えーらすだんろすしょうこうぐん

エーラスダンロス症候群

遺伝子の変異によって体内でコラーゲンが正常に合成されなくなり、皮膚、関節、血管などさまざまな場所の組織がもろくなる病気

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8人の医師がチェック 91回の改訂 最終更新: 2017.10.13

エーラスダンロス症候群の基礎知識

POINTエーラスダンロス症候群とは

エーラス・ダンロス症候群は遺伝子の変異によって体内でコラーゲンが正常に合成されなくなり、皮膚・関節・血管などさまざまな場所の組織がもろくなる病気です。皮膚や関節、血管などがもろくなってしまうことによって、皮膚が伸びやすくなる・脱臼する・血管が裂けるなどが起こります。 症状や身体診察に加えて画像検査・超音波検査などを行い、病変のある組織の一部を採取して顕微鏡で調べる検査を用いて診断します。根治する治療はないため、症状を和らげる治療(対症療法)を行います。エーラス・ダンロス症候群が心配な人や治療したい人は、循環器内科・小児科・小児外科を受診して下さい。

エーラスダンロス症候群について

  • 遺伝子の変異によって体内でコラーゲンが正常に合成されなくなり、皮膚、関節、血管などさまざまな場所の組織がもろくなる病気
    • コラーゲンは体内で合成されるタンパク質
    • 全身の臓器を作る要素になっているため、コラーゲンに異常があるとさまざまな臓器に症状が現れる
  • 体内のコラーゲン合成に関わる酵素体内で起こる化学反応を助け、速やかに反応が進むようにする物質の遺伝子変異が原因と言われている
  • 出生5000人あたり1人程度
  • 古典型、関節可動性亢進型、血管型ほか多くのタイプがある
  • 難病に指定されており、申請を行えば治療を行う際の医療費の補助を受けることができる

エーラスダンロス症候群の症状

  • 古典型の症状
    • 皮膚の過伸展(つまむと伸びやすい)
    • 脆弱性(傷つきやすく傷跡が残りやすい)
    • 皮下球状塊(前腕、すねの皮下にできる数mmの硬い塊)
    • 関節の脆弱性(正常よりも広く動く、脱臼しやすい)
    • 血管の脆弱性(内出血しやすい)
  • 関節可動性亢進型の症状
    • 関節の脆弱性が中心
  • 血管型の症状
    • 小さい関節が脱臼しやすく
    • 特徴的な顔(薄い唇と人中、小さい顎、細い鼻、大きな眼)
    • 皮膚の下の静脈が透けて見える
    • 出血しやすい
  • より重篤化した場合
    • 古典型
      ・心臓の弁が正しく閉じない
      ・血液が逆流する
      大動脈心臓の左心室から出る人体最大の血管。血液を全身に送り出す大元の血管が拡張する
    • 関節可動性亢進型
      変形性関節症(関節が曲がる)
    • 血管型
      ・大動脈解離
      大動脈瘤
      大動脈瘤破裂
      ・腸管破裂
      子宮破裂 など
  • まれに起こりうる症状
    • 骨粗鬆症
    • 背骨背骨のこと。頚椎、胸椎、腰椎に分かれるの異常
    • 気胸
    • 腸のヘルニア臓器などが、周囲の組織から圧力を受けて本来あるべき部位からはみ出してしまった状態のこと。椎間板ヘルニアや鼠径ヘルニアなどが有名
    • 便秘
    • 膀胱拡張
    • 立ちくらみ など

エーラスダンロス症候群の検査・診断

  • 画像検査:
    • 心臓超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、心臓の状態を調べる検査:心臓の大きさや弁の性状を評価する
    • CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査:血管の太さや気胸の有無などを評価する
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査:血管や関節の状態を評価する
  • 身体検査と病歴から診断される
  • 原因遺伝子が特定されている型では、遺伝子解析で確定診断を行うことができる
  • 細胞診病気を詳しく調べるために、病変のかけらである細胞を採取して、顕微鏡で調べる検査。腫瘍が、がんかどうかを調べる時などに行われる。より詳しく調べるのが組織診:皮膚を一部採取し、コラーゲンが足りているかなどを調べる
    • 針で吸い取って顕微鏡で観察する

エーラスダンロス症候群の治療法

  • 根本的な治療は難しく、主に対症療法病気による症状自体を抑えるための治療。病気の根本の原因を治す治療(根本治療)と区別されるが治療の中心となる
  • 筋肉の成長が遅れる場合は、関節に負担をかけない理学療法体の障害に対して、動かしたり、電気や熱で刺激したりすることを通じて行う治療。理学療法士はPT(Physical Therapist)と呼ばれるで成長を促す
  • 気をつけること
    • 皮膚・関節を傷つけないため、激しい運動は控え、サポーターを使用する
    • 血管破裂や腸管破裂、妊娠時の子宮破裂などの緊急事態に備え、救急体制へのアクセスを確保しておくようにする
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