うぉるふぱーきんそんほわいとしょうこうぐん
ウォルフパーキンソンホワイト症候群(WPW症候群)
生まれつき、心臓の心房と心室の間に余計な電気の通り道が存在し、不整脈の原因となる病気
6人の医師がチェック 108回の改訂 最終更新: 2017.12.06

ウォルフパーキンソンホワイト症候群(WPW症候群)の基礎知識

POINT ウォルフパーキンソンホワイト症候群(WPW症候群)とは

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW症候群)は不整脈の病気です。比較的頻度の高い不整脈ですので、不整脈の自覚がある人は一度調べてみると良いでしょう。主な症状は頻脈・動悸・疲労感・息切れなどになりますが、まれに血液を全身にうまく送れなくなってめまいや意識消失が起こることがあります。 症状や身体診察に加えて心電図検査を行って診断します。なかなか不整脈の原因がわからない場合は、カテーテルを用いた電気生理学的検査を行う場合もあります。根治するためにはカテーテルアブレーション治療を行います。また、再発予防のために薬物治療を行うことがあります。WPW症候群が心配な人や治療したい人は、循環器内科を受診して下さい。

ウォルフパーキンソンホワイト症候群(WPW症候群)について

  • 生まれつき、心臓の心房と心室の間に余計な電気の通り道(副伝導路、ケント束)が存在する病気
    • 心臓の電気刺激を伝える通り道は本来一本道で一方通行だが、別の通り道(副伝導路)が存在していることが原因で不整脈を起こしやすい状態となる
  • 頻度は1000人あたり数人程度と言われる

ウォルフパーキンソンホワイト症候群(WPW症候群)の症状

  • 主な症状
    • 頻脈
    • 疲労感
    • 動悸
    • 息切れ
    • 不安感
  • 上室性頻拍
    • 不整脈の一種で、心拍数が150-250bpm程度まで上昇する
    • ある瞬間に突然不整脈が始まり、また数分から数時間たつと突然不整脈が止まることがある
  • 不整脈が原因で突然死に至るケースは、一部報告があるものの極めてまれであり、通常は症状がなければ治療も行わない程度である

ウォルフパーキンソンホワイト症候群(WPW症候群)の検査・診断

  • 心電図:最も基本的かつ重要な検査
    • 余計な電気の通り道がどこにあるかが分かる
    • 不整脈の頻度が分かる
  • 電気生理学的検査
    • 電極がついたカテーテルを血管内に入れて、心臓の部位ごとの電気の流れ方を測定する

ウォルフパーキンソンホワイト症候群(WPW症候群)の治療法

  • 不整脈薬:不整脈発作を止める
    • ジゴキシンやカルシウムチャネルブロッカーは副伝導路を介した頻脈を起こす可能性があるので原則使用しない
    • 発作を抑えるために長期的な内服が必要となることもある
  • カテーテルアブレーション
    • 余計な電気の通り道を焼き切って、再び発作が起きないようにする
    • 近年の成績では95%以上が成功(=不整脈の発生を予防できる)と報告されている

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