のうのうよう
脳膿瘍
頭の中に細菌などの感染がおこり、膿が溜まる病気
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最終更新: 2020.06.26
脳膿瘍の基礎知識
POINT 脳膿瘍とは
脳の中あるいは脳の周囲に細菌感染によって生じた膿が溜まることを指します。脳以外の部位で感染が起こした感染微生物が血液を介して脳にたどり着いて感染が起こる場合や、頭蓋骨が外傷や手術で破壊された場合に脳膿瘍は起こりやすいです。発熱・頭痛・嘔吐・意識もうろう・けいれん・麻痺・感覚障害などが主な症状になります。頭部のCT検査やMRI検査で頭部に膿があることを確認して、その部位から針などで採取したものを培養検査します。 脳膿瘍の治療は、手術で膿を切除することが第一になります。その後抗菌薬を投与して取り切れなかった膿の中にいる細菌を殺します。この治療は専門的な医療機関でないと行えません。脳神経外科や感染症内科のある医療機関を受診することが望ましいです。
脳膿瘍について
脳膿瘍の症状
- 主な
症状 - 発熱(微熱が続くことが多い)
- 頭痛
- 嘔吐
- 精神状態の変化(言っていることがおかしい)
- 意識が悪い
- けいれん
膿瘍 ができた場所に対応した様々な症状が出る麻痺 - 感覚障害
- しゃべりづらさ など
脳膿瘍の検査・診断
脳膿瘍の治療法
- 治療:手術で
膿 を頭の外に出す治療を行いながら、抗菌薬 を長い期間使用する- 1か月-2か月程度抗菌薬を使用することが多い
- 治療開始時は点滴で抗菌薬を使用するので入院が必要
膿瘍 が小さければ、手術をせずに抗菌薬だけで治療することもある- 部位によっては(
脳幹 など)手術することが難しいこともあり、その場合は抗菌薬のみで治療する
- 脳の
むくみ (脳浮腫)があれば、脳のむくみを取る治療(グリセオールなど)を使用することもある - 治療開始してからしばらくして
造影 CT や造影MRI 検査を用いて治療効果を判定する - けいれんを予防するために、抗けいれん薬を使用することもある
- 脳はダメージを受けると回復しないため、感染の程度が激しい場合は経過が悪い
- 死亡率は約25%で、けいれんなどの後遺症を残すことがある
脳膿瘍のタグ
脳膿瘍に関わるからだの部位



