◆CRPで3分類
敗血症は細菌などの病原体が血液に乗って流れ、全身の炎症反応を起こしている状態です。CRPは炎症がないときにはおおむね0.3mg/dl未満ですが、炎症があると高くなり、敗血症など重症の場合は10mg/dlを超えることもあります。しかし、CRPと重症度は必ず一致するわけではないとも言われています。
この研究は、新生児の敗血症でCRPにどのような傾向があるかを検討しています。
研究班は、新生児で血流感染(感染により病原体が血液に乗っている状態)が見られた場合の診療データを、CRPが1mg/dl以下の場合(低い)、1.1mg/dlから10mg/dlの場合(中等度)、10mgを超える場合(高い)の3つに分けて集計しました。
◆25%でCRP<1mg/dl
次の結果が得られました。
986例の新生児血流感染のうち、247例(25.1%)で臨床的敗血症の発症時にCRPが10mg/l以下だった。
発症時にCRPが低かった血流感染のうちで、29.1%が不適切な抗菌薬の治療を受け、13.0%が敗血症性ショックに進行し、5.3%が感染合併症を起こした。敗血症が原因と見られる死亡率は、CRPが低いグループ(4.9%)のほうがCRPが高いグループ(13.6%)よりも低かった。
対象となった986例のうち、約25%の場合でCRPが1mg/dl以下でした。CRPが低いグループでも、さらに重症の敗血症性ショックに進行した場合が13%ありました。
研究班はこれらの結果から「血漿CRP値は、培養で証明される重症の敗血症を除外するために[...]使われるべきではない」と結論しています。
敗血症は短時間で致命的な状態にまで悪化しうる、危険な状態です。この結果は、医師が不十分な情報をもとに判断を誤らないための参考になるかもしれません。
執筆者
Characteristics of neonates with culture-proven bloodstream infection who have low levels of C-reactive protein (≦10 mg/L).
BMC Infect Dis. 2015 Aug 11
[PMID: 26259626]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。