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心原性ショック

心臓の機能(血液を全身に送る)が障害されることによって、全身に送り出す血液の量が少なくなって生じた危機的な状態のこと

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7人の医師がチェック 115回の改訂 最終更新: 2017.05.12

心原性ショックの基礎知識

心原性ショックについて

  • 心臓の機能が障害されることによって、血液を全身へ十分に送り出せなくなった危機的な状態のこと
    • 全身の様々な臓器で酸素と栄養が不足して、心臓以外の臓器も正常に働けなくなる
  • 以下のような心臓の病気が主な原因となる

心原性ショックの症状

  • 呼吸困難(肺の血液のめぐりが悪くなり、血液中に酸素を十分に取り込めなくなる)
  • 顔色や口唇が青くなる
  • 発汗
  • 手足の先が冷たくなる
  • 全身のぐったり感
  • 声をかけても反応が鈍い

心原性ショックの検査・診断

  • 血圧の測定
    • 心原性ショックが起きていれば血圧は下がる
  • 血液検査
    • 通常の血算・生化学検査
    • 動脈血肺で酸素を取り込み終えた後の血液。肺から左心房、左心室を経て全身へ送り出される液ガス分析
  • 心臓の検査
    • 心電図検査心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査不整脈心筋梗塞の診断に使う
    • 胸部X線検査 X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われる胸部レントゲン X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われる):心臓の大きさや肺のうっ血血液の流れが悪く、体の一部に血液が溜まってしまった状態状態を見る
    • 心臓超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、心臓の状態を調べる検査:心臓の動きを評価する
    • 心臓カテーテル細く長い管(カテーテル)を血管内に入れて、心臓の状態を詳しく調べる検査。心筋梗塞などの病気で行われることが多い検査:急性心筋梗塞を疑ったときに心臓の血管が詰まっていないか調べる

心原性ショックの治療法

  • 呼吸困難の症状がある場合には、酸素投与や人工呼吸器管理を行う
  • 血圧を上昇させる処置を緊急で行う
    • 全身の血管を収縮させる薬(ノルアドレナリン副腎から分泌されるホルモンの1つ。交感神経の作用が高まると分泌され、血糖値の上昇や心拍数の増加などを起こすやドパミンなど)の点滴
    • 強心剤(ドブタミンなど)の点滴
    • 肺でのうっ血血液の流れが悪く、体の一部に血液が溜まってしまった状態がなければ血管内の水分を補う点滴
  • 上の処置で血圧が上がらないとき
    • 大動脈心臓の左心室から出る人体最大の血管。血液を全身に送り出す大元の血管バルーンパンピング:血管内に風船を入れて、心臓の働きを補助する
    • 人工心肺補助装置:心臓と肺の働きの代わりをさせる
  • ショック十分な血流が保てず、全身の臓器に十分な酸素や栄養が届かなくなってしまった危険な状態。全身の臓器がダメージを受け、すぐに治療を行わないと命に関わるの原因となった心臓の病気の治療を行う
    • 急性心筋梗塞
      心臓カテーテル細く長い管(カテーテル)を血管内に入れて、心臓の状態を詳しく調べる検査。心筋梗塞などの病気で行われることが多い治療(心臓の詰まった血管の詰まりを取る)
      ・心臓バイパス手術   など
    • 心臓の機械的異常
      ・外科での緊急手術が行われることもある
    • 不整脈
      不整脈の治療薬の投与
      ・電気的除細動不整脈の原因となる心室細動や心房細動を抑えて、正常な調律に戻す方法(カルディオバージョン)   など

心原性ショックの経過と病院探しのポイント

心原性ショックかなと感じている方

心原性ショックとは、心筋梗塞心筋症、その他心臓の病気が原因で命の危険にある状態をさす言葉です。急を要する重症状態でありながら診断がついていない時点では、救急科で診療が行われます。その後、心臓の病気が原因だということになれば、循環器内科へ治療の主体が移っていくことになります。

心原性ショックに陥っている状態であれば、強い胸痛があったり、意識がもうろうとしたりして自力で病院を受診するのが難しい状態だと考えられます。このような場合には救急車で受診することになるでしょう。救急隊は、近さや病院の専門性を考慮した上で、救命救急センターのような高度医療機関など、適切な病院を判断し案内してくれます。そして、ICUICU = intensive care unit 「集中治療室」のこと。重症度の高い患者さんが入院する病棟 (intensive care unit), CCU (coronary care unit), HCU (high care unit) と呼ばれるような集中治療室に入院となるケースが多いです。

心原性ショックの診断のために行われる検査は、血液検査、心エコー空気の細かな振動である超音波を使って、心臓の状態を調べる検査カテーテル検査腕や脚の血管から細長い管(カテーテル)を挿入して、血液の流れや血管の中の状況を詳しく調べる検査。心臓や脳の血管を調べるために行われることが多いなどです。中でも緊急でのカテーテル検査が必要となることが多く、もしある程度診断にめぼしがついているのであれば、救急車もカテーテル検査治療が行える病院を選定します。なおカテーテル検査(または治療)とは、手や足の血管からワイヤーを挿入して、血管内を通して心臓まで届かせるような処置になります。

その後は病気ごとに治療は異なりますが、点滴や強心剤でなんとかその場をしのぎながら、根本治療であるカテーテル治療カテーテルと呼ばれる細い管を、腕や脚の付け根の血管から挿入し、治療したい部位の近くまで血管内を進めて治療する方法などにつなぐというのが基本的な流れになります。

平日の日中であれば良いのですが、土日祝日や夜間は院内に残っているスタッフが少ないため、緊急でカテーテル処置を行える病院と、そうでない病院があります。ある程度の規模の病院や、普段からカテーテル処置の件数が多い病院の方が、時間外の緊急処置により迅速に対応できるところが多いでしょう。

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