べーちぇっとびょう

ベーチェット病

口、外陰部のただれ、目の見えにくさ、発疹が出現する病気。

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13人の医師がチェック 226回の改訂 最終更新: 2017.05.13

ベーチェット病の基礎知識

ベーチェット病について

  • 口、外陰部「陰部」とほぼ同義。人間の外性器がある部位のこと。狭義では女性の同部位のことを指すのただれ、目の見えにくさ、発疹皮膚に起こる、何かしらの目に見える変化の総称が出現する病気。
  • 遺伝的要因に加えて、感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称や他の環境要因が加わることによって免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患が刺激され炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを引き起こすのではないかと考えられている
  • 近年、関連する遺伝子が報告されてきている(HLA白血球に存在する、血液型のような血球の型のこと。骨髄移植ではこの型が一致していることが重要となる-B51、A26)
  • 日本の患者数は18000人を超える
    • 男女差はない
    • ただし、若い男性で重症化しやすい傾向にある(特に内蔵病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のこと、神経病変、血管病変)
    • 日本では北海道、東北に多い(北に多い)
  • 日本をはじめ韓国、中国、中近東、地中海沿岸諸国に多く見られる
    • シルクロードに沿った国に多く見られる

ベーチェット病の症状

  • 皮膚の症状
    • ふくらはぎや腕に赤いしこりができる
    • ニキビに似た病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のことで、顔や首、胸にもできる
  • 粘膜の症状
    • 外陰部「陰部」とほぼ同義。人間の外性器がある部位のこと。狭義では女性の同部位のことを指す潰瘍臓器や粘膜が部分的にえぐれてしまっている状態。何らかの理由で壁の防御機構が壊れてしまっていることが原因となりやすい(性感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称の除外が必要)
    • 繰り返す口内炎
      ・患者の90%に生じると言われている
      ・唇や頬、舌、歯ぐきにできる
  • 眼の症状
    • 虹彩毛様体炎虹彩および毛様体に炎症が起きた状態。感染症や膠原病が原因となって生じることがある網脈絡膜炎などが両眼に起こる
    • 霧視視界が、まるで霧がかかったようにぼんやりとすること。眼の病気で起こる症状の1つ、視野障害などが起こり、ひどい場合は失明に至る
  • 関節の症状
    • 左右非対称に手首、足首、肘、膝などの関節炎が生じる
    • 関節が腫れることが特徴的
  • その他の症状
    • 腸管の症状(腸管ベーチェット病
      ・腸の壁に潰瘍ができる
      ・部位は右下腹部にあたる回盲部が多い
      ・腹痛、下血食道から肛門までの消化管からの出血が原因で、血液成分を肛門から排泄することなどが起こる
      ・潰瘍は深くなる可能性があり、消化管出血炎症、潰瘍、悪性腫瘍などの様々な原因で、消化管から出血していることや腸管穿孔穴が開くこと。例えば胃や腸の粘膜にできた潰瘍が悪化すると、やがて穴が空いて穿孔に至るが起こることがある
    • 神経の症状(神経ベーチェット病
      ・急性型と慢性型に分かれる
      ・急性型
       ・髄膜炎脳梗塞様の症状で発症症状や病気が発生する、または発生し始めることするタイプ
      ・慢性型
       ・記憶力の低下や理解力の低下
       ・ふらつきや歩行障害
       ・ろれつが回らない
    • 血管の症状(血管ベーチェット病
      ・通常の血管炎が動脈に多いのに対して血管炎が動脈と静脈両方に多い
      大動脈瘤
      バッド・キアリ症候群
      上大静脈症候群

ベーチェット病の検査・診断

  • 皮膚の診察
    • 針反応:注射針を刺した後がツベルクリン反応のように赤く腫れる
    • 皮膚生検病気(病変)の一部を採取すること。また、それを顕微鏡で詳しく調べる検査のこと。病気の悪性度の確認や、他の検査では診断が難しい病気の診断のために行われる:皮膚の組織の一部を取ってきて顕微鏡で観察する
  • 血液検査:炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起きていないかなどを調べる
  • 遺伝子検査:HLA白血球に存在する、血液型のような血球の型のこと。骨髄移植ではこの型が一致していることが重要となるによりリスクが評価できる(ただし、健康な方でも陽性となるので注意が必要)
  • 視力検査視力を測定する検査。ランドルト環と呼ばれる、アルファベットのCに似た形の向きを答える測定法がある/眼底検査眼底鏡などの道具を使って、眼の内部にある眼底の状態を観察する検査:眼の病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のことの評価
  • 髄液検査背中側から背骨の間に針を刺して、髄液と呼ばれる液体を採取する検査。脳や脊髄に異常がないかを確認するために行う腰椎穿刺背中側から背骨の間に針を刺して、髄液と呼ばれる液体を採取する検査。脳や脊髄に異常がないかを確認するために行うにより髄液脳や脊髄の周囲を満たしている体液を採取して、髄液中の細胞やタンパクの状態などを調べる
  • 下部消化管内視鏡肛門から小さいカメラを直接大腸の中に入れて、大腸の内側の状態を見る検査。小腸まで観察することはできない(腸管病変が疑われる場合)
  • 造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすることCTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査(血管病変が疑われる場合)

ベーチェット病の治療法

  • 病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のことのある部位それぞれに対して治療が行われる
  • 眼の治療
    • 虹彩網様体などに病変が留まる場合
      ステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている点眼剤
      ・散瞳薬
    • 網膜眼球の内側を覆っている膜。目から入った光は網膜に届き、網膜が明るさや色を電気信号に変えることによって情報が脳に伝達される脈絡膜炎(視力の経過に関わる)の場合
      発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多い時にステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているが局所または全身に投与される
    • 視力の経過に関わるため発作がなくても予防する場合
      ・インフリキシマブ(近年保険適用になり効果を上げている分子標的治療薬)
      ・コルヒチン(炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを抑える)
      ・シクロスポリン(免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患抑制薬)
      ・アザチオプリン
  • 口や陰部の治療
    • ステロイド薬の軟膏を塗る
    • 常に清潔にする事が大事
  • 皮膚の治療
    • 内服薬飲み薬のことで治療
      ・コルヒチン(特に結節性紅斑に有効)
      ・セファランチン(アレルギー免疫反応によって、体が過剰な防御反応を起こして悪影響が生じてしまう状態反応を抑える)
      ・エイコサペンタエン酸(抗血小板血液中にある成分の1つ。出血が起こると、出血している部分に集まって出血を止める役割をもつ作用)
  • 腸管の治療
    • 炎症を抑える
      ・ステロイド薬
      ・メサラジン
      ・サラゾスルファピリジン
      ・アザチオプリン(免疫抑制薬)
      ・インフリキシマブ、アダリムマブ
    • 手術による病変部を切除する場合もある
  • 関節炎の治療
    • コルヒチン
  • 神経症状の治療
    • 急性期症状の場合(髄膜炎脳幹脳の深い部分にある、生命維持に不可欠な部分。脳幹には生命維持装置があるため、脳卒中などでここが損傷をうけると、死に至る場合がある脳炎など)
      ステロイドパルス3日間などの短期間に期間を限定して、高用量のステロイド薬を使用する治療法。少ない量では効果のない強い炎症にも効果のある場合がある療法
  • 血管病変の治療
    • 免疫を抑える
      ・ステロイド薬
      ・アザチオプリン
      ・シクロフォスファミド
      ・シクロスポリン
       ※本疾患は動脈瘤の合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることも知られるため、血栓症血液が血管の中で固まり、血栓を作って血管が塞がってしまうことによって発症する病気に対する抗凝固薬血液を固まりにくくする薬。不整脈に対して、血栓ができるのを予防する目的で用いられることが多いの使用は賛否両論ある
  • 一般的に主症状は発作を何度も繰り返すが、10年ほど経過すれば症状は落ち着く
  • 眼の病変がある場合は進行すると失明する可能性があるため注意が必要
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