たんしんしつ
単心室
ひとつの心室しか持たない病気
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最終更新: 2019.02.18
単心室の基礎知識
POINT 単心室とは
人間の心臓は4つの部屋に分かれています。具体的には肺や全身から血液が戻って来る際にまず到達する「左右の心房」と肺や全身に血液を送り出す「左右の心室」です。心室は左右に仕切られて分かれていますが、この仕切りがなく心室が1つの状態を単心室と言います。単心室の子どもは、チアノーゼ(皮膚が青紫に色づくこと)や呼吸困難、哺乳障害などが主な症状として現れます。疑われた子どもにはCT検査や超音波検査、カテーテル検査が行われて、心臓などの状態が詳しく調べられます。手術や薬物治療によって治療することができます。手術では、正常に近い血液の流れにするために、形や位置を作り変え、薬物治療では、心臓や肺の負担を減らします。単心室は心臓や血管の病気が専門の小児科で診療が行われます。
単心室について
- 本来なら二つある心室(
右心室 と左心室 )のうち、ひとつの心室しか持たない病気。- 右心室型(左心室が
萎縮 している) - 左心室型(右心室が萎縮している)
- 分類不能型(萎縮した心室がわからない)
- 右心室型(左心室が
- 先天性心疾患のなかで約1〜2%を占める
- 単心室は肺血流減少型と肺血流増加型にわけられる
- 肺血流減少型:肺に行く血流が少なくなった場合
- 肺血流増加型:肺に行く血流が増えた場合
- 他にも心臓の病気が
合併 することが多い - 最終的に、
フォンタン手術 とよばれる手術を行うことを目標とするが、それまでに、生まれてから3回以上の手術が必要となることが多い
単心室の症状
チアノーゼ - 呼吸困難
- 哺乳障害:おっぱいを飲まなくなる
- 生後から、チアノーゼ(皮膚が青紫色になる)になったり、心不全を引き起こす
単心室の検査・診断
胸部CT検査 :心臓や血管の構造などを調べる心臓超音波検査 :心臓や血管の構造、心臓の動き、弁の逆流の有無、程度などを調べる心臓カテーテル 造影 検査:カテーテルを使って、心臓の状態、肺動脈 の状態などを調べる
単心室の治療法
- 手術
- 鎖骨下動脈ー
肺動脈 シャント 術(BTシャント術):鎖骨下動脈(または無名動脈)と肺動脈を人工血管でつなぎ合わせる(肺血流減少型に行う) - 肺動脈絞扼術(肺動脈バンディング術):もともとある肺動脈の太さを調節する(肺血流増加型に行う)
- 体重が増加してからグレン手術、その後生後1-3歳程度で
フォンタン手術 を行う
- 鎖骨下動脈ー
- 薬物療法
- 利尿薬:心臓と肺の負担を軽減するために使用する
- 降圧薬:心臓の負担を軽減するために使用する
- 強心薬:極端に心臓の機能が落ちている時に心臓の動きをよくするために使用する
単心室が含まれる病気
単心室のタグ
単心室に関わるからだの部位


