だいどうみゃくりゅう
大動脈瘤
大動脈が部分的に拡張する疾患。胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤がある
6人の医師がチェック 72回の改訂 最終更新: 2017.12.06

大動脈瘤の基礎知識

POINT 大動脈瘤とは

全身を走る血管の中でも体の中心に位置する太い動脈にこぶができた状態を大動脈瘤と言います。胸部大動脈と腹部大動脈のいずれかにこぶができる状態を指しますが、できた場所によって症状は異なります。胸部大動脈にこぶができた場合は胸や背中の痛み・声がれなどが起こり、腹部大動脈にこぶができた場合は腹痛や腰痛などが起こります。 症状や身体診察に加えて、超音波検査や画像検査を用いて診断します。根治する治療は手術になりますが、体の負担も大きいため破裂する危険性を鑑みて手術を行うかどうかを判断します。動脈瘤が心配な人や治療したい人は、心臓血管外科や循環器内科を受診して下さい。

大動脈瘤について

  • 大動脈が部分的に拡張する疾患。胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤がある
  • 主な原因
  • 頻度
    • 年間10万人当たり20-30人
      ・胸部大動脈瘤:6-10人
      ・腹部大動脈瘤:15-18人
    • 男性に多い(女性の3-4倍)
    • 50-70歳の発症が多い
    • 発生頻度は増加傾向
  • 病気の発生場所による分類
    • 胸部大動脈瘤:胸部(横隔膜より上)の大動脈
    • 腹部大動脈瘤:腹部(横隔膜より下)の大動脈
  • 発生場所の血管の状態による分類
    • 真性大動脈瘤:血管の壁の3層構造(内膜・中膜・外膜)が保たれたまま膨らむ
    • 仮性大動脈瘤:血管の壁の3層ともが欠け、そこから血管が膨れていく
    • 解離性大動脈瘤:血管の3層中2層の壁(内膜と中膜)の間に血液が流れ込む
  • 大動脈から各臓器にいく血管(冠動脈、腎動脈、腹腔動脈など)を巻き込んで瘤が生じている場合は、臓器が酸欠になって機能が低下する
  • 大動脈瘤が破裂した場合の死亡率は80-90%と非常に高い

大動脈瘤の症状

  • 典型的な症状
    • 大動脈が破裂しそうになるまでは無症状のことが多い
  • 起こりうる症状
    • 胸部大動脈瘤が大きくなった場合
      ・声がかれる:声帯を支配している神経(反回神経)を圧迫したとき
      ・呼吸困難:気管を圧迫したとき
      ・飲み込みにくい:食道を圧迫したとき
      喀血
      ・胸の痛み
      ・背中の痛み   など
    • 腹部大動脈瘤が大きくなった場合
      ・拍動する腫瘤がおなかに触れる
      腹部膨満
      ・腹痛
      ・腰痛    など

大動脈瘤の検査・診断

  • 病歴から大動脈瘤を疑って検査に進む
  • 診断に用いられる検査
    • レントゲン検査:動脈瘤の場所によっては有無が分かることがある
    • CT検査:動脈瘤の大きさや位置を調べる
    • MRI検査:動脈瘤の大きさや位置を詳しく調べる
    • 造影検査:血管の内部の構造変化を調べる
    • 超音波検査:動脈瘤の有無や血流の程度を調べる

大動脈瘤の治療法

  • 一般的に言われている治療の流れ
    • 大動脈瘤が小さい場合
      ・高血圧があれば降圧薬の飲んでコントロールする
    • 大動脈瘤が大きい場合
      ・人工血管置換術:動脈瘤のある部分を切除して
      ステントグラフト内挿入術:足の付け根からカテーテルを挿入してステントというバネのようなものを血管の中に入れる
  • 大動脈瘤が破裂した場合の死亡率は高い
  • 大動脈瘤を元通りにする薬はない
  • 大動脈瘤が破裂する前に予防することが重要
    • 原因とされる生活習慣病を改善する
      ・食事管理(減塩)
      ・適度な運動
      ・降圧薬を飲む
    • 避けるべき日常生活
      ・喫煙
      ・過度の飲酒(1合を超えないことが目安)
      ・熱い風呂に入る
      ・排便時にいきむ

大動脈瘤のタグ

大動脈瘤に関わるからだの部位

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