2015.10.31 | ニュース

サプリメントの副作用で救急に、年齢別の原因は?

アメリカ3,667症例からの推計

from The New England journal of medicine

サプリメントの副作用で救急に、年齢別の原因は?の写真

サプリメントは手軽に栄養素を取ることができますが、良いことばかりではありません。アメリカでサプリメントの副作用により救急を受診する例は年間2万件以上にのぼるとする推計が報告されました。

◆救急受診した人の統計から

研究班は、サプリメントに関連すると見られる救急受診例のデータを集め、その頻度を集計し、患者の年齢や原因などについてまとめました。

 

◆若い人で体重減少/精力増強、高齢者では微量栄養素

次の結果が得られました。

3,667件の症例に基づいて、年間で救急部受診23,005件(95%信頼区間18,611-27,398)がサプリメント食品に関連する有害事象によると推定した。これらの受診の結果、年間2,154件(95%信頼区間1,342-2,967)が入院に至っていると推定した。

体重減少または精力増強の製品により、動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる、胸痛、頻脈脈が早い状態(100回/分以上とされることが多い)。運動や緊張が原因の、病的でないものも含まれるをともなうサプリメント関連有害事象の71.8%(95%信頼区間67.6-76.1)が起こったと見られ、58.0%(95%信頼区間52.2-63.7)は20歳から34歳の人に起こっていた。65歳以上の成人の間では、窒息または錠剤に誘発された嚥下障害、または咽喉頭異常感症がサプリメント関連有害事象による救急部受診の37.6%(95%信頼区間29.1-46.2)を起こし、これらの受診のうち83.1%は微量栄養素に関するものだった。

3,667件の受診例が集まりました。この頻度をもとに推計したところ、アメリカでサプリメントの副作用による救急受診は年間に2万3千件ほど起こっていると見られました。また、そのうち2千件あまりが入院に至っていると見られました。

受診の理由となった症状や異常のうち、動悸、胸痛、頻脈が起こった例は20歳から34歳の人が過半数を占め、70%程度で原因は体重減少または精力増強をうたうサプリメントでした。

65歳以上の人が救急受診した例では窒息、嚥下障害咽喉頭異常感症が37%程度を占め、原因は80%程度で微量栄養素のサプリメントと見られました。

 

この報告はアメリカのデータをもとにしているため、日本ではサプリメントの普及度や商品の種類によって違う傾向がある可能性も考えられます。とはいえ、体重減少、精力増強の効果を期待させる商品や、ビタミン生物が生きていく上で必要な栄養素の一種。炭水化物、タンパク質、脂質以外の有機化合物のこと、カルシウム、鉄など微量栄養素のサプリメントは日本でも広く流通しています。

食品に含まれる栄養素でも量によっては有害になる可能性があり、サプリメントも例外ではありません。また、錠剤として飲むことによるリスクもあります。リスクと期待できる効果のバランスを考えたうえで使うために、こうしたデータが参考にできるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Emergency Department Visits for Adverse Events Related to Dietary Supplements.

N Engl J Med. 2015 Oct 15

[PMID: 26465986]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]