りんぱみゃくかんきんしゅしょう
リンパ脈管筋腫症(LAM)
平滑筋様細胞(LAM細胞)が増えて病変を形成し、その中にリンパ管が新たに作られる病気
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最終更新: 2022.02.09
リンパ脈管筋腫症(LAM)の基礎知識
POINT リンパ脈管筋腫症(LAM)とは
異常な平滑筋細胞が増えることで肺や腎臓などに異常が出る病気です。非常にまれな病気ですが、がん抑制遺伝子(TSC1遺伝子あるいはTSC2遺伝子)の異常が原因と分かっています。主な症状は息切れ・咳・血痰・血尿・腹痛・腰痛などです。身体診察と画像検査(CT検査など)と病理検査(気管支内視鏡や供給鏡を用いて肺の一部を採取して顕微鏡で調べる)から診断します。症状の改善期待できる治療はシロリムスやラパマイシンの投与や肺移植になります。それ以外に気胸の治療や息切れの治療を行う場合もあります。リンパ脈管筋腫症が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科を受診してください。
リンパ脈管筋腫症(LAM)について
リンパ脈管筋腫症(LAM)の症状
リンパ脈管筋腫症(LAM)の検査・診断
- 画像検査
胸部レントゲン 検査胸部CT検査
呼吸機能検査 - 場合によっては
気管支鏡 や胸腔鏡 を行って肺生検 を施行することもある
リンパ脈管筋腫症(LAM)の治療法
- 軽症であれば無治療で様子を見る
- 息苦しさが強い場合はCOPDに準じて治療を行う
気管支 拡張薬(抗コリン薬やβ2刺激薬)の吸入や貼り薬の使用- テオフィリン製剤の内服
- 気胸があれば気胸の治療に準じて治療を行う
- 安静
- 脱気(身体の外から針を刺して
胸腔 に溜まった空気を抜く) ドレナージ (身体の外から管を刺して持続的に胸腔に溜まった空気を抜く)- 胸膜
癒着 術
- 重症の場合にはシロリムス、ラパマイシンを使用する
- TSC遺伝子の異常によって活性化しているラパマイシン標的哺乳類細胞分子(mTOR)を抑制する
副作用に粘膜の障害、下痢、嘔吐、脂質異常症、
皮疹 、手足のむくみ などがある 半永久的に内服する場合が多い
- TSC遺伝子の異常によって活性化しているラパマイシン標的哺乳類細胞分子(mTOR)を抑制する
副作用に粘膜の障害、下痢、嘔吐、脂質異常症、
- 重症の場合には
在宅酸素療法 、肺移植を行うこともある- 肺移植を行える医療機関は限られており、年齢など様々な制約が決められている
- 慢性に進行する病気であるため長期の治療が必要
- 妊娠希望が有る場合などは治療の中断や変更を検討する場合がある
- 妊娠で状態が悪化したという報告もあるので、妊娠希望について主治医と相談することが望ましい
- 肺移植を行わない場合、平均的には診断後20年から30年程度で亡くなると報告されている
リンパ脈管筋腫症(LAM)のタグ
リンパ脈管筋腫症(LAM)に関わるからだの部位

