しんせいじはいけつしょう
新生児敗血症
新生児に起こる重症な細菌感染症。血液の中に細菌が入り全身に拡がることで、さまざまな症状が起こる。
7人の医師がチェック 104回の改訂 最終更新: 2017.12.06

新生児敗血症の基礎知識

POINT 新生児敗血症とは

新生児敗血症は血液の中に細菌が入るなどして全身に炎症が波及した状態です。新生児は免疫システムが未発達で重症になりやすいため注意が必要です。特に、細菌性髄膜炎になった場合は直ちに治療を行う必要があります。主な症状は。元気がない・お乳を吸わない・高熱・低体温・チアノーゼ・無呼吸などになります。 分娩の様子(早期破水していないかなど)や全身状態に加えて、血液検査・画像検査などから診断します。場合によっては髄液検査も施行します。治療は抗菌薬を用います。新生児敗血症が心配な人や治療したい人は、小児科や感染症内科を受診して下さい。

新生児敗血症について

  • 新生児の血液の中に細菌が入り、さまざまな全身の症状を表す病気
  • 新生児は免疫システムが未発達なため、細菌感染しやすく、敗血症になりやすい
  • 主な感染経路
    • 母胎内での感染
    • 産道通過時の感染
    • 出生後の感染
  • 発症時期によって2種類に分けられる
    • 早発型:産まれてから72時間以内に発症
    • 遅発型:産まれてから72時間以降に発症
  • 主な原因となる細菌
    • 早発型の場合
      ・B群溶血性連鎖球菌
      大腸菌  
    • 遅発型の場合
      黄色ブドウ球菌
      ・表皮ブドウ球菌
      ・大腸菌 など  
  • 新生児1000人に対し1~10人
    • 男児の方が多い(男児2:女児1)
    • 母親のおなかのなかにいる期間が短いほどなりやすい

新生児敗血症の症状

  • 主な症状
    • 元気がない
    • 乳をあまり飲まない
    • 低体温
    • 無呼吸
    • 発熱
    • チアノーゼ(皮膚が紫色になる)
  • 細菌性髄膜炎合併することが多い
  • 早発型の場合は急激に症状が進み、遅発型の場合は早発型と比べてゆっくりと発症する
    • 早発型の方が死亡率が高い

新生児敗血症の検査・診断

  • 感染を疑う状況がなかったか、確認することが最も重要
    • 母胎内感染:早い段階での破水(前期破水)がなかったか、羊水の混濁はなかったか、母の発熱はなかったか、など
    • 産道通過時の感染:妊娠中の膣の細菌検査でB群溶血性連鎖球菌が検出されていないか、母の陰部にヘルペスを疑う潰瘍はなかったか、など
  • 血液検査:炎症の値、血糖の変化、血液ガスの値や、血液中に菌がいるか等を調べる
  • 尿検査:尿中に菌がいるか調べる
  • 髄液検査髄膜炎になっていないか調べる
  • 腹部レントゲン

新生児敗血症の治療法

  • 新生児は重症の感染症でも発熱などの症状が出にくく、検査異常も出づらいため、疑わしい状況があれば念のため治療を開始することが多い
  • 早期の抗菌薬による治療が基本
    • 病原体の特定を待たずに抗菌薬治療を始める
    • 初期治療にペニシリン系抗菌薬、アミノグリコシド系抗菌薬、セフェム系抗菌薬を使う
    • 嫌気性菌の感染が疑われる場合にメトロニダゾール、院内感染の場合にバンコマイシンなどを使うことがある
    • 病原体が特定されたら適切な抗菌薬に変える
  • 必要に応じて免疫グロブリンなども使用する
  • 長期的な経過
    • 早発型の死亡率は15~40%
    • 遅発型の死亡率は10~20%
    • 細菌性髄膜炎を起こした場合、神経症状を後遺症に残すことがある
      ・知能、精神発達の遅れ
      てんかん
      難聴
      麻痺脳性麻痺
  • 低出生体重児(体重が軽く生まれてきた新生児)の方が死亡率は高い(通常の2~4倍)

新生児敗血症が含まれる病気

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