2015.08.27 | ニュース

不整脈を自力で止める「バルサルバ法」にさらなる進歩、その効果は?

イギリス433人のランダム化試験
from Lancet (London, England)
不整脈を自力で止める「バルサルバ法」にさらなる進歩、その効果は?の写真
(C) Photographee.eu - Fotolia.com

不整脈の一種の上室性頻拍は、息をこらえて力を入れる「バルサルバ法」で自律神経を刺激することにより、正常に戻ることがあります。新たな工夫を加えることで効果を高める研究が行われました。

◆足を上げる効果を比較

研究班は、古くから知られているバルサルバ法(標準バルサルバ手技)に改良を加え、仰向けになった状態で息をこらえた直後に、介助者に足を持ち上げてもらう方法を「修正バルサルバ手技」として、その効果を調べました。

上室性頻拍が起こった患者が対象となり、標準バルサルバ手技か修正バルサルバ手技のどちらかをランダムに行うことで、1分以内に正常の心拍に戻るかどうかが比較されました。

 

◆17%から43%に

433人の患者が研究に参加し、次の結果が得られました。

標準バルサルバ手技を割り付けられた患者214人中37人(17%)が洞調律を達成し、対して修正バルサルバ手技群では214人中93人(43%)だった(調整オッズ比3.7、95%信頼区間2.3-5.8、P<0.0001)。深刻な有害事象は記録されなかった。

正常の心拍に戻った割合は、標準バルサルバ手技では17%だったのに対して、修正バルサルバ手技では43%に上がりました

研究班は「上室性頻拍のある患者に対して、息こらえの終わりに下肢挙上と仰臥位を伴う修正バルサルバ手技はルーチンで最初に行う治療と考えられるべきであり、患者に指導することができる」と結論しています。

 

不整脈には多くの種類があり、上室性頻拍はそのひとつです。突然死を起こす心室細動にはAEDを使う除細動などの治療が必要で、この研究の対象ではありません。上室性頻拍による動悸などの症状に、修正バルサルバ手技が役に立つことがあるかもしれません。

なお、修正バルサルバ手技の説明動画が公開されています(英語)。あわせてご覧ください。

http://www.thelancet.com/cms/attachment/2035488647/2051082005/mmc2.mp4

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Postural modification to the standard Valsalva manoeuvre for emergency treatment of supraventricular tachycardias (REVERT): a randomised controlled trial.

Lancet. 2015 Aug 24 [Epub ahead of print]

[PMID: 26314489 ]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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