すいみんじむこきゅうしょうこうぐん(さす)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠中に一時的に呼吸が止まってしまう病気
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最終更新: 2024.11.07
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の基礎知識
POINT 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。その原因は脳(呼吸をコントロールする部位)にある場合と、空気の通り道が喉のあたりで塞がってしまう場合がありますが、ほとんどの人は後者が原因です。肥満、加齢、喉の構造などが原因で、飲酒や喫煙、睡眠薬なども悪影響を与えると考えられています。主な症状は、いびきをかく、日中の眠気、疲労感、集中力の低下、頭痛などです。また、睡眠中に酸欠になることで、心臓や脳など全身の臓器に悪影響を与えるので、高血圧や心臓病、脳卒中、糖尿病といった病気にかかるリスクが高まります。睡眠中1時間あたり何回呼吸が止まっているかを測定し、必要があればポリソムノグラフィーという脳波検査も組み合わせて睡眠時無呼吸症候群は診断されます。 治療としては、肥満が原因で空気の通り道が塞がっている人はまずダイエットします。その他に寝酒の禁止、禁煙、横向きに寝る、マウスピースを装着して寝る、などの治療を試みますが、症状が強く改善が見込めない人は睡眠時に、家庭で使える人工呼吸器(CPAP)を装着することが多いです。睡眠時無呼吸症候群が心配な人や検査・治療を受けたい人は、呼吸器内科・循環器内科・耳鼻咽喉科・脳外科などを受診して下さい。ただし、どの医療機関でも扱っている病気ではないので、受診前に各医療機関に確認した方が良いです。睡眠時無呼吸症候群を専門に扱うクリニックもあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)について
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・診断
- まずはAHIを測定する。入院で行う場合と、家庭用の検査機器を医療機関の手配で自宅に郵送してもらう場合がある
- AHIを測定して、重症度を判断してから治療方針を決定していく
喉頭ファイバー 検査:喉などに異常がないか調べるために行うことがある睡眠ポリグラフ検査 (ポリソムノグラフィー):睡眠中の呼吸状態を詳しく調べる- 一泊の検査入院が必要であり
脳波検査 など特殊な装置を用いるので検査が行える医療施設は限られているが、初めて診断される人ではよく行われる
- 一泊の検査入院が必要であり
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法
- 主な治療
- 生活習慣の改善
- 肥満がある場合はダイエットをする
- 飲酒(特に寝酒)や喫煙を控える
- 仰向けで寝ると無呼吸になりやすいので横向きで寝る
- 枕を変える など
- 手術
- 喉の空気の通り道を広げることもある
扁桃 がとても大きい場合には扁桃摘出術を行うことがある
- 専用マウスピースの作成
- 就寝中の顎の位置を少し変えるだけで改善が見込める場合がある
- 軽症の場合にはマウスピースだけで改善することもある
- 生活習慣の改善
- ある程度以上の重症になると呼吸をサポートするマスク(NPPV:非侵襲的陽圧換気法)を装着して寝るようにする
- 多くの場合でCPAP(シーパップ)というモードで人工呼吸器を用いる
- マスクは鼻だけに装着するタイプが一般的である
- AHIが20以上のSASを目安として行われることが多い(
保険適用 ) - NPPVを行っている患者さんは医療機関への定期的な受診(原則的に月1回)が必要