抗菌薬(耳科用)
細菌増殖を阻害し、抗菌作用をあらわすことで耳の細菌感染を治療する薬
抗菌薬(耳科用)の解説
抗菌薬(耳科用)の効果と作用機序
細菌 増殖を阻害し、抗菌作用をあらわすことで耳の細菌感染を治療する薬- 細菌の増殖にはDNA複製や細胞壁の合成などが必要となる
- 外耳道や
中耳 に細菌が感染して炎症 がおきると耳の痛みや聞こえづらさなどがあらわれる - 本剤は細菌のDNA合成阻害や細胞壁合成阻害など、それぞれの薬剤がもつ抗菌作用により細菌増殖を抑える作用をあらわす
- 本剤の中には点眼用などとしても使用できる製剤もある
抗菌薬(耳科用)の薬理作用
外耳炎や中耳炎では細菌に感染することで炎症がおきて耳の痛みや聞こえづらさなどがあらわれる。
細菌が増殖するには遺伝情報が刻まれたDNAが正確に複製されることや、細胞膜や細胞壁などができて均等に分かれることなどが必要となる。
抗菌薬は細菌のDNA合成阻害、細胞壁の合成阻害などによって抗菌作用をあらわす。本剤は抗菌作用をもつ耳科用製剤であり、それぞれの薬剤がもつ抗菌作用によって細菌が原因である外耳炎、中耳炎に使用される。また本剤の中には点眼用などとしても使用される製剤もある。
抗菌薬(耳科用)の主な副作用や注意点
- 過敏症
- 頻度は非常に稀だが、
発疹 などの過敏症状 があらわれる場合がある
- 頻度は非常に稀だが、
- 点耳(耳の中に薬液を滴下すること)の際の注意
- 点耳の際、薬液の温度が低いと、めまいを起こすことがあるので、使用時にはできるだけ体温に近い状態で使用する(容器を手にもって体温に近い状態まで温めるとよい)
抗菌薬(耳科用)の一般的な商品とその特徴
ベストロン耳鼻科用
- 点耳液としての使用方法などに関して
- 薬剤(粉末)を溶解液に溶かしてから使用する
- 溶解後は、冷所保存で7日以内に使用し、その期限が過ぎたものは廃棄する
- 副鼻腔炎に対して使用する場合の注意
- ネブライザー(吸入器)により使用し、室温で保存する場合は溶解後20時間以内に使用する
耳科用ホスミシンS
- 使用方法などに関して
- 薬剤(粉末)を溶解液に溶かしてから使用する
- 溶解後は室温で保存し、溶解してから2週間以上経過したものは使用しない
タリビット耳科用液
- 本剤(耳科用液)以外の剤形で点眼液などもあるので混同しないように注意する
ロメフロン
- 耳科用液としては、ロメフロン耳科用液とロメフロンミニムス眼科耳科溶液がある
- ロメフロンミニムス眼科耳科用液に関して
- 点耳用、点眼用どちらの用途にも使用できる保存剤を含有しない「シングルユースタイプ」の製剤
- 1本で1回の使用に限定し、使用後の容器は廃棄する