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サルコイドーシス

全身の臓器に肉芽腫(免疫細胞の集まり)ができる病気。原因は不明。主に、肺、眼、皮膚などの臓器にダメージが生じる

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10人の医師がチェック 202回の改訂 最終更新: 2017.08.24

サルコイドーシスの基礎知識

POINTサルコイドーシスとは

サルコイドーシスは全身の臓器に肉芽腫(免疫細胞のかたまり)ができる病気です。軽症の場合には自覚症状はないですが、肉芽腫が多く集まると臓器の機能障害が起こります。全身の中でも肺・眼・皮膚・心臓などに障害が起こることが多く、時に重症になります。 症状・画像検査などでサルコイドーシスを疑うことができますが、確定診断には病変の一部を採取して顕微鏡で調べる検査(病理検査)が必要です。治療せずに回復することも多いですが、症状が出てきた場合は治療を検討します。サルコイドーシスが心配な人や治療したい人は、呼吸器内科・皮膚科・眼科を受診して下さい。

サルコイドーシスについて

  • 全身の多くの臓器に肉芽腫体の内部で長期的に炎症が起こり、そこに免疫細胞が集まってできたしこりのこと免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患細胞が集まってできた固まり)ができて障害が起こる病気
    • 主に肺(約90%)、眼(20%)、皮膚(10%)に起こる
    • 心臓や神経にも病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のことが起こることがあり、そのような場合は重症化することが多い
  • 主な原因
    • 感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称または免疫系の異常反応によって発生する
    • 遺伝的な要因が関わる場合もある
  • 頻度
    • 人口10万人あたりに10人程度
    • 男性に比べ女性の方が若干多い
    • 20-30代と40-50代で発症症状や病気が発生する、または発生し始めることしやすい
  • 厚生労働省の特定疾患に認定されている

サルコイドーシスの症状

  • サルコイドーシスと診断された人の1/3は症状がない
  • 主な症状
    • 肺(肺サルコイドーシス)
      ・咳
      ・呼吸困難
    • 眼(ぶどう膜炎網膜眼球の内側を覆っている膜。目から入った光は網膜に届き、網膜が明るさや色を電気信号に変えることによって情報が脳に伝達される静脈炎が起こる)
      ・視力の低下
      霧視視界が、まるで霧がかかったようにぼんやりとすること。眼の病気で起こる症状の1つ(かすんで見える)
      ・まぶしい
      飛蚊症視界の中を、点状や糸状の、虫やゴミのようなものがで飛んでいるように見える症状(小さい物が視野内で移動する)
    • 皮膚病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のこと
      発疹皮膚に起こる、何かしらの目に見える変化の総称
    • 心臓の異常(心サルコイドーシス)
      失神脳への血流が一時的に足りなくなることによって、意識を失うこと
      ・脈の抜け落ち(不整脈房室ブロック
      ・息切れ
      ・足や全身のむくみ体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じる心不全症状)
    • 神経の異常(神経サルコイドーシス)
      ・意識がぼんやりする、意識障害意識に異常が生じた状態の総称で、もうろうとした状態や、不適切な反応をする状態、一切の反応がない状態など多段階の症状が含まれる髄膜炎、脳炎、水頭症
      ・顔の筋肉の麻痺神経の障害により、手足などに十分な力が入らない、感覚が鈍くなるなど、身体機能の一部が損なわれること顔面神経麻痺
      ・尿の量や回数が多くなる(中枢性尿崩症
      ・けいれん
      ・人格の変化
  • 肺、眼、皮膚に症状が出やすい
    • 全く症状が現れない、または症状が軽いことも多い
  • 心臓や、神経の障害も起こるが、そういった場合は重篤な状況になりやすい
      ・サルコイドーシスと診断された患者のうち、約10%で重い症状が出る

サルコイドーシスの検査・診断

  • 血液検査
    • アンジオテンシン変換酵素体内で起こる化学反応を助け、速やかに反応が進むようにする物質(ACE)という値が上がるのが特徴的
    • カルシウム濃度が上昇しやすい
    • その他には血球の減少などを調べる
  • 尿検査
    • 尿中のカルシウム濃度が上昇する
  • ツベルクリン反応検査
    • サルコイドーシスによって検査結果が陰性化しやすくなる
  • 画像検査:肺のリンパ節体全体にある、免疫を担当する器官の1つ。感染や免疫異常、血液のがん、がんの転移などで腫れるの大きさや肺の中に影がないかなどを調べる
    • 胸部レントゲン X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われる検査
    • 胸部CT検査X線(放射線)を用いて胸の中の状態を調べる検査。肺や肋骨などの状態を確認するために行われることが多い    など
  • 気管支鏡口もしくは鼻から、細い内視鏡(ファイバースコープ)を肺の気管支まで入れて、気管や気管支の内側の状態を調べる検査
    • 肺に障害がないかを調べる
    • 気管支呼吸をする際の空気の通り道の一つ。口から吸い込んだ空気は、気管と気管支を通り、肺へ至る内を水でゆすいで、そこから検出される免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患細胞の種類を調べる
    • 気管の血管が特徴的に変化していないかを見る
  • ガリウムシンチグラフィ放射線を出す物質を使って、臓器の機能や、病気の影響が体のどの部分に起こっているかを確認する検査
    • 異常にガリウムが集積している場所がないかを調べる
  • 蛍光眼底専用の機械を用いて、眼の瞳孔から中を覗いた時に見える部位。眼底には網膜や血管などが見える造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすること検査
  • 組織診病気を詳しく調べるために、体や病変の一部を切除して顕微鏡で調べる検査。例えば、腫瘍ががんか否かを調べる時などに行われる
    • 皮膚や肺などの組織を採取して顕微鏡で調べて(生検病気(病変)の一部を採取すること。また、それを顕微鏡で詳しく調べる検査のこと。病気の悪性度の確認や、他の検査では診断が難しい病気の診断のために行われるする)、肉芽腫体の内部で長期的に炎症が起こり、そこに免疫細胞が集まってできたしこりのことがあるかどうかを調べる
  • 全身の臓器に異常が起こる可能性があるので、様々な検査が必要になる場合がある
    • 症状が出ている部位に合わせた特有の検査も必要に応じて行う

サルコイドーシスの治療法

  • 多くの場合は治療の必要がない
    • 60-70%は自然に治癒病気が、それ以上の治療を必要としない状態になること。完治とほぼ同じ意味する
  • 重症の場合:神経サルコイドーシスや心臓サルコイドーシスでは、ステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているを使う
    • 眼や皮膚などの症状に対してはステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている点眼薬目薬のことや軟膏などを使用する
    • 進行が速い場合や、肺や心臓、神経などで重症化した場合は入院してステロイド薬の治療をする
    • ステロイド薬は副作用のコントロールも重要
    • ステロイド薬を減量または中止すると、再燃することがあり、長期間にわたり治療が必要
  • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患抑制薬を使用することがある
  • 眼の炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るによる虹彩の癒着皮膚や体内の組織同士が炎症のためにくっついてしまうことを防ぐため、散瞳薬を使うことがある
  • 症状が無くても再発することがあるので、年に1-2回の定期検査を受けることが必要

サルコイドーシスが含まれる病気


サルコイドーシスのタグ


サルコイドーシスに関わるからだの部位