しんけいべーちぇっとびょう
神経ベーチェット病
ベーチェット病により神経や脳が障害されること
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最終更新: 2022.02.28
神経ベーチェット病の基礎知識
POINT 神経ベーチェット病とは
ベーチェット病により神経や脳が障害されることです。ベーチェット病は免疫の異常が原因で起こる病気です。神経ベーチェット病は急性型(髄膜炎などに類似した症状を呈するタイプ)と慢性進行型(徐々に認知症が進んでいくタイプ)に分類されます。疑われた人は、ぶどう膜炎や結節性紅斑、外陰部潰瘍などベーチェット病の特徴が確認されます。検査としては血液検査、髄液検査、頭部MRI検査などを行います。治療としてはステロイドや免疫抑制薬を使用します。シクロスポリンは神経ベーチェットを悪くすると考えられており、使用を控えます。気になる方はリウマチ、膠原病内科、脳神経内科を受診してください。
神経ベーチェット病について
- ベーチェット病は
免疫 により眼、皮膚、口の中、陰部などが攻撃される病気 - ベーチェット病により神経が攻撃されることがあり、神経ベーチェットと呼ばれる
神経ベーチェット病は後遺症を残すことが多く、見通しが悪いため、通常のベーチェット病とは別に扱われる
急激に
発症 する急性型と徐々に進行していく慢性進行型に分かれる- 急性型は急激に症状が悪くなるが、
ステロイド薬 により症状がすぐに軽快することが多い - 慢性進行型は進行は遅いものの、ステロイド薬は効果が乏しく、徐々に症状が悪化していく
- 急性型と慢性進行型が
合併 することもある - 男性、喫煙、
HLA -B51が慢性進行型を起こすリスクとして知られている
- 急性型は急激に症状が悪くなるが、
シクロスポリンは急性型と同様の症状を引き起こすことがある(そのため、基本的に使用しない)
慢性進行型は15年の経過で50%が死亡し、20%が寝たきりになるとされ、見通しはかなり悪い
神経ベーチェット病の症状
- 急激に
発症 する急性型と徐々に進行していく慢性進行型に分かれる - 急性型の主な症状
- 頭痛
- 発熱
- 意識が朦朧とする(重症な場合は意識を失う)
- 慢性進行型の症状
- もの忘れが激しい(認知症)
- 性格が変わる(人格変化)
- 立ったり歩いたりが難しくなる(小脳
失調 ) - 症状が進行すると寝たきりの状態になる
神経ベーチェット病の検査・診断
神経ベーチェット病の治療法
急性型の治療
- 治療薬
- 飲み薬の
ステロイド薬 - 重症な場合は、点滴の大量ステロイド薬(
ステロイドパルス 療法)
- 飲み薬の
- 注意事項
- 再発予防としてコルヒチンが推奨される
- 治療薬
慢性進行型の治療
- 治療薬
- メトトレキサート
- メトトレキサート単独で効果不十分な場合には、インフリキシマブの併用
- 禁煙の徹底
- 注意事項
- 慢性進行型の治療に関しては
ステロイド 、シクロフォスファミド、アザチオプリンなど他の免疫 抑制薬の効果は乏しいと言われている
- 慢性進行型の治療に関しては
- 治療薬