べーちぇっとびょう
ベーチェット病
口、外陰部のただれ、目の見えにくさ、発疹が出現する病気。
13人の医師がチェック 226回の改訂 最終更新: 2018.02.09

ベーチェット病の基礎知識

POINT ベーチェット病とは

口、陰部、目、皮膚に障害が現れる原因不明の病気です。HLA-B51という遺伝子との関連が知られています。代表的な口内炎、陰部の潰瘍、目の見えにくさ、赤い発疹が出現します。また血便、頭痛、静脈血栓ができることもあります。検査としては血液検査、眼底検査、内視鏡検査、CT検査、髄液検査を行います。HLA の遺伝子検査を行うこともあります。治療としては、ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤などの薬剤を使用します。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。

ベーチェット病について

  • 口、外陰部のただれ、目の見えにくさ、発疹が出現する病気。
  • 遺伝的要因に加えて、感染症や他の環境要因が加わることによって免疫が刺激され炎症を引き起こすのではないかと考えられている
  • 近年、関連する遺伝子が報告されてきている(HLA-B51、A26)
  • 日本の患者数は18,000人を超える
    • 男女差はない
    • ただし、若い男性で重症化しやすい傾向にある(特に内蔵病変、神経病変、血管病変)
    • 日本では北海道、東北に多い(北に多い)
  • 日本をはじめ韓国、中国、中近東、地中海沿岸諸国に多く見られる
    • シルクロードに沿った国に多く見られる
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ベーチェット病の症状

  • 皮膚の症状
    • ふくらはぎや腕に赤いしこりができる
    • ニキビに似た病変で、顔や首、胸にもできる
  • 粘膜の症状
    • 外陰部潰瘍(性感染症の除外が必要)
    • 繰り返す口内炎
      ・患者の90%に生じると言われている
      ・唇や頬、舌、歯ぐきにできる
  • 眼の症状
    • 虹彩毛様体炎網脈絡膜炎などが両眼に起こる
    • 霧視、視野障害などが起こり、ひどい場合は失明に至る
  • 関節の症状
    • 左右非対称に手首、足首、肘、膝などの関節炎が生じる
    • 関節が腫れることが特徴的
  • その他の症状
    • 腸管の症状(腸管ベーチェット病
      ・腸の壁に潰瘍ができる
      ・部位は右下腹部にあたる回盲部が多い
      ・腹痛、下血などが起こる
      ・潰瘍は深くなる可能性があり、消化管出血や腸管穿孔が起こることがある
    • 神経の症状(神経ベーチェット病
      ・急性型と慢性型に分かれる
      ・急性型
       ・急激に症状が悪くなるタイプ
        ・頭痛
        ・発熱
        ・意識障害
      ・慢性型
       ・徐々に症状が進行していくタイプ
        ・もの忘れが激しい(認知症
        ・性格が変わる(人格変化)
        ・立ったり歩いたりが難しくなる(小脳失調
        ・症状が進行すると寝たきりの状態になる
    • 血管の症状(血管ベーチェット病
      ・通常の血管炎が動脈に多いのに対して血管炎が動脈と静脈両方に多い
      大動脈瘤
      バッド・キアリ症候群
      上大静脈症候群
症状の詳細

ベーチェット病の検査・診断

  • 皮膚の診察
    • 針反応:注射針を刺した後がツベルクリン反応のように赤く腫れる
    • 皮膚生検:皮膚の組織の一部を取ってきて顕微鏡で観察する
  • 血液検査:炎症が起きていないかなどを調べる
  • 遺伝子検査:HLAによりリスクが評価できる(ただし、健康な方でも陽性となるので注意が必要)
  • 視力検査/眼底検査:眼の病変の評価
  • 髄液検査腰椎穿刺により髄液を採取して、髄液中の細胞やタンパクの状態などを調べる
  • 下部消化管内視鏡(腸管病変が疑われる場合)
  • 造影CT検査(血管病変が疑われる場合)
  • 頭部MRI検査(神経病変が疑われる場合)
検査・診断の詳細

ベーチェット病の治療法

  • 病変のある部位それぞれに対して治療が行われる
  • 眼の治療
    • 虹彩網様体などに病変が留まる場合
      ステロイド点眼剤
      ・散瞳薬
    • 網膜脈絡膜炎(視力の経過に関わる)の場合
      発作時にステロイド薬が局所または全身に投与される
    • 視力の経過に関わるため発作がなくても予防する場合
      ・インフリキシマブ(近年保険適用になり効果を上げている分子標的治療薬)
      ・コルヒチン(炎症を抑える)
      ・シクロスポリン(免疫抑制薬)
      ・アザチオプリン
  • 口や陰部の治療
    • ステロイド薬の軟膏を塗る
    • 常に清潔にする事が大事
  • 皮膚の治療
    • 内服薬で治療
      ・コルヒチン(特に結節性紅斑に有効)
      ・セファランチン(アレルギー反応を抑える)
      ・エイコサペンタエン酸(抗血小板作用)
  • 腸管の治療
    • 炎症を抑える
      ・ステロイド薬
      ・メサラジン
      ・サラゾスルファピリジン
      ・アザチオプリン(免疫抑制薬)
      ・インフリキシマブ、アダリムマブ
    • 手術による病変部を切除する場合もある
  • 関節炎の治療
    • コルヒチン
  • 神経症状の治療
    • 急性期症状の場合(髄膜炎脳幹脳炎など)
      ステロイドパルス療法
  • 血管病変の治療
    • 免疫を抑える
      ・ステロイド薬
      ・アザチオプリン
      ・シクロフォスファミド
      ・シクロスポリン
       ※本疾患は動脈瘤の合併も知られるため、血栓症に対する抗凝固薬の使用は賛否両論ある
  • 一般的に主症状は発作を何度も繰り返す
    • 10年ほど経過すれば症状は落ち着くことが多い
  • 眼の病変がある場合は進行すると失明する可能性があるため注意が必要
治療法の詳細



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