しんしゅつせいちゅうじえん
滲出性中耳炎
急性中耳炎が治りきらず、中耳に滲出液という液体たまっている状態
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最終更新: 2022.11.07
滲出性中耳炎の基礎知識
POINT 滲出性中耳炎とは
鼓膜の奥の中耳と鼻をつなぐ耳管の働きが低下して、中耳に浸出液が溜まる病気です。急性中耳炎後の小児に多い病気ですが、高齢者でもみられます。症状としては難聴や耳のつまった感じが出ます。痛みは通常ありません。鼓膜の診察で診断がつきますが、必要に応じて、聴力検査や、鼓膜の動きを調べるティンパノメトリー検査を行います。原因はアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎、鼻の奥にある上咽頭腫瘍などがあるため、鼻から細いカメラを入れて確認したり、画像検査を追加します。小児では自然に治ることが多いため、経過をみます。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎がある人はその治療を行います。3ヶ月経過しても中等度の難聴がある人では手術も選択肢の1つになります。手術は鼓膜に小さな穴をあけたり、鼓膜に小さな穴のあいたチューブを入れます。子どもで聞き返しが多い場合や、成人でも聴こえが悪くなったと感じる場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
滲出性中耳炎について
- 鼓膜の奥にある
中耳 に、液体がたまっている状態耳管 の働きが低下し、中耳に滲出液 (中耳腔の細胞内から滲みでてくる炎症 性の液体)が溜まることによって炎症が起こる- 急性中耳炎などが治りきらず、起こることもある
- 3-10歳頃までに多くみられる
滲出性中耳炎の症状
- 主な
症状 - 耳が聞こえづらい(難聴)
- 耳がつまったような感覚(耳閉感)
- 熱や痛みなどは起こらない
- 大人では片側のみにできる事もあるが、子どもの場合、ほとんどが両側にできる
滲出性中耳炎の検査・診断
- 耳鏡検査:鼓膜の外から
中耳 を観察する ティンパノメトリー :鼓膜の状態を確認する聴力検査 :耳の聞こえ度合いを調べる- 鼻炎、副鼻腔炎の有無を調べる検査
レントゲン :炎症 の有無を調べる- 血液検査:炎症の程度を調べる