は、子どもの頃に発症します。全身(脳を含む)に腫瘍ができているかどうかが画像検査を使って調べられます。抗てんかん薬や降圧薬(血圧を下げる薬)、ラパリムスゲル、アフィニトールなどが治療に使われます。腫瘍が大きくなった人は手術をすることもあります。結節性硬化症は小児科や内科、泌尿器科などで診療が行われます。

結節性硬化症(プリングル病)について

  • 脳や皮膚や腎臓といった全身に良性腫瘍がたくさんできる遺伝性の病気
    • 顔面の腫瘍や精神発達の遅れ、てんかんを伴うことが多い
  • 主な原因
    • 腫瘍の発生を抑える遺伝子の異常によって起こる
    • 常染色体優性遺伝
  • 日本では10000~15000人前後の患者がいると推定されている
  • ほとんどが小児期に発症する

結節性硬化症(プリングル病)の症状

  • 主な症状
  • その他の症状
    • けいれん
    • 皮膚
      • 葉状白斑(皮膚の一部が白くなる)
    • 心臓横紋筋
    • 腎血管筋脂肪腫腎機能障害を起こし、出血したり化することがある)
    • 病変
      • 肺リンパ脈管平滑筋腫症(pulmonary lymphangioleiomyomatosis, LAM):呼吸機能障害や気胸を起こす
      • 多巣性微小結節性肺細胞過形成(multifocal multinodular pneumocyte
    • 眼病変
      • 多発性結節性過誤腫
      • 網膜無色素斑
    • 大動脈などの動脈瘤
    • ほかには骨、肝臓、口、大腸などの病変

結節性硬化症(プリングル病)の検査・診断

  • 脳の検査:腫瘍があるか、てんかんがあるかを調べる
    • 頭部CT検査:腫瘍の位置や大きさを調べる
    • 頭部MRI検査:腫瘍の位置や大きさを詳しく調べる
    • 脳波検査てんかんがあるか調べる
  • その他、病変がある臓器(心臓や腎臓など)に対して検査を行う

結節性硬化症(プリングル病)の治療法

  • 治療は対症療法が主となる
    • リハビリテーション:運動障害や精神発達遅滞に対して行う
    • 薬物療法:てんかんや皮膚の症状に対して行う
      • てんかん
      • 抗けいれん薬
      • 心臓の障害に対して:利尿薬、降圧薬、抗不整脈薬など
      • 腎臓の障害に対して:降圧薬など
      • シロリムス(ラパリムスゲル)やエベロリムス(アフィニトール)が使われることがある
    • 腎障害が進んだ場合に透析を行ったり、腎腫瘍が大きくなった場合などに手術で切除することがある
    • 皮膚病変が目立つ場合にレーザー、手術などで治療することがある
  • てんかんがうまく治療できない場合、その後の成長に大きく障害が起こる

結節性硬化症(プリングル病)が含まれる病気

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