こうはんせいはったつしょうがい(じへいしょうすぺくとらむしょうがい)

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)

社会性やコミュニケーションに関連する脳の働きに、発達段階で障害がでる病気

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19人の医師がチェック 145回の改訂 最終更新: 2017.05.16

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の基礎知識

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)について

  • 社会性やコミュニケーションに関連する脳の働きに、発達段階で障害が出る状態
  • 2013年に、名称が広汎性発達障害から自閉症スペクトラム障害に変更された
    • スペクト画像検査の一種で、体の各部位への血流量を調べるもの。主に脳や心臓などの血流の変化を調べることが多いラム」という語は、定型から発達凸凹(でこぼこ)を経て最重症である自閉症に至るまで、症状に幅があることを示している
    • 発達は個人差も大きい領域であり単純に有り無しで区別できるものではないという考え方に基づく
    • 生活の上で不具合を生じた場合に、発達障害ととらえて適切な介入をしていく必要性が生じる
  • 自閉症・アスペルガー症候群などが含まれる
  • 知能は正常から重度の知的障害全般的な知的機能が平均よりも低く、環境に適応することが困難な状態までばらつきがある
  • 学習障害注意欠陥多動性障害などを合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることすることが多い
  • 主な原因
    • 発症症状や病気が発生する、または発生し始めることのメカニズムは完全には解明されていない
    • 遺伝的要因の関係が指摘されており、神経伝達物質神経細胞同士の間(ニューロン)で、信号をやりとりするために用いられる物質(脳細胞の情報伝達に関わる)の働きに関わる遺伝が関係すると言われている
    • 児の努力不足や教育の問題ではない
  • 頻度
    • 約2%
    • 女児と比べて男児に多い

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の症状

  • 最も重症である自閉性障害の場合によく診られる症状の例を下記に列挙する
    • 症状の出方は個々人によって大きく異なり、発達によっても変化していく
  • コミュニケーションや相互関係の障害
    • 他の人と関わりを持たない:目が合わない・親の後追いをしない・人見知りをしない
    • 逆転バイバイ:自分の方に手のひらを向けてバイバイする
    • 状況を理解し、その場にあった行動がとれない
  • 限定された興味・反復する行動
    • こだわりが強い:決まったものしか食べない・毎日同じ場所で同じ時間に同じことをする
    • 好きなことに異様な興味・集中力をみせる:一つのおもちゃで遊び続ける・看板をいつまでも見つめている・特定の記号や構造(丸・換気扇など)を見つけると一目散にかけていく
    • 一つの動作を繰り返す(常同行動):手を顔の前でひらひらする・奇声をあげる・くるくる回る
    • 新しいことが苦手:いつもと道が違うと、不安になって暴れ出す
  • 感覚過敏
    • 周りの環境(音や光、匂いなど)への過剰な反応:大きな話し声には反応せず、小さなモーター音に反応する・蛍光灯の微細な点滅を嫌う
    • 触られることを嫌がる:だっこをすると体が棒のように硬くなる
    • つま先立ちで歩く
  • 言語の障害
    • 言葉が遅れる
    • オウム返しをする:「おなかすいた?」に対して「おなかすいた?」
    • 以下はコミュニケーションの障害とも深く関わる
    • 言外の意味を理解できない
    • 他人の意図をうまく汲めない
    • 言葉で自分の意図を伝えることが難しい
  • タイムスリップ:突然過去にさかのぼり、その時の仕返しをしようとする
  • 感情の動きに異常はない:叱られると悲しい・誉められると嬉しい
  • 運動が苦手、手先が不器用
  • 自閉症でみられる症状の多くは、たくさんの情報の中から必要な情報だけに注意を注ぐことができず、一度に処理できる情報が非常に限られていることが主な原因と考えられている
    • 音や光の洪水の中で必要な情報をくみ取れない
    • 外界の過剰な刺激から身を守るために常同行動をする
    • 特定の記号などは情報の洪水の中で「知っているもの」として認識される
    • その際、周囲の情報は全て無視されてしまう:木や森を見られず、葉の一枚一枚をみてしまう

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の検査・診断

  • 一つの症状や検査結果により単純に診断をつけられるものではない
     また「スペクト画像検査の一種で、体の各部位への血流量を調べるもの。主に脳や心臓などの血流の変化を調べることが多いラム」である以上診断は難しい
  • 診断名が重要なのではなく、最適な介入は何かを考えることが重要
  • 親や学校の先生から普段の様子を聞き取ることが重要
  • 行われる検査
    • 発達検査:児の発達度合いを調べる
    • 性格検査:児の性格の傾向を調べる

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の治療法

  • 根治的な治療はなく、周囲による支援や行動療法が中心となる
  • 症状により介入の方法は大きく異なるため、画一的ではなく柔軟な対応が必要
    • 周囲の人々が、子どもの特性を十分に理解する
      ・できないからと言って叱るのではなく、できることから一つずつ
      ・情報を限定する:同時に2つ以上のことをしない・させない
      ・こだわりを尊重する
      ・食事や風呂などの時間を決める
      ・スケジュールカードを使用する など
    • 環境設定や支援方法の検討
      ・個別教育が基本:広い教室では情報が多すぎる
    • 療育、リハビリテーションを行う
    • 苦手な言葉の練習、運動の練習を支援施設で行う
  • 発達障害は「治る」ものではないが、発達にあわせて適切な介入をすることにより生きやすい環境を作ることが重要
  • 症状によっては選択的セロトニン神経伝達物質の一つ。生体リズムや睡眠・体温調節・精神状態などに関与しており、不足することでうつ病などの精神疾患を発症しやすくなると言われている再取り込み阻害薬、抗精神病薬向精神薬の一種で、主に統合失調症に対して使われる精神科の薬などを使用することもある

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)に関連する治療薬

非定型抗精神病薬(ドパミンD2受容体部分作動薬)

  • 脳内のドパミン受容体やセロトニン受容体への作用により、幻覚、妄想、感情や意欲の障害などを改善する薬
    • 統合失調症は脳内のドパミンなどの働きに異常が生じ、幻覚、妄想などの陽性症状や感情の鈍麻、意欲の減退などの陰性症状などがあらわれる
    • 脳内のドパミンD2受容体の拮抗作用により、陽性症状の改善が期待できる
    • 本剤はドパミン神経伝達が亢進したD2受容体へ拮抗作用をあらわし、ドパミン神経伝達が低下したD2受容体へは適度に活性化する部分作動薬となる
    • 本剤は脳内のセロトニン受容体への作用により陰性症状の改善作用もあらわす
  • 本剤は双極性障害における躁状態の改善やうつ病、自閉スペクトラム症などへ使用する場合もある
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広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の経過と病院探しのポイント

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)かなと感じている方

自閉症スペクトラム障害はかつてはアスペルガー症候群などと言われていた、広汎性発達障害の一種です。特徴はコミュニケーションの質的障害、特定のものへのこだわりなどの自閉性です。これらの特徴は先天的に備わっており、早い場合1-3歳から視線が合わない、または合いすぎる、人見知りをしない、などの特徴的なサインが見られるようになります。医師や保健師などから検診の場で指摘されたり、気になる振る舞いがある場合はそういった機会に親から相談をしてもいいでしょう。

診断をするためには、てんかん等の脳の器質的な病気の有無、知能や運動発達の遅れなども合わせて評価をすることが必要で、児童精神科もしくは小児神経科、小児科の発達外来などを受診します。自治体の発達相談などでも診察や評価をしてくれますのでそういったところを利用することも有効でしょう。

自閉症スペクトラム障害は行動観察や両親や幼稚園、学校の先生などから状況を聴取すること、心理検査などを行い診断します。

特殊な医療機関としては療育機関や公立の障害者リハビリテーションセンターなどがあります。
これらの医療機関では自閉症スペクトラム障害を含めた子供の発達を専門にする医師が多く、重症度が高い方や、診断の確定が難しい方に適しています。

自閉症スペクトラム障害は根本治療をすることが難しく、障害が起こっている状況を改善し、適応していくことが目標となります。

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広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)でお困りの方

自閉症スペクトラム障害の児童に対しては主に療育という、治療と教育を合わせて行い、できないことをできるようにすることで生活しやすくなるように本人や周囲の大人に働きかけ、サポートすることで治療をしていきます。

薬を使う場面は興奮がコントロールできない場合などに限られており、多くの治療場面では日常生活の場面を想定したような訓練(生活訓練、作業療法)や言葉の練習(言語聴覚療法)などを行うことがほとんどです。

診断がついた時の状況によっては、経過観察病気の状態や健康の状態を見守ること。その時点で治療する必要がないと医師が判断した場合や、診断のためにその後の経過を見なければならない場合に行われるとなる場合もありますし、療育がすぐに開始される場合もあります。

家庭生活や学校などの社会環境に適応できている場合は経過観察になることも多いですが、特殊な場面で混乱する、環境が変わって状態が悪くなった場合などは周囲の対応を変化させる、本人に適応のためのトレーニングを受けてもらうなどの治療的な関わりが必要になってきます。

自閉症スペクトラム障害の診療をする医師のタイプには2種類あります。小児科の医師と精神科の医師です。それぞれが自閉症スペクト画像検査の一種で、体の各部位への血流量を調べるもの。主に脳や心臓などの血流の変化を調べることが多いラムを含む発達障害の専門家ではありますが、心身含めた児童の発達全般を診療できるのは小児科で、成長に応じて成人になってからの社会適応などの相談に乗ることができるのは精神科の医師です。

年齢によって小児科から精神科に診療を受ける科を変えたり、場合によっては療育と薬物療法をそれぞれの科で受ける場合などもあります。

自閉症スペクトラム障害で入院治療が必要となるケースはかなりまれで、興奮や不穏落ち着きがなくなったり、興奮したりしている状態。精神疾患、アルコール依存、せん妄などが原因となることが多いが強く家庭での生活がうまくいかない場合などに限られているため、入院施設のある病院での治療が必ずしも必要ではありません。

療育機関との連携や、学校などでの社会適応のための協力、公的機関との連携が適切にできる医療機関と主治医をみつけることが大切です。

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