さいたいへるにあ
臍帯ヘルニア
出産直後もしくは胎内で、臍帯の内部に腹腔内臓器(胃や腸、肝臓など)が脱出して入り込んでしまっている状態
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最終更新: 2018.10.10
臍帯ヘルニアの基礎知識
POINT 臍帯ヘルニアとは
胎内もしくは出生直後に臍の尾の部分にお腹の中の臓器(胃や腸、肝臓)がはまり込んでしまうことです。胎内で起こっている場合には、超音波で生まれる前に調べることが可能です。臍帯ヘルニアの治療は手術です。手術によって腹壁にはまり込んだ胃や腸を元に戻して、腹壁を補強します。生まれる前に臍帯ヘルニアがわかっている場合は、小児外科医のいる病院で出産することが望まれます。
臍帯ヘルニアについて
- 出産直後もしくは胎内で、
臍帯 の内部に腹腔内臓器(胃や腸、肝臓など)が脱出して入り込んでしまっている状態- 胎児の間にお腹の壁が作られる過程(3〜4週)で異常が起こる
- 5,000〜10,000人に1人程度の割合で発生すると言われている
- おなかの壁にできた穴の場所により3つに分けられる
- 臍上部型
- 臍部型
- 臍下部型
- 最も多いのは臍部型
- 以下のような病気を
合併 することが多い- 腸回転異常症(腸の発達過程が異常をきたした状態)をほとんどの場合に合併する
- 小腸閉鎖症(腸が捻転したり
壊死 することで閉塞する病気)
臍帯ヘルニアの症状
- 生まれたときに腸管(胃、腸、肝臓など)が
臍帯 内に入り込んでしまっている
臍帯ヘルニアの検査・診断
超音波検査 で出生前に診断することが可能- 診断された場合は、小児外科医のいる病院へ出産前に移動することが望まれる
臍帯ヘルニアの治療法
- お腹の外に飛び出た腸をお腹の中に戻して、お腹の壁を閉じる手術(腹壁閉鎖手術)を行う
- 生まれてから1日以内に手術を行うことが多いが、
ヘルニア の状態や患者さんの状態によって最適なタイミングは異なる - 飛び出ている腸や臓器の程度やお腹に開いた穴の大きさによって、手術が1度で済む場合もあれば、複数回必要な場合もある
- 生まれてから1日以内に手術を行うことが多いが、
- 想定される経過においては、手術可能例では生存率70〜80%と良好
- 胎内死亡や出生直後に、重篤な呼吸器の
合併症 で死亡する場合もある - 死亡原因の多くは重症の
合併 奇形、低出生体重である - 治療中の
感染症 、短小腸は重篤な合併症を起こす危険がある
- 胎内死亡や出生直後に、重篤な呼吸器の
臍帯ヘルニアのタグ
臍帯ヘルニアに関わるからだの部位
