のうのうよう
脳膿瘍
頭の中に細菌などの感染がおこり、膿が溜まる病気
12人の医師がチェック 129回の改訂 最終更新: 2017.12.06

脳膿瘍の基礎知識

POINT 脳膿瘍とは

脳の中あるいは脳の周囲に細菌感染によって生じた膿が溜まることを指します。脳以外の部位で感染が起こした感染微生物が血液を介して脳にたどり着いて感染が起こる場合や、頭蓋骨が外傷や手術で破壊された場合に脳膿瘍は起こりやすいです。発熱・頭痛・嘔吐・意識もうろう・けいれん・麻痺・感覚障害などが主な症状になります。頭部のCT検査やMRI検査で頭部に膿があることを確認して、その部位から針などで採取したものを培養検査します。 脳膿瘍の治療は、手術で膿を切除することが第一になります。その後抗菌薬を投与して取り切れなかった膿の中にいる細菌を殺します。この治療は専門的な医療機関でないと行えません。脳神経外科や感染症内科のある医療機関を受診することが望ましいです。

脳膿瘍について

  • 頭の中に細菌などの感染がおこり、が溜まる病気
    • 身体の他の部位に感染した細菌が、血液を介するなどして脳に辿り着き繁殖する
    • 副鼻腔などの脳の近くで感染が起こり、炎症が波及することにつれて感染の起炎菌が脳に侵入する
  • 細菌による感染が多いが、真菌原虫などの場合もある
  • 脳膿瘍を起こしやすい状態
    • 髄膜炎、脳炎の後
    • 細菌性心内膜炎の後
    • ひどい頭部外傷の後(交通事故など頭蓋骨を突き破るようなけが)
    • ひどい副鼻腔炎中耳炎の後
    • 脳外科の手術後
    • 免疫力が極端に弱っているとき(エイズ、臓器移植後、免疫抑制薬を使っているとき)
    • 歯の治療中或いはう歯が放置されている状態

脳膿瘍の症状

  • 主な症状
    • 発熱(微熱が続くことが多い)
    • 頭痛
    • 嘔吐
    • 精神状態の変化(言っていることがおかしい)
    • 意識が悪い
    • けいれん
  • 膿瘍ができた場所に対応した様々な症状が出る
    • 麻痺
    • 感覚障害
    • しゃべりづらさ
      など

脳膿瘍の検査・診断

  • 血液検査
    • 全身の炎症がどの程度なのかなどを調べる
  • 髄液検査
    • 脳の周りの液体に細菌がいるかなどを調べる
    • 場合によっては行ってはいけないので画像検査をした上で行う
  • 脳波検査
    • 脳波を測定し、によるダメージで脳の電気活動に異常がおきていないかどうか調べる
  • 頭部CT検査
    • 膿瘍の大きさや位置をなど調べる
    • 検査の精度を高めるために、造影剤を点滴し検査する場合が多い
  • 頭部MRI検査
    • 脳腫瘍脳梗塞と見分けるためには、MRIの方が分かりやすい
    • 検査の精度を高めるために、造影剤を点滴し検査することもある
  • 細菌検査
    • 脳の中の膿を取り出し、どんな病原体が原因となっているのかを調べる

脳膿瘍の治療法

  • 治療:手術でを頭の外に出す治療を行いながら、抗菌薬を長い期間使用する
    • 1か月-2か月程度抗菌薬を使用することが多い
    • 治療開始時は点滴で抗菌薬を使用するので入院が必要
    • 膿瘍が小さければ、手術をせずに抗菌薬だけで治療することもある
    • 部位によっては(脳幹など)手術することが難しいこともあり、その場合は抗菌薬のみで治療する
  • 脳のむくみ脳浮腫)があれば、脳のむくみを取る治療(グリセオールなど)を使用することもある
  • 治療開始してからしばらくして造影CTや造影MRI検査を用いて治療効果を判定する
  • けいれんを予防するために、抗けいれん薬を使用することもある
  • 脳はダメージを受けると回復しないため、感染の程度が激しい場合は経過が悪い
    • 死亡率は約25%で、けいれんなどの後遺症を残すことがある

脳膿瘍のタグ

脳膿瘍に関わるからだの部位

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