2015.05.24 | コラム

粉薬、混ぜるとなぜ苦くなる?

小児用粉薬の不思議
粉薬、混ぜるとなぜ苦くなる?の写真
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皆さんは子どもの頃に飲んだ薬の味を覚えていますか?「良薬口に苦し」という言葉からもわかる通り、薬は元々あまり美味しいとは言えないものが多いということは皆さんがイメージされている通りです。それでも子ども用の粉薬はお子さんでも飲みやすいように、味や香りに工夫がしてあることが多いのですが・・・。

◆ お子さん用の粉薬の味って?

処方薬は原則として出された本人が使うものであることが大前提ですので、おかしな質問になりますが・・・ 「皆さんはお子さん用の粉薬を味見したことはありますか?」

もし味わったことが無くても多く方のイメージは「あまり美味しくなさそう・・・」ではないでしょうか? しかしながら子ども用の粉薬は味に工夫が施してある場合が多く、「オレンジ」や「バナナ」といった様に子どもが好む、味や匂いが添加されています。

もちろん、味が添加されていても口の中で溶けていく段階で苦味が出る場合もありますし、お子さんの味の好み等でも薬を飲んでくれるかどうかは左右されます。

 

◆ 混ぜるとなぜか苦くなる・・・

子ども用の粉薬の中でも特に頻繁に処方される薬がカルボシステインという成分の粉薬(主な商品名:ムコダインドライシロップ)です。風邪喘息中耳炎などの際にもよく使用される薬で、味などもさほど気にならずに飲めることが多い薬でもあります。ただし、この粉薬もある種類の抗菌薬の粉薬などと一緒に飲むと苦味が現れやすくなることがあるのです。

マクロライド系という種類に分類される抗菌薬の粉薬(代表例:クラリスドライシロップ)とカルボシステインの粉薬を一緒に飲むと、別々に飲む時よりも苦味が現れる場合があります。これはカルボシステインの粉薬の性質が酸性(酸っぱい性質)であり、マクロライド系抗菌薬の粉薬が酸性の下では苦味が現れやすい特徴を持っているからです。

マクロライド系抗菌薬の粉薬は、薬以外でも酸味をもつ食品と一緒に飲むと苦味が現れることがあります。例えば、通常は薬の服用を助けてくれるゼリー状オブラートにおいても、イチゴ味などの酸味を持つものを使ってマクロライド系抗菌薬の粉薬を飲ませると、苦味が現れてお子さんが嫌がる場合も考えられます。(ゼリー状オブラートでもチョコレート味であれば苦味が現れることも少なく、比較的問題なく飲めることが多いのでお奨めです。)

もちろん薬の苦味が現れやすい組み合わせでも"全然問題なく飲めます"というお子さんも今までにいらっしゃいましたが、現実的には別々に飲ませてあげる(可能であれば、片方の薬を飲ませた後で軽く口をゆすいでからもう片方の薬を飲ませる)のが無難といえます。処方された薬が紹介した種類の薬かどうか不明であったり、判断に迷う場合は是非とも薬剤師にご相談下さい。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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