新生児死亡の危険が増す臍帯ヘルニア(さいたいヘルニア)、起こりやすい場合とは?

臍帯(へその緒)に赤ちゃんの内臓が入り込んでしまう臍帯ヘルニアは、手術で治療しても死に至ることがある、危険な状態です。アメリカの出産の統計から、臍帯ヘルニアの頻度と、関連が見られた要因が報告されました。
◆アメリカの出産調査から
研究班は、アメリカの調査データを使って、1995年から2005年の11年間での出生に見られた臍帯ヘルニアの頻度と、関連する要因を調べました。
◆5千人に1人、20歳未満か35歳以上・男の子・多胎で多い
次の結果が得られました。
出生時の臍帯ヘルニアの
有病率 は10,000生産あたり1.92件であり、経時的な変化の一貫した傾向は見られなかった。臍帯ヘルニアのある新生児は、男性(有病率比1.22、95%信頼区間1.12-1.34)、母親が35歳以上(有病率比1.77、95%信頼区間1.54-2.04)または20歳未満(有病率比1.34、95%信頼区間1.14-1.56)、多胎出産(有病率比2.22、95%信頼区間1.85-2.66)である可能性が大きかった。新生児死亡率は28.7%であり、うち75%は生後28日以内だった。
臍帯ヘルニアは新生児1万人のうち2人ほどに起こり、男の子の場合、母親が20歳未満か35歳以上である場合、双子などの多胎出産である場合に比較的多く見られました。
臍帯ヘルニアの予防法は知られていませんが、妊娠中の
執筆者
Prevalence, Correlates, and Outcomes of Omphalocele in the United States, 1995-2005.
Obstet Gynecol. 2015 Aug
[PMID: 26241416]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。