ぶどうまくえん
ぶどう膜炎
眼の内側にある、ぶどう膜という部分に炎症を起こす病気の総称。眼球を覆うように存在するぶどう膜に炎症が起こると眼球全体に炎症が広がりやすい
3人の医師がチェック 102回の改訂 最終更新: 2017.12.06

ぶどう膜炎の基礎知識

POINT ぶどう膜炎とは

目をのぞきこむとある茶目(虹彩。白色人種の人たちは茶色以外にも多彩な色を持っています。)は、実は眼球の奥側にもつながっています。虹彩とそれに連続する膜をぶどう膜といいます。ぶどう膜はさまざまな原因で炎症を起こします。症状はかすみ目や見えにくさがほぼ必ず出てくるほか、痛みをともなうもの、目が赤くなるものなど様々です。原因として主なものにはケガや手術でばい菌が入ってしまった、自分に対して免疫が不適切に反応して炎症を起こしてしまったなどがあります。治療も原因により様々で、入院や手術が必要なもの、外来通院だけで治療ができてしまうものもあります。目のかすみが出てきたら眼科を受診するようにしましょう。

ぶどう膜炎について

  • 眼の内側にある、ぶどう膜という部分の炎症
    • ぶどう膜は眼球を覆うように存在しているので、ぶどう膜炎になると眼球全体に炎症が広がりやすい
  • ぶどう膜とは以下の3つをまとめて呼ぶ総称
    • 眼の中の虹彩(茶目にあたる部分で光の量を調節)
    • 毛様体(眼のピント合わせをする部分)
    • 脈絡膜(網膜を裏打ちしていて眼に栄養を与える部分)
  • 主な原因(詳細はそれぞれの疾患を参照)
  • 子どもから高齢者まであらゆる人に起こりうる
  • 炎症が発生する部位によって前部、中間部、後部、びまん性の4つに分けることもある
  • ぶどう膜炎が原因となって以下のような病気が引き起こされる可能性がある

ぶどう膜炎の症状

  • 主な症状:症状が出るのは、片目だけの場合と両目の場合と両方ある
    • 霧視(かすみがかったように見える)
    • 飛蚊症(視野の中に黒いゴミのようなものが常に見える)
    • 羞明感(まぶしく感じる)
    • 視力低下
    • 眼痛
    • 充血
  • その他の症状
    • 免疫異常が原因の場合、皮膚症状など眼以外の症状が出ることがある

ぶどう膜炎の検査・診断

  • 一般的な眼科検査
    • 蛍光眼底造影:造影剤を用いて、炎症がどのような形で起きているかを調べる
    • 網膜横断構造解析(光干渉断層撮影:OCT):網膜へのダメージを調べる
  • 場合によっては必要な検査
    • 血液検査:ぶどう膜炎の原因疾患を調べる
    • レントゲン検査:ぶどう膜炎の原因疾患を調べる
    • ツベルクリン反応:免疫の反応を見て免疫異常を調べる

ぶどう膜炎の治療法

  • 原因によって治療法は異なる
    • 原因になった病気が判明しても根治することは難しいことが多い
    • 視力障害を予防するため、炎症を抑えて病気の進行を防ぐことが治療の目的
    • 基本的には薬物療法によって治療が行われる
  • 主な治療
    • 散瞳薬点眼:炎症により虹彩が水晶体にくっついて、瞳の形のゆがみを防ぐため
    • 自己免疫疾患に対してはステロイドによる治療を行う
      ・ステロイド点眼薬:炎症を抑えるため
      ステロイド薬免疫抑制薬:炎症が強い場合に飲み薬や点滴で使用する
      ・症状が改善してくれば、少しずつ薬を減らすことができるが、急に中止することはできない
    • 感染が原因であれば、抗菌薬や抗ウイルス薬など病原体を退治する治療を行う
  • 薬物治療の効果がない場合は、手術を行うことがある
  • 長期的な経過
    • 治るまでに数か月から数年かかったり、治りきらないため持病として付き合っていく必要が出てくる場合がある
      ・自分の判断で薬を中止すると、症状が再発・悪化する場合があるので注意が必要
    • 原因疾患によって目の症状経過はある程度分かるが、視力低下がどのように進んでいくかには個人差がある
    • 最悪の場合、失明することがあるので早期に治療を開始することが重要

ぶどう膜炎に関連する治療薬

非ステロイド性抗炎症薬(点眼薬)

  • 炎症を引き起こすプロスタグランジンの生成を抑え、炎症や痛みを抑えて結膜炎や眼手術時などに使用する薬
    • 体内で炎症や痛みなどを引き起こす物質にプロスタグランジン(PG)がある
    • PGはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素などにより生成される
    • 本剤はCOXを阻害しPG生成を抑えることで、抗炎症作用をあらわす

  • 症状や手術の前後(術後経過)などによって、1日の使用回数が異なってくる場合があるので医師の指示の下で適切に使用する
非ステロイド性抗炎症薬(点眼薬)についてもっと詳しく

副腎皮質ホルモン(眼科用外用薬)

  • 抗炎症作用や抗アレルギー作用によって眼瞼炎、結膜炎、角膜炎などの炎症性疾患や手術後の眼の炎症などを抑える薬
    • 眼の炎症性疾患はアレルギーや外傷など何らかの原因によって炎症が起こっている状態
    • 副腎皮質ホルモン(ステロイド)は抗炎症作用や免疫反応を抑える抗アレルギー作用などをもつ
    • 本剤は副腎皮質ホルモンの点眼用製剤である

  • 製剤によっては点眼用以外の用途(点耳用や点鼻用)で使用するものもある
副腎皮質ホルモン(眼科用外用薬)についてもっと詳しく


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