はいどうじょうみゃくろう

肺動静脈瘻

心臓と肺を結ぶ「肺動脈」と「肺静脈」が、本来はつながらない部分で合わさってしまう病気

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7人の医師がチェック 91回の改訂 最終更新: 2017.09.29

肺動静脈瘻の基礎知識

POINT肺動静脈瘻とは

肺を流れる動脈と静脈が本来の形以外で流れてしまう病気です。肺の空気の交換を行う場に達する前に動脈と静脈がくっついてしまうので、酸素交換が一部でできなくなり酸欠になります。主な症状は呼吸困難やチアノーゼ(皮膚が青紫色になる)になりますが、感染症や血栓症ができやすくなることに注意が必要です。 診断のためには画像検査(主に造影CT検査)やエコー検査を行いますが、より詳しい検査としてカテーテル検査が選択されることもあります。治療方法には、カテーテルを用いた手術と、肺の一部を切り取る手術があります。肺動静脈瘻が心配な人や治療したい人は、小児科・呼吸器外科・呼吸器内科を受診して下さい。

肺動静脈瘻について

  • 心臓と肺を結ぶ「肺動脈肺と心臓は血液を互いに送り合って、酸素を血中に取り込む作業をしているが、この中で肺から心臓に向かう血管が肺動脈」と「肺静脈」が、本来はつながらない部分でつながってしまう病気
    • 酸素の少ない血液が肺を通らずに全身に回ってしまうことにより、全身に酸素が十分届かなくなる
  • 先天的(生まれつき)肺動静脈瘻の場合では、遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー・ウェーバー・ランデュ病)という病気の症状で起こることが多い
  • 後天的肺動静脈瘻の場合では、肝硬変や外傷で起こる場合が多い
  • 肺を通らない血流に乗って、血栓血管や心臓の中にできた、血のかたまりのこと。血流が悪くなることが原因で、生じることが多い細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつの塊が脳などの臓器に達することがある
    • 血栓性脳梗塞
    • 脳膿瘍(脳に細菌などに感染すると、免疫を担当する細胞(白血球)が細菌と戦うが、その結果として死んだ細胞や細菌が集まったものが膿であるみができる)   などが起こりやすい

肺動静脈瘻の症状

  • 主な症状
    • チアノーゼ全身に十分な酸素が行き届いていない状態。皮膚や唇が青〜紫色になる。肺での酸素の取り込みの異常や、心疾患などが原因で起こる(皮膚や粘膜が紫色になる)
    • 運動時の呼吸困難
    • 生後すぐには症状が現れないことが多い
  • 肺を経由せず全身に血液が回ることで感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称血栓症血液が血管の中で固まり、血栓を作って血管が塞がってしまうことによって発症する病気が起きやすくなり起こる病気
  • 遺伝性出血性毛細血管拡張症がある場合は、脳動静脈奇形合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることしやすく脳出血やけいれんなどを起こすこともある

肺動静脈瘻の検査・診断

  • まずは胸部造影CTX線(放射線)を用いて胸の中の状態を調べる検査。肺や肋骨などの状態を確認するために行われることが多い肺動脈肺と心臓は血液を互いに送り合って、酸素を血中に取り込む作業をしているが、この中で肺から心臓に向かう血管が肺動脈と肺静脈が繋がっていることを確認する
  • 心臓の動きや大きさなどを調べる
    • 心電図検査心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査
    • 心臓超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、心臓の状態を調べる検査
  • 必要に応じて心臓カテーテル細く長い管(カテーテル)を血管内に入れて、心臓の状態を詳しく調べる検査。心筋梗塞などの病気で行われることが多い検査でより詳しい検査を行う
  • 脳の異常などが疑われた場合以下の検査を必要に応じて行う
    • 画像検査:脳に損傷がないかなどを調べる
      頭部CT検査X線(放射線)を用いて頭の中の状態を調べる検査。脳出血や水頭症の確認などに使われることが多い
      頭部MRI磁力(電磁波)を用いて、頭の中の状態を調べる検査。脳梗塞の診断などに用いられることが多い検査

肺動静脈瘻の治療法

  • カテーテルを用いた血管内手術カテーテルと呼ばれる細い管を、腕や脚の付け根の血管から挿入し、治療したい部位の近くまで血管内を進めて治療する方法を行う
    • 肺動脈肺と心臓は血液を互いに送り合って、酸素を血中に取り込む作業をしているが、この中で肺から心臓に向かう血管が肺動脈と肺静脈をつなげている血管を詰める
  • カテーテル手術カテーテルと呼ばれる細い管を、腕や脚の付け根の血管から挿入し、治療したい部位の近くまで血管内を進めて治療する方法が行えない場合は、問題となっている部位を手術で切除する
  • 症状がない場合でも、病気がわかった時点で治療を受けるように勧められる場合が多い
    • 肺動脈と肺静脈の小さい血管で繋がっているだけであれば様子を見ることもある

肺動静脈瘻のタグ


肺動静脈瘻に関わるからだの部位