きゅうせいちゅうじえん

急性中耳炎

耳の奥の中耳という場所に細菌が感染し炎症を起こす病気。特に子どもに起こることが多い。

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24人の医師がチェック 238回の改訂 最終更新: 2017.05.26

急性中耳炎の基礎知識

急性中耳炎について

  • 中耳炎とは鼓膜の奥の「中耳耳の奥の部分で、鼓膜の裏側から内耳の手前までの部分。ここに炎症が生じるのが中耳炎」という部分に炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起きている状態
  • そのうち急性中耳炎は48時間以内に起こったもの
    • いわゆる「中耳炎
    • ウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効である感染でも起こるが、細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつが感染した状態を指すことが多い
    • 中耳は鼻の奥と細い管(耳管耳とのどをつなぐ管状の構造。より正確には中耳と咽頭をつないでおり、鼓室内の圧を調整する働きをもつ)でつながっている
    • 鼻の奥から耳管を通って中耳に細菌が流れることで起こる
    • カゼをひいて鼻水などが増えるとうまく菌を外に出せず、中耳炎になる
    • 子どもの耳管は菌が流れやすい形をしているため、子どもに多い
  • 年齢によって原因となりやすい細菌が異なる
    • 新生児:大腸菌健康なヒトの大腸内で生息し、また環境中にも広く分布している微生物黄色ブドウ球菌食中毒や化膿性皮膚疾患の原因となる菌。正常な皮膚にもいる菌であり、必ずしも病気を引き起こすとは限らない
    • 幼児:肺炎球菌細菌の一種。肺炎、髄膜炎、中耳炎など、様々な感染症の原因となり、唾液などを通じて飛沫感染をする、溶連菌、インフルエンザ桿菌肺炎や中耳炎をよく起こす細菌。子どもでは髄膜炎を起こすことが問題となっていたが、ヒブワクチンの出現によってその数は激減した
    • 成人:肺炎球菌、モラクセラ・カタラーリス、インフルエンザ桿菌
  • プールやお風呂の水が原因で中耳炎になることはない
  • 急性中耳炎以外の中耳炎
    • 滲出性中耳炎
    • 真珠性中耳炎
    • 慢性中耳炎
    • 癒着皮膚や体内の組織同士が炎症のためにくっついてしまうこと中耳炎 など
       急性中耳炎から移行するものもあるが、基本的に別の病気であることが多い
  • 成人で中耳炎の治療効果が悪い場合や中耳炎を繰り返す場合は、中耳や耳管の変形がないかを調べる必要がある

急性中耳炎の症状

  • 主な症状:中耳耳の奥の部分で、鼓膜の裏側から内耳の手前までの部分。ここに炎症が生じるのが中耳炎細菌などに感染すると、免疫を担当する細胞(白血球)が細菌と戦うが、その結果として死んだ細胞や細菌が集まったものが膿であるうみ細菌などに感染すると、免疫を担当する細胞(白血球)が細菌と戦うが、その結果として死んだ細胞や細菌が集まったものが膿である)がたまることで下記のような症状が出現する
    • 耳の痛み
    • 聞こえづらくなる(膿のために鼓膜の動きが悪くなる)
    • 耳が詰まった感じがする
    • 発熱
  • 症状が始まって約1週間(特に2-3日)は症状が強い
  • 膿が多い場合には鼓膜が自然に破れて、耳から膿が出てくる場合がある(みみだれ)
    • 鼓膜は破れてもまた再生するので耳が聞こえなくなることはない
  • 乳幼児の場合は耳が痛いことを伝えられないので、機嫌が悪くなる・耳を押さえる・ひっぱる・こすりつけるなどの動きをすることがある
  • 発熱や耳の痛みの症状は多くは数日で改善するが、その後も膿は残っている場合が多い(早くても1か月程度)
  • 膿が残っている間はカゼなどをきっかけに急性中耳炎を繰り返しやすい
  • 2-3か月たっても膿が残っている場合には滲出性中耳炎の状態となる

急性中耳炎の検査・診断

  • 主な検査
    • 耳鏡検査:耳鏡を使って、鼓膜を通じて中耳耳の奥の部分で、鼓膜の裏側から内耳の手前までの部分。ここに炎症が生じるのが中耳炎を観察する
    • 内視鏡自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途がある検査:より詳しく中耳を観察する
    • 細菌検査病気を引き起こしている細菌の、種類を特定するための検査:特に鼻の奥の菌の種類をみる
    • 聴力検査耳の聴こえ具合を調べる検査。複数の周波数(音の高さ)で、どの程度の大きさの音まで聴こえるかを測定する:耳の聞こえ具合を調べる
  • 必要に応じて以下のような検査を行うことがある
    • 血液検査:炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るの程度や血液の中に菌が移行していないかの確認
    • ティンパノメトリー耳に機械を当てて、鼓膜の動きを調べる検査検査:鼓膜の動きを調べる検査(聞こえが悪い場合)
    • レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査アデノイド増殖症などの病気がないか調べる

急性中耳炎の治療法

  • 主な治療
    • 特に大人で軽症の場合、3日間は抗生物質微生物が産生する細胞の増殖や機能を阻害する物質。抗菌薬・抗ウィルス薬・抗がん薬を含むは使用せずに経過みる
    • 6か月未満で耳の痛みが強い場合や2歳未満で両側性の場合は早めに抗生物質を使用する(原則ペニシリン系):最低5日間は続ける
    • 痛みや発熱に対しては適宜解熱鎮痛剤を使う
    • 痛みに対しては耳の後ろを冷やすだけでも良い
    • 鼻水はできるだけこまめに吸う
    • みみだれが出た場合には耳の中は触らず、表面だけを拭き取るようにする
  • 鼓膜切開して細菌などに感染すると、免疫を担当する細胞(白血球)が細菌と戦うが、その結果として死んだ細胞や細菌が集まったものが膿であるを出す場合もあるが、1週間程度で鼓膜はふさがり膿が再度たまる
  • 耳が聞こえ辛い状態が続く場合には鼓膜に小さなあなを開け、細い管を通してあながふさがるのを防ぐ:チューブ留置
  • 鼓膜切開後やチューブを留置した場合、自然にみみだれが出ている場合には点耳薬液状の薬で、耳に入れて使用するためのものを使用することもある
  • 耳の後ろが赤くなって腫れたり、耳が立ち上がるようになる急性乳様突起炎に進展する場合がある
    • その場合には抗生物質を使う期間が長くなったり、手術が必要になることもある
  • 小児肺炎球菌細菌の一種。肺炎、髄膜炎、中耳炎など、様々な感染症の原因となり、唾液などを通じて飛沫感染をするワクチンは中耳炎を予防する効果がある

急性中耳炎に関連する治療薬

抗菌薬(耳科用)

  • 細菌増殖を阻害し、抗菌作用をあらわすことで耳の細菌感染を治療する薬
    • 細菌の増殖にはDNA複製や細胞壁の合成などが必要となる
    • 外耳道や中耳に細菌が感染して炎症がおきると耳の痛みや聞こえづらさなどがあらわれる
    • 本剤は細菌のDNA合成阻害や細胞壁合成阻害など、それぞれの薬剤がもつ抗菌作用により細菌増殖を抑える作用をあらわす
  • 本剤の中には点眼用などとしても使用できる製剤もある
抗菌薬(耳科用)についてもっと詳しく

急性中耳炎の経過と病院探しのポイント

急性中耳炎かなと感じている方

急性中耳炎では発熱と同時に耳の痛みが生じます。お子さんに熱があって耳を気にしている様子があれば、まずは小児科、もしくは耳鼻科のクリニック受診をお勧めします。急性中耳炎は一般的な病気であり、小児科医や耳鼻科医であれば専門病院ではなくとも通常は対応可能です。急性中耳炎の診断は耳鏡による診察で行われますので、特別な検査機器は必要ありません。

急性中耳炎の大半は自然に治る病気であるため、軽症の場合は、受診せずに自然経過で症状が治まるのを待つというのも一つの手段になります。

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急性中耳炎でお困りの方

急性中耳炎の治療ですが、軽症であれば数日間様子を見ているだけで症状が改善します。それ以外の治療としては、抗生物質微生物が産生する細胞の増殖や機能を阻害する物質。抗菌薬・抗ウィルス薬・抗がん薬を含むを使用することもありますが、特に重症の場合には鼓膜切開といって、鼓膜に穴を空けて、内側に溜まった細菌などに感染すると、免疫を担当する細胞(白血球)が細菌と戦うが、その結果として死んだ細胞や細菌が集まったものが膿であるを出す処置が行われます。

このような処置は耳鼻科で行われますが、必要があれば小児科の医師から紹介を受けた上で受診することができますので、小児科ではだめで最初から耳鼻科を受診しなければならない、ということはありません。

小児の場合には繰り返し中耳炎になることがありますが、成長するにつれて急性中耳炎にはなりにくくなります。普段は同じかかりつけの医師にみてもらうのが一番良いでしょう。

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