はしゅせいけっかんないぎょうこ(でぃーあいしー)

播種性血管内凝固(DIC)

重いな病気や大怪我などが原因となって、全身の血管に血栓ができたり、出血しやすくなったりする状態。命に関わる重篤な状態であるため専門的な治療が必要となる

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9人の医師がチェック 208回の改訂 最終更新: 2017.06.15

播種性血管内凝固(DIC)の基礎知識

播種性血管内凝固(DIC)について

  • さまざまな病気により全身で血管の中に血栓血管や心臓の中にできた、血のかたまりのこと。血流が悪くなることが原因で、生じることが多い(血のかたまり)ができやすい状態になることで起こる
  • 血管に血栓が詰まると同時に、止血に必要な血液成分が足りなくなり出血が起こりやすくなる
  • 全身の重要な臓器が働かなくなるため、極めて重篤であり命に関わる
  • 主な原因
    • 原因となる主な病気
      敗血症(血液に細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効であるなどが入り込んで全身の炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを引き起こした状態)
      ・固形がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある
      白血病

播種性血管内凝固(DIC)の症状

  • 出血症状
    • 紫斑皮膚の中で出血したことによる、赤〜紫色の斑点。皮膚が衝撃を受けてできる以外に、血管の病気でも生じる(内出血で現れる皮膚の斑点やあざのようなもの、皮膚を圧迫しても色素の変化は消えない)
    • 鼻血、歯茎からの出血
    • 血尿尿に血液成分が混じった状態。尿の通り道に病気があると起こる。血尿といっても真っ赤とは限らず、見た目は普通で、検査をしないと血尿であることが分からない場合も多い(血が混ざった尿)
    • 喀血肺や気管支からの出血が、口から出てくること。食道や胃、十二指腸からの出血である「吐血」とは区別される(肺での出血による、血が混ざった痰)
    • 吐血食道や胃、十二指腸からの出血が、口から出てくること。肺や気管支からの出血である「喀血」とは区別される(胃や十二指腸での出血による、血が混ざった嘔吐)
    • 下血食道から肛門までの消化管からの出血が原因で、血液成分を肛門から排泄すること(血が混ざった下痢)
    • 意識の混濁(脳の出血による症状)
  • 臓器症状
    • 多臓器不全(脳、肺、腎臓などの全身の重要な臓器が正常に働かなくなる)

播種性血管内凝固(DIC)の検査・診断

  • 血液検査と心拍数や呼吸回数、体温などから診断される
  • 血液検査では、血液を固める成分の量や血液の固まりを溶かす成分の量を調べる
      ・D-dimer
      ・FDP
      ・フィブリノーゲン
      ・TAT
      ・PIC医師からの説明を受けながら、患者自身が治療や検査の方針を自ら選んでいく手順のこと
      ・アンチトロンビン   など
  • 薬の副作用やウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効である感染でもDICと似た血液検査結果が出ることがある

播種性血管内凝固(DIC)の治療法

  • DIC予後病気の長期的な経過や、回復の見込みは悪く、命に関わる状態のため、できるだけ早く治療を始める必要がある
  • 原因となる病気(敗血症がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある白血病等)に対する治療だけでなく、血栓血管や心臓の中にできた、血のかたまりのこと。血流が悪くなることが原因で、生じることが多いができやすく出血しやすい状態を良くする治療が行われる
    • 抗凝固療法
      ・血を固まりにくくする 
        例)ヘパリンやアンチトロンビン製剤、トロンボモジュリン製剤など
    • 補充療法
      ・出血しにくくする 
        例)血小板血液中にある成分の1つ。出血が起こると、出血している部分に集まって出血を止める役割をもつや血漿などの輸血製剤
  • DICは原因となる病気により、血栓のできやすさと出血のしやすさのバランスが異なるため、それぞれに合う治療法が選ばれる
    • 敗血症
      敗血症の原因となった感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称肺炎尿路感染症が多い)に対する抗菌薬細菌感染症に対して用いられ、細菌の増殖を防ぐ、もしくは殺菌する薬。ウイルスや真菌(かび)には効果がないの治療が基本
      ・血栓ができやすいDICなので抗凝固療法が多く行われる
    • 固形がん
      ・がんができた臓器ごとに血栓のできやすさと出血しやすさのバランスはさまざまである
      ・進行がんでは化学療法がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称によるがんのコントロールが難しいことも多い
      ・出血しやすいDICでは補充療法が行われる
    • 白血病
      ・化学療法が基本
      ・血栓より出血しやすさが強いことが多いため抗凝固療法はあまり行われない
      DICが良くなっても白血病の影響で血小板の数は少ないままなので、血小板の輸血が必要になることがある

播種性血管内凝固(DIC)の経過と病院探しのポイント

播種性血管内凝固(DIC)でお困りの方

DICでは、全身の出血が止まりにくくなったり、逆に血液のかたまりが体内に生じて脳梗塞腎梗塞肺塞栓症などの原因となったりします。他の重症な病気があった上でそれに続発して生じるものですので、健康な方がご自宅で普段通り暮らしていたらDICの症状だけが出てきた、ということは基本的にありません。既に入院中の状況や、他の疾患の強い症状がある中で症状の一部として発症症状や病気が発生する、または発生し始めることするような疾患(状態)です。

したがって、DICについては診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どこでどのような治療を受けるか迷う余地は少ない病気でしょう。点滴による治療を行いますが、DICに対する治療以上に重要なのは、DICに至った原因を治療することです。原因が改善しないかぎりDICは(治療を行っていても)進行し、命に関わる深刻な状態です。

治療を受ける診療科に関しては、原因となった疾患次第です。肺炎であれば呼吸器内科、白血病であれば血液内科、出産に伴う大量出血が原因であれば産婦人科と救急科などで連携しながら治療に当たることになるでしょう。

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