かんどうみゃくいじょうきししょう(かんどうみゃくはいどうみゃくきししょう)
冠動脈異常起始症(冠動脈肺動脈起始症)
本来なら大動脈から出てくる冠動脈が、異なる場所(主に肺動脈)から出てくる先天性心疾患の一種
3人の医師がチェック 23回の改訂 最終更新: 2019.02.05

冠動脈異常起始症(冠動脈肺動脈起始症)の基礎知識

POINT 冠動脈異常起始症(冠動脈肺動脈起始症)とは

冠動脈は心臓に酸素や栄養を運ぶ血管ですが、大動脈から出ています。冠動脈異常起始症では異なる場所(主に肺動脈)から冠動脈が出る病気のことです。冠動脈の流れが悪く心筋梗塞と同じような症状が現れます。具体的には、胸痛や息切れ、足のむくみ、呼吸困難感などです。冠動脈異常起始症が疑われる人は心臓カテーテル検査や冠動脈造影CT検査で、冠動脈の状態が確認されます。冠動脈異常起始症が疑われる人には、手術によって冠動脈の位置を正常に戻したり、心臓の負担をとるような薬(利尿薬)が使われます。冠動脈異常起始症の人は小児科や心臓血管外科、循環器内科などで治療が行われます。

冠動脈異常起始症(冠動脈肺動脈起始症)について

  • 本来なら大動脈から出てくる冠動脈が、異なる場所(主に肺動脈)から出てくる先天性心疾患の一種
  • 主な病型
    • 冠動脈異常起始症
      • 左冠動脈が肺動脈から出てくる状態
      • 肺動脈は血液を流す力が弱く(血圧が低い)十分な血液が流れないため、左室の前側や左側を中心とした領域が虚血になる
    • 冠動脈異常起始症
      • 右冠動脈が肺動脈から出てくる状態
      • 肺動脈は血液を流す力が弱く(血圧が低い)十分な血液が流れないため、右室や左室の後ろ側や下側を中心とした領域が虚血になる
    • その他
      • 右冠動脈から左冠動脈が分岐したり、その逆の場合
      • 左冠動脈も右冠動脈も根元が同じ(単一冠動脈) など
  • 心筋が虚血に陥ると心筋梗塞と同じ症状が出る
  • 小児慢性特定疾患に指定されており、申請を行えば症状の進行具合によって医療費の補助を受けることができる

冠動脈異常起始症(冠動脈肺動脈起始症)の症状

冠動脈異常起始症(冠動脈肺動脈起始症)の検査・診断

  • 心臓カテーテル検査や冠動脈造影CT検査冠動脈の走行を確認して診断する
  • 心機能や虚血の状態を調べるため、心臓超音波検査心電図心筋シンチグラフィを行う

冠動脈異常起始症(冠動脈肺動脈起始症)の治療法

  • 冠動脈の起始部を変える冠動脈移植術を行う
    • 症状の場合などの手術適応は患者の状態によって変わることがある
  • 心機能の低下がみられれば、利尿薬や血管拡張薬などを使用して心臓の負担を減らす
    • ただし、さらに冠動脈の血流を減らすリスクがあるので、バランスを保つことが重要

冠動脈異常起始症(冠動脈肺動脈起始症)が含まれる病気

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