サルコイドーシスは肺、目、皮膚などに異常を起こす病気です。原因は不明ですが、免疫の過敏反応によるとする説があります。これまでに感染症とサルコイドーシスの関係を調べた研究で出ている結果が調査されました。
サルコイドーシスは全身のあちこちの場所に
ほかに心臓や神経などが冒される場合もあります。症状も非常に多様です。
サルコイドーシスの原因は不明ですが、免疫の異常が関係すると考えられています。免疫を弱くする薬(免疫抑制薬)が治療に使われる場合もあります。体外物質に対して免疫システムが過敏に反応することでサルコイドーシスが起こるという説があります。たとえばニキビを作る
スペインの研究班が、これまでにサルコイドーシスと感染の関連性を調べた研究で出ている結果を集め、専門誌『BMC Pulmonary Medicine』に報告しました。
複数の研究から統合できるデータが集まった場合には、まとめて関連性の強さを計算しました。
調査の結果、報告されているデータの中で、サルコイドーシスと診断された患者の体からは以下の細菌が見つかりやすいとされていました。
以下の病原体については、報告されているデータをまとめると、統計的にサルコイドーシス患者で特に多いとは言えませんでした。
研究班は、これらの結果からサルコイドーシスの原因について考察する中で、「何かの
原因不明のサルコイドーシスを
統計的な関連性が指摘されていますが、それだけで感染がサルコイドーシスの原因だとは限りません。仮説のひとつとして考えられます。
免疫の異常が原因の病気はたくさんあります。
花粉症などの
免疫が自分自身の体を攻撃してしまう「
1型糖尿病の主な原因も自己免疫です。自己免疫によって組織が破壊され、
免疫の異常にはこのようにさまざまなタイプがあります。どれかに似たしくみでサルコイドーシスもいつか説明できるようになるかもしれません。
執筆者
Is there any association between Sarcoidosis and infectious agents?: a systematic review and meta-analysis.
BMC Pulm Med. 2016 Nov 28.
[PMID: 27894280]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。