じゅうさんとりそみー(ぱとうしょうこうぐん)
13トリソミー(パトウ症候群)
本来2本しかない第13番染色体が3本ある(トリソミー)ことによる先天性疾患
8人の医師がチェック 39回の改訂 最終更新: 2019.02.14

13トリソミー(パトウ症候群)の基礎知識

POINT 13トリソミー(パトウ症候群)とは

遺伝に関係する染色体に異常がある病気です。人間の体の細胞には22対の常染色体と1対の性染色体があります。染色体には1から22まで番号がついており、13番目の染色体が3本(本来は2本)あるのが、13トリソミー(パトウ症候群)です。母親のお腹の中にいるときから成長障害があり、脳や心臓、胃・腸に先天異常が起こりやすく、出生後1ヶ月には約半数の胎児が亡くなり、生後1年では90%の子どもが亡くなるとされています。13トリソミーが疑われた胎児には超音波検査や絨毛検査、羊水検査が行われ、心臓や中枢神経の異常を調べられます。各臓器の先天異常に対して治療が行われます。13トリソミーは新生児科・小児科を中心に設備の整った医療機関で検査や治療が行われます。

13トリソミー(パトウ症候群)について

  • 本来2本しかない第13番染色体が3本ある(トリソミー)ことにより先天的に異常がみられる症候群
    • 染色体突然変異により発生し、父親・母親由来のいずれの細胞からでも起こりうる
  • 発見者の名にちなんでパトウ症候群と呼ばれることもある
  • 5,000-12,000出生あたり1人程度の頻度でみられる
    • 母体の年齢が高くなるにつれて子が発症する割合が増えると言われている
    • 妊娠初期に起こる自然流産の原因の約2.5%
  • 1か月以内に約半数、1年以内に約90%が死亡する
    • 生存期間は先天異常の種類によって大きく異なるため、一概には言えない
    • 呼吸循環の症状が予後を大きく左右する

13トリソミー(パトウ症候群)の症状

  • 胎児期から成長障害を伴い、小さく生まれることが多い
  • 脳、心臓、消化管などの先天異常の発生率が非常に高い
  • 中枢神経系の異常(ほぼ必発)
    • 重度精神発達遅滞
    • けいれん
    • 無呼吸発作
    • 全前脳胞症
  • 先天性心疾患(約80%)
    • 心室中隔欠損
    • 動脈管開存
    • 心房中隔欠損
  • その他の異常
  • 症状の現れ方は人それぞれ

13トリソミー(パトウ症候群)の検査・診断

  • 胎児超音波検査:超音波検査で成長が不十分であることや何らかの先天異常から疑われることもある
  • 出生前検査:絨毛検査・羊水検査など
    • 流産の危険性もあり、受けられる時期は限られている
  • 胎児期の超音波検査や出生後の先天異常から疑い、染色体検査で診断が確定される
    • 13番染色体が3本ある
  • 心臓や中枢神経系の異常を調べるため、適宜必要な検査を追加する
    • 血液検査:血液形態に異常がないか調べる
    • 心臓超音波検査:心臓の先天異常の有無を確認する
    • 頭部超音波検査:大泉門を通して脳の状況を確認する
    • X線写真・CT検査:消化管や腎の異常を確認する
    • MRI検査:脳の異常を確認する

13トリソミー(パトウ症候群)の治療法

  • 根本的な治療法はなく、それぞれの先天異常に対する治療を行う
    • 先天異常の種類により治療法は大きく異なる
  • 先天異常の程度によっては治療が難しいこともある(例:手術が必要だが、手術に体が耐えられないなど)
    • その場合には無理に治療をせず、症状を和らげる治療を行う
  • 自宅での療養の際には医療面・福祉面で様々なサポートが重要となる

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