2015.08.07 | ニュース

子どもの滲出性中耳炎を治療するバルーン通気、その効果は?

320人のランダム化試験
from CMAJ : Canadian Medical Association journal = journal de l'Association medicale canadienne
子どもの滲出性中耳炎を治療するバルーン通気、その効果は?の写真
(C) JenkoAtaman - Fotolia.com

滲出性中耳炎では、鼓膜の奥にある中耳という部分に滲出液がたまってしまうことにより音が聞こえにくくなります。鼻から吐く息で風船を膨らませるという治療法があり、その効果を調べた研究で、鼓膜の検査が正常になる割合が増えたことが報告されました。

◆1日3回の通気で治療

中耳耳管という管を通じて鼻とつながっています。鼻でバルーンを膨らませると、耳管が広がって中耳に空気が送り込まれます。

研究班は、この方法(自己耳管通気)の効果を調べるため、次の対象者に治療を行いました。

4歳から11歳で、最近耳の症状に加えてティンパノメトリーで確かめられた片側または両側の滲出性中耳炎がある子どもが、1日3回のバルーン治療を1か月から3か月にわたって行ったうえ以後の通常のケアを受けるか、通常のケアのみを受けるかに割り付けられた。

滲出性中耳炎がある子どもをランダムに、バルーン治療を行うグループと行わないグループに分け、経過を調べました。

 

◆ティンパノグラムが正常に

次の結果が得られました。

登録された320人の子どものうち、バルーン治療を行った子どもは対照に比べて[...]3か月時点のティンパノグラムが正常であることが多かった(125人中62人、49.6%、対照群では120人中46人、38.3%、調整相対リスク1.37、95%信頼区間1.03-1.83、NNT=9)。

有害事象は軽度で、頻繁にはなく、群間で同程度だった。

バルーン治療を行ったグループでは、鼓膜の動きの検査であるティンパノメトリーの結果が、治療開始から3か月の時点で正常になっている割合が大きくなっていました

研究班は「4歳から11歳で滲出性中耳炎のある子どもに対して、バルーン治療はプライマリケアにおいて実行可能であり、かつ滲出を解消することならびに耳についての症状および子どもと両親の生活の質を改善することに有効である」と結論しています。

 

滲出性中耳炎の原因は正確にはわかっておらず、自然に治る場合が多いと言われていますが、3か月以上の治療でも改善しない場合もあります。効果のある治療法が望まれています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Effect of nasal balloon autoinflation in children with otitis media with effusion in primary care: an open randomized controlled trial.

CMAJ. 2015 Jul 27 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26216608]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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