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敗血症性ショック

感染症の結果として起こる全身の炎症状態が原因で、血圧の低下を伴う重篤な状態のこと

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9人の医師がチェック 147回の改訂 最終更新: 2017.03.29

敗血症性ショックの基礎知識

敗血症性ショックについて

  • 感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称による全身の炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが原因で血圧が低下し、脳や腎臓などの重要な臓器に酸素が行き渡らなくなる重篤な状態のこと
    • 体内の病原体が増えて血液中や全身に広がると、血液中の水分が血管の外に漏れ出して血圧が低下する
    • 様々な種類の感染症も原因となる
  • 敗血症性ショックを起こしやすい人
    • 新生児
    • 高齢者
    • 妊婦
    • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患力が低下した人
      ・免疫抑制療法を行っている
      がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるHIV感染症、免疫の病気がある
    • 人工の医療機器が体内と外部をつないでいる状態
      ・静脈カテーテル
      ・尿道カテーテル
      ・人工呼吸器
  • 重症化してDICや多臓器不全が起これば、治療による回復の可能性が低く致命的となる

敗血症性ショックの症状

  • 全身の炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るによる症状
    • 発熱
    • 脈が早くなる
    • 呼吸数が多くなる
  • ショック十分な血流が保てず、全身の臓器に十分な酸素や栄養が届かなくなってしまった危険な状態。全身の臓器がダメージを受け、すぐに治療を行わないと命に関わる症状
    • 血圧が低下する
    • 尿が出なくなる
    • 注意力の低下や意識状態の変化
    • 手足が冷たくなる
  • 重症となるとDICを起こし出血しやすくなったり、多臓器不全による症状(呼吸不全肺や気道の異常によって、血液中の酸素の圧力が低下していて、全身に必要な酸素が供給できていない状態黄疸ビリルビンという物質が体内に溜まることで、皮膚や白眼などが黄色くなった状態。肝臓の異常で起こることが多いが、新生児に生じるものは異常ではない急性腎不全による症状)が起きる

敗血症性ショックの検査・診断

  • 感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称の有無や原因の特定
    • 細菌検査病気を引き起こしている細菌の、種類を特定するための検査:血液、尿、痰などを調べて菌の有無や原因菌の特定を行う
    • 血液検査:炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出る反応や臓器障害の状態を調べる
    • 胸部CTX線(放射線)を用いて胸の中の状態を調べる検査。肺や肋骨などの状態を確認するために行われることが多いなどの画像検査を行い、感染が生じている臓器の状態を調べる
  • 心臓の検査:心臓の機能の低下によりショック十分な血流が保てず、全身の臓器に十分な酸素や栄養が届かなくなってしまった危険な状態。全身の臓器がダメージを受け、すぐに治療を行わないと命に関わるが起こることがあるため検査が必要
    • 心臓超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、心臓の状態を調べる検査
    • 心電図心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査

敗血症性ショックの治療法

  • 救命のための処置と感染の治療(抗菌薬細菌感染症に対して用いられ、細菌の増殖を防ぐ、もしくは殺菌する薬。ウイルスや真菌(かび)には効果がないの投与)をなるべく早く行うことが重要
  • 救命のための処置
    • 大量の輸液点滴に使用する薬剤で、水分、電解質、栄養補給などの目的で使用するためのもの。また、それによる治療のこと:血管中の水分量を増加させて、血圧を上昇させる
    • 血圧を上昇させるため、血管を収縮させる薬物(ノルエピネフリンやバソプレシン)を使用する
    • 上記治療を行っても血圧が上がらない場合は、ステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている(ハイドロコルチゾン)の使用が検討される
    • 酸素療法:体の酸素不足を補う
    • 人工呼吸器:呼吸を補助する
  • 原因となった感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称に対する治療
    • なるべく早い段階から、幅広い菌に効く抗菌薬を用いる
    • 入院中でカテーテルを使用しているなど、感染の原因になり得るものを取り除いたり交換したりする
    • 肺やおなかの中に感染の原因となる細菌などに感染すると、免疫を担当する細胞(白血球)が細菌と戦うが、その結果として死んだ細胞や細菌が集まったものが膿であるが溜まっている場合は、膿を取り除く処置を行う
  • 死亡率は元となる感染症や報告によって様々だが、全体で20-40%と高い
    • 良い治療結果を得るためには早期(疑われてから6時間以内)に積極的な治療が開始することが重要とされる

敗血症性ショックの経過と病院探しのポイント

敗血症性ショックかなと感じている方

敗血症とは、何らかの感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称が悪化して全身に細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効であるなどが広がってしまった状態を指します。敗血症性ショックは、その更に重症の状態です。元の感染症は肺炎だったり、膀胱炎だったり様々です。敗血症性ショックを主に診療する診療科は、あえて挙げるとすれば救急科なのですが、肺炎であれば呼吸器内科、膀胱炎であれば腎臓内科など、それぞれの科で行われることも多いです。

敗血症性ショックに陥っている状態であれば、意識がもうろうとしたり、ぐったりして自力で病院を受診するのが難しい状態だと考えられます。このような場合には救急車で受診することになるでしょう。救急隊は、近さや病院の専門性を考慮した上で、救命救急センターのような高度医療機関など、適切な病院を判断し案内してくれます。

ICUICU = intensive care unit 「集中治療室」のこと。重症度の高い患者さんが入院する病棟 (intensive care unit), HCU (high care unit) と呼ばれるような集中治療室に入院となるケースが多いです。敗血症性ショックの診断のために行われる検査は、血液検査、尿検査、レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査など、元となる感染症によって様々です。

敗血症性ショックは、2000年頃まで死亡率40-50%と言われていました。近年治療の知見が溜まってきて死亡率は劇的に(半分近く)低下はしましたが、それでも命に関わることが多い重症の状態です。原則として、ある程度の医師数がいる総合病院内科、外科、小児科、産婦人科など主要な科が揃っている病院のこと。現在、明確な定義はないでの治療が望ましいと言えます。ICUがあるような病院であればより適切ですが、治療に一刻を争う病状でもありますので、遠くの専門病院を受診するよりは、とりあえず近くの病院で初期治療を行うことが重要です。救急車もそのような判断基準で搬送先を選定します。通常の病気であれば、1日や2日の治療の遅れが命に関わることはありませんが、敗血症性ショックは、数時間単位での差がその後を左右します。

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