2015.05.01 | ニュース

「アジスロマイシン、おまえもか」

エリスロマイシンと同様に乳児肥厚性幽門狭窄症のリスク増加
from Pediatrics
「アジスロマイシン、おまえもか」の写真
(C) yahyaikiz - Fotolia.com

乳児に抗菌薬のエリスロマイシンを使うと、乳児肥厚性幽門狭窄症 (IHPS) が増えると考えられています。対して、エリスロマイシンと同じマクロライド系抗菌薬でも、分子構造に違った特徴のあるアジスロマイシンには、そのような副作用は確認されていませんでした。ところがアメリカの研究で、「アジスロマイシンでもIHPSのリスクが増える」という結果が示されました。

◆生後90日以内の処方を検証

研究班は、2001年から2012年の間に生まれた子どもの大規模データベースを統計解析し、生後90日以内に、入院することなくエリスロマイシンかアジスロマイシンの飲み薬を処方された場合に、IHPSの発症が増えるかどうかを調べました。
 

◆アジスロマイシンによるリスク増を確認

研究対象となった子どもの中で、2,466人がIHPSを発症しました。アジスロマイシンを投与されなかった場合に比べて、アジスロマイシンを生後14日以内に投与された場合にはIHPSの発症が多く(オッズ比8.26)、生後15日から42日に投与された場合も同様の関連(オッズ比2.98)が見られました。

エリスロマイシンを生後14日以内に投与された場合(オッズ比13.3)、生後15日から42日に投与された場合(オッズ比4.10)にもIHPSが多くなっていました。生後43日から90日ではアジスロマイシンを投与されても、エリスロマイシンを投与されても、IHPSとの関連は見られませんでした。

研究班は「エリスロマイシンまたはアジスロマイシンを生後42日までに投与するとIHPSのリスクが増える」と結論しています。

 

ランダム化研究などの根拠がさらに加わらなければ、この研究だけで副作用が検証されたとはいえませんし、アジスロマイシンとほかのマクロライド系抗菌薬をどう使い分けるかは、ひとつの副作用だけでは決まりません。実際に処方したことのある方から見ると、アジスロマイシンにはどんな特徴があるでしょうか?

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Azithromycin in early infancy and pyloric stenosis.

Pediatrics. 2015 Mar

[PMID: 25687145]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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