しんぼうそどう

心房粗動

心房の中の異常電気の発生が原因で起こる不整脈。心房の中を電気がぐるぐると回る(旋回する)ことが原因で通常よりも早い刺激が心臓に伝わる

病気に関連する診療科の病院を探す
4人の医師がチェック 107回の改訂 最終更新: 2017.07.21

心房粗動の基礎知識

POINT心房粗動とは

心臓にある心房という部位の異常な電気刺激が原因で起こる不整脈です。弁膜症や心筋梗塞などが原因となって起こることが多いです。主な症状は動悸・めまい・冷や汗・胸痛・意識消失などになります。 症状と身体所見に加えて、心電図検査や心臓エコー検査を用いて診断します。治療には電気的除細動と薬物治療があります。重症である場合でも特に血圧が下がったり意識が遠のいたりするときは電気的除細動を積極的に行います。心房粗動が心配な人や治療したい人は、循環器内科や救急科を受診して下さい。

心房粗動について

  • 心房の中の異常電気の発生が原因で起こる不整脈。心房の中を電気がぐるぐると回る(旋回する)ことが原因で通常よりも早い刺激が心臓に伝わる
    • 心房が早すぎるペースで脈打つ一方で、心室が追いつかない状態
    • 心房(右心房4つある心臓の部屋の1つ。酸素を消費した後の静脈血が全身から最初に集まる場所左心房4つある心臓の部屋の1つ。酸素を多く含んだ血液を肺から受け取り、隣の左心室に送る)と心室(右心室4つある心臓の部屋の1つ。肺動脈につながり、肺へ血液を送り出す左心室4つある心臓の部屋の1つ。左心房から受け取った血液を、大動脈を通じて全身に送り出す)は異なるペースで脈打つことが多い
    • 1日の間で出たり消えたりすることがある
  • 主な原因
    • 心房の中の電気の流れ方が異常になること(リエントリーの出現)が原因
    • 弁膜症心筋梗塞などの心臓に負担がかかる病気が原因なる
  • 頻度
    • 発症症状や病気が発生する、または発生し始めること率は1.6%
    • 男性に多い
    • 加齢とともに発症率は増加する
  • 病気の知識
    • 頻脈脈が早い状態(100回/分以上とされることが多い)。運動や緊張が原因の、病的でないものも含まれるによる動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こるを感じる程度では重症になることは少ないが、進行すると命に関わるの注意が必要である
      ・心臓がうまく血液を送り込めなくなってしまい、血圧が下がったり意識が遠のいたりする
      ・心臓の中に血のかたまりができることがあり、脳卒中などの重大な病気につながる

心房粗動の症状

  • 主な症状
    • 動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる
    • 全身のだるさ
    • 胸の痛み
    • めまい
    • 冷や汗
    • 進行すると意識消失する

心房粗動の検査・診断

  • 心臓超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、心臓の状態を調べる検査
    • 心臓の動きなどを調べる
    • 弁膜症など心房粗動の原因を調べる
  • 心電図心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査
    • 心房粗動に特徴的な波形がないかを調べる
      ・規則正しい波形の出現
      ・P波の消失
      ・ノコギリ型のF波の出現
    • 24時間かけて心電図を計測し続けるホルター心電図首からかけられるサイズの心電図計を丸一日間着用して、心臓の状態を調べる検査。通常の心電図検査よりも情報量が多い(ポケットに入るような機械を装着し続ける)で、より詳細に心臓の状態を調べることができる

心房粗動の治療法

  • 治療の目的
    • 大きく分けて3つ
      ・心房の電気の流れを正常化させてリズムを正しくすること
      ・心房が脈打つのが早すぎる場合、それを適切な範囲までゆっくりにすること
      血栓症血液が血管の中で固まり、血栓を作って血管が塞がってしまうことによって発症する病気を起こさないように、血液を固まりにくくすること
  • 主な治療
    • 除細動不整脈の原因となる心室細動や心房細動を抑えて、正常な調律に戻す方法
      ・心臓に電気ショック十分な血流が保てず、全身の臓器に十分な酸素や栄養が届かなくなってしまった危険な状態。全身の臓器がダメージを受け、すぐに治療を行わないと命に関わるを与える
      ・特に血圧が下がるなど重症な時に行う
      ・緊急時を除き、麻酔をした上で行う
    • 薬物療法
      ・抗不整脈薬:脈を規則正しいリズムに戻す
      ・β遮断薬、カルシウムチャネル拮抗薬:脈を抑える薬
      抗血小板薬血小板が血栓を作る作用を抑えるための薬。脳梗塞などの予防に使用される抗凝固薬血液を固まりにくくする薬。不整脈に対して、血栓ができるのを予防する目的で用いられることが多い:血液を固まりにくくする薬

心房粗動に関連する治療薬

ジギタリス製剤

  • 心筋の収縮力を強くし、速くなりすぎた脈を整え、心不全などの治療に使用される薬
    • 心不全では心臓や血管の異常により、全身に十分な血液を送り出せていない
    • 心筋は細胞内のカルシウムイオンの濃度が高まると収縮力が増大する
    • 本剤は心筋細胞内のカルシウムイオン濃度を高め、心臓の拍動を強め、強心作用をあらわす
  • 治療有効域が狭い薬とされる
    • 薬が治療に役立つ薬物濃度の有効域が狭く、中毒域と有効域が接近している薬
    • 薬が適切に効いているかなどを血液中の薬の濃度を測定して観察していく必要がある
    • 体の状態の変化や併用薬などによっても副作用がおこる場合がある
ジギタリス製剤についてもっと詳しく

心房粗動が含まれる病気


心房粗動のタグ


心房粗動に関わるからだの部位